モニターを選ぶ際に「モニターヘルツとは何か」が気になって検索している方も多いのではないでしょうか。特に、映像の滑らかさやゲームの快適性に直結するモニターのヘルツ(Hz)は、重要なスペック項目のひとつです。しかし、リフレッシュレートとFPSの違いがわかりにくかったり、「モニター ヘルツ FPS」「リフレッシュレート FPS 違い」といった用語が混同されがちなのも事実です。
この記事では、モニターのヘルツとは何かを初心者にもわかりやすく解説しつつ、用途別の「モニター ヘルツ おすすめ」の目安や、ヘルツの高いおすすめモニターの紹介まで丁寧に網羅していきます。基本知識から具体的な選び方までしっかり押さえて、後悔のないモニター選びを実現しましょう。
- モニターヘルツ(Hz)の基本的な意味と役割
- FPSとの違いや関係性
- 用途に応じた適切なリフレッシュレートの目安
- ヘルツと映像の滑らかさ・操作性との関係
モニターヘルツ(Hz)とは何か初心者でもわかる基礎知識
モニター選びにおいて「ヘルツ(Hz)」という用語はよく登場しますが、その意味や役割を正しく理解できていない人も少なくありません。Hzとは、モニターが1秒間に画面を何回更新するかを示す単位で、映像の滑らかさや操作の応答性に大きく関わります。
また、Hzと混同されがちな「FPS(フレームレート)」や、実際の出力性能との関係性も知っておくことが重要です。本記事では、Hz・リフレッシュレート・FPSの違いから、確認方法や適切な選び方までをわかりやすく解説します。
モニター のヘルツ(Hz) とは何か?
モニターの「ヘルツ(Hz)」とは、画面が1秒間に何回書き換えられるかを示す数値です。単位の「Hz(ヘルツ)」となります。
この数字が高いほど、画面はより滑らかに動いて見えるようになります。たとえば、60Hzのモニターなら1秒間に60回画面を更新し、144Hzなら144回更新します。これにより、キャラクターの動きや画面のスクロールが自然に見えるようになります。
ただし、ヘルツ(Hz)が高いからといって、誰にとっても必要とは限りません。ビジネス用途や動画視聴が中心であれば、60Hz〜75Hzでも十分です。一方で、FPSなど動きの速いゲームをするなら、144Hzや240Hzといったモニターが効果を発揮します。
重要なのは、自分の用途に合ったヘルツ(Hz)選ぶことです。過剰なスペックはコストに見合わない可能性があるため、注意が必要です。
ヘルツ(Hz)とリフレッシュレート、FPSの違いとは?基礎知識を解説
ヘルツ(Hz)、リフレッシュレート、そしてFPS(フレームレート)は、どれも映像の滑らかさに関わる用語ですが、それぞれが意味するものは異なります。混同されやすいため、正しく理解しておくことが大切です。
●ヘルツ(Hz)とリフレッシュレートの違いは?
結論から言えば、「ヘルツ(Hz)」と「リフレッシュレート」は意味する内容は同じです。ただし、「ヘルツ」は単位、「リフレッシュレート」はその単位が使われる性能指標という違いがあります。
言い換えると、リフレッシュレートとは、モニターが1秒間に何回画面を更新できるかを表す数値であり、その単位がHz(ヘルツ)です。たとえば、「リフレッシュレートが144Hz」といった場合、「1秒間に144回、画面を描き換える性能がある」という意味になります。
そのため、リフレッシュレートとヘルツを別々に考える必要はなく、一般的にはセットで使われる表現です。
●FPSとの違いはどこにある?
一方、FPS(フレームレート)は、映像を出力する側=PCやゲーム機の処理能力に関わる用語です。こちらは1秒間に何枚の映像を生成しているかを表し、モニターの性能とは別の話になります。
ここで重要なのが、リフレッシュレート(Hz)とFPS(フレームレート)は一致してこそ本来の性能を発揮するという点です。
たとえば、PCが120fpsでゲーム映像を出力していたとしても、モニターが60Hzまでしか対応していなければ、実際に表示されるのは60フレームだけです。残りの60フレームは表示されず、滑らかさは制限されてしまいます。
逆のケースでも同様です。モニターが240Hzに対応していても、ゲーム側が60fpsしか出力できなければ、画面に表示されるのは毎秒60枚分の映像にとどまります。
項目 | リフレッシュレート(Hz) | FPS(フレームレート) |
---|---|---|
意味 | モニターが1秒間に画面を何回更新できるか | PCやゲーム機が1秒間に何枚の映像を生成するか |
関係する機器 | モニター(表示側) | PC・ゲーム機(出力側) |
単位 | Hz(ヘルツ) | fps(frames per second) |
数値が高いとどうなるか | 映像がより滑らかに表示される | 処理された映像の枚数が多くなり操作が正確になる |
数値の制限があるとどうなるか | 滑らかさに制限がかかる | 映像の出力がカクつく、遅延が発生しやすくなる |
性能が発揮される条件 | 出力側のFPSが十分に高いことが前提 | モニター側のリフレッシュレートが高いことが前提 |
●図で整理するとこうなります:
- ゲーム出力:120fps
- モニター性能:60Hz
→ 表示されるのは60フレームだけ。性能を活かせない。 - ゲーム出力:60fps
- モニター性能:240Hz
→ 出力が不足しており、モニターの性能が無駄になる。
●最適な環境を整えるために
このように、FPSとリフレッシュレート(Hz)のバランスが取れていないと、どちらかの性能が無駄になります。滑らかで快適な映像体験を得るためには、「出力側(FPS)」と「表示側(Hz)」の両方を確認し、自分の使用目的や予算に合った機器を選ぶことが重要です。
ゲーミング用途であれば、PCの性能に合わせて144Hzや240Hzのモニターを選ぶのが一般的です。逆に、60fpsが上限の家庭用ゲーム機などで遊ぶ場合は、60Hzモニターでも十分に対応できます。
この基本を押さえることで、無駄な出費を防ぎつつ、自分にとって最適な映像環境を構築しやすくなります。
モニターのフレームレート(ヘルツ:Hz)/ FPS 確認の方法とは
モニターのリフレッシュレート(Hz)や、ゲーム中にPCが出力しているフレームレート(FPS)を確認することで、自分の環境が性能を最大限に活かせているかがわかります。以下で、Windows 11での確認手順を具体的に解説します。
モニターのリフレッシュレート(Hz)を確認する
1.デスクトップを右クリック
デスクトップ上の何もない場所で右クリックします。

2.「ディスプレイの詳細設定」を開く
設定画面が開いたら、下にスクロールし、「ディスプレイの詳細設定」をクリックします。

3.対象のモニターを選ぶ(マルチモニターの場合)
複数のモニターを使用している場合は、確認したいモニターを選択してください。

4.リフレッシュレート(Hz)を確認
「リフレッシュレートを選択」の欄に現在のHz(ヘルツ)が表示されます。例えば「60Hz」「144Hz」などです。 ※必要に応じて、ここで設定を変更することも可能です。
ゲーム中のFPSを確認する
●ゲーム内設定で確認できる場合
一部のゲームでは、設定メニューやオプションの「表示設定」「パフォーマンス」などの項目からFPSカウンターをオンにできます。設定項目に「フレームレート表示」「パフォーマンス統計」などがあるか探してみましょう。
●外部ソフトで確認する場合(FPS表示非対応のゲーム)
ゲーム側にFPS表示機能がない場合は、以下のようなソフトを使えばリアルタイムでFPSを画面に表示できます。
- MSI Afterburner(アフターバーナー)
ハードウェア監視ツールで、FPSやCPU/GPUの使用率などを画面上にオーバーレイ表示できます。(以下の画面参照、ソフトのインストールが必要です。ダウンロードはこちらから)



- GeForce Experience(NVIDIAユーザー向け)
NVIDIA製GPUを搭載しているPCであれば、GeForce Experienceの「インゲーム オーバーレイ」機能を使ってFPSを表示可能です。
【GPUの確認方法】
1.タスクマネージャーを開く。
タスクバーで右クリック or 「CTRLキー+ ALTキー+DELキー」同時押し

2.左側にあるパフォーマンスをクリック(図の赤丸部分)

3.GPU部分をクリック。GPU名が表示されます

【GeForce Experienceでの手順】 ソフトのインストールはこちらから
1.設定画面を表示(図の赤丸部分)

2.「全般」タブから、「ゲーム内のオーバーレイ」をオンにする。

3.ソフト(ゲームなど)起動後に「ALT+Z」キーを押す。
4.画面右側にある「歯車」の設定タブをクリック

5.HUDレイアウトをクリック

6.パフォーマンスからFPSを選択して完了させる

このように、モニターのリフレッシュレート(Hz)とゲーム中のFPSを両方確認することで、自分の環境がボトルネックになっていないかを判断することができます。表示側と出力側の性能が一致していなければ、本来の性能を発揮できません。
快適な映像体験を得るためにも、一度自分の環境をチェックしてみることをおすすめします。
120fpsを出すには何Hz必要ですか?を正しく理解
120fpsで映像を表示したい場合、最低でもモニターのリフレッシュレートが「120Hz」である必要があります。
理由は単純で、モニターはHzの値までしかフレームを表示できないからです。たとえば、120fps出力が可能なゲームやPCであっても、60Hzのモニターを使っていると、毎秒60フレームしか表示されません。結果として、本来の滑らかさを体感することができなくなります。
具体的には、PS5などのゲーム機は最大120fps対応のタイトルがあります。この場合、120Hz以上のモニターを使用しなければ、性能を発揮できません。
ただし、120Hz以上のモニターは高価な製品も多く、使う機器がそれに対応していなければ無駄になってしまいます。機器の出力性能を確認した上で、リフレッシュレートを選ぶことが大切です。
モニターヘルツとはどの数値が自分に最適か
モニターの「ヘルツ(Hz)」とは、画面が1秒間に何回更新されるかを示す数値で、映像の滑らかさに直結する重要な指標です。特にゲームや動画編集では快適さや反応速度に大きな差が出るため、使用目的に合った適切なHzを選ぶことが求められます。しかし、高いHzのモデルほど価格や消費電力が増えたり、PC側に高性能が求められるため注意が必要です。
本記事では、用途別におすすめのリフレッシュレートや、モニター選びで失敗しないためのスペック解説、さらに最新の高Hz対応モニターまで詳しく紹介していきます。
モニター ヘルツ おすすめの選び方と注意点
モニターのヘルツ(Hz)を選ぶ際は、使用目的とPCやゲーム機の性能に合った数値を選ぶことが重要です。
まず基本として、ヘルツはモニターのリフレッシュレートを表し、数値が高いほど映像が滑らかになります。ただし、滑らかさを活かすには、接続するPCやゲーム機がそれに見合うフレームレート(fps)を出力できなければ意味がありません。
例えば、60fpsしか出力できない環境で240Hzのモニターを使っても、60Hz相当の表示にしかならず、性能を活かしきれません。これを避けるには、自分が使っているPCやゲーム機の性能上限を確認したうえで、最適なHz数のモニターを選ぶ必要があります。
また、注意点としては「高いHz=万能ではない」という点です。高リフレッシュレートのモニターは価格が高く、消費電力や発熱も増える傾向にあります。さらに、目の疲労が増すと感じる人もいるため、スペックだけでなく体感のバランスも大切です。
モニターのヘルツが高いことによるメリット/デメリットを比較
高リフレッシュレート(高ヘルツ)のモニターは、多くの場面で映像体験を向上させてくれます。しかし、性能の高さにはコストや設置環境とのバランスも伴うため、良い点だけでなく注意点もしっかり把握しておく必要があります。
【メリット】高ヘルツモニターがもたらす主な利点
まず最も大きなメリットは、映像が非常になめらかになることです。動きの多いコンテンツでもフレームの切り替えが細かくなるため、目で追いやすく、違和感を感じにくくなります。
具体的には、以下のような場面で効果を実感できます。
- FPSや格闘ゲームでの操作精度の向上
照準のブレが減り、敵の動きもより明確に視認できるため、勝率にも影響することがあります。 - カーソル操作やスクロールの快適さ
Webページのスクロール、ドキュメントの読み書き、マウスの移動が滑らかになり、作業効率が向上します。 - 映像編集・クリエイティブ作業の正確性
動画の細かい動きや微妙なズレにも気づきやすく、編集の精度が上がります。
このように、ゲーム用途に限らず、作業効率や目の快適さという点でもメリットがあるのが高リフレッシュレートモニターの魅力です。
【デメリット】高リフレッシュレート導入時の注意点
一方で、ヘルツが高いモニターを導入することで発生するデメリットもいくつか存在します。
- 本体価格が高い
一般的に、60Hzのモニターに比べて144Hzや240Hzの製品は価格が高くなります。同じサイズ・解像度でも、リフレッシュレートの差で1.5倍以上の価格差がつくこともあります。 - PC側の性能が必要
高リフレッシュレートを活かすには、それに見合うフレームレート(fps)を安定して出力できるPCスペックが必要です。特にGPU(グラフィックボード)への負荷が大きくなります。 - 消費電力と発熱の増加
高Hzモニターは描画回数が多くなるため、内部処理も増加し、発熱量や電力消費が上がる傾向があります。長時間の使用では部屋の温度上昇や電気代への影響も考慮が必要です。 - 目の疲れを感じることがある
動きが滑らかすぎることで視線移動が増えたり、輝度やコントラストの強さによって、疲れやすく感じる人もいます。
このように、スペックだけを重視して導入すると、性能を活かしきれなかったり、無駄な投資につながることがあります。
【比較表】高リフレッシュレートモニターのメリットとデメリット
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
映像のなめらかさ | フレーム切り替えが高速で、動きがスムーズになる | 動きに敏感すぎて疲れを感じるケースがある |
ゲームでの操作性 | 視認性・応答性が向上し、対戦ゲームで有利になりやすい | 高フレームレートを出せないPCでは性能を活かせない |
作業効率 | カーソル移動やスクロールも滑らかで、目に優しく疲れにくい | 一部の人には動きすぎて逆に疲労を感じる可能性がある |
コスト | 技術的に高性能な表示が可能 | モニター本体価格が高く、ハイスペックPCが必要になる |
消費電力・発熱 | ― | 消費電力が増え、発熱も大きくなる傾向がある |
このように、高リフレッシュレートのモニターは大きな快適性をもたらしますが、環境や目的に応じてメリットとデメリットをよく比較することが重要です。
一度自分のPC性能や利用スタイルを見直し、それに見合ったスペックのモニターを選ぶことで、無駄なく最適な環境を手に入れることができます。高性能なものほど良いというイメージに惑わされず、実用性とバランスを重視して選ぶことが後悔しない買い方につながります。
モニターは何ヘルツあればいいですか?目的別に紹介
モニターのリフレッシュレート(Hz)は、用途によって最適な数値が異なります。必要以上に高性能なモデルを選ぶとコストが無駄になり、逆に性能が不足していると作業やプレイに支障が出ることもあります。
ここでは、目的別におすすめのリフレッシュレートを詳しく解説します。自分の利用シーンと照らし合わせて参考にしてみてください。
■ Web閲覧・事務作業・学習用途:60Hz〜75Hz
Webサイトの閲覧、WordやExcelの作業、PDFの読み書き、オンライン学習など、動きの少ない用途では60Hzで十分です。75Hzにすると若干スクロールが滑らかになりますが、大きな違いは感じにくい人も多いでしょう。
- 主な用途:文書作成、表計算、メール、オンライン講義
- おすすめHz:60Hz〜75Hz
- 補足:事務用モニターは応答速度や色再現性より、省エネ性や目の負担軽減機能のほうが重視されます。
■ 映画鑑賞・動画視聴:60Hz〜75Hz
映画やYouTubeなどの動画は、多くが24fpsまたは30fpsで制作されているため、モニター側も60Hzあれば十分です。高リフレッシュレートに対応していない作品も多く、過剰スペックになることがほとんどです。
- 主な用途:Netflix、YouTube、Amazon Prime Video などの鑑賞
- おすすめHz:60Hz〜75Hz
- 補足:4K映像を観たい場合は、リフレッシュレートよりも解像度やHDR対応かどうかのほうが重要です。
■ 動画編集・映像制作:75Hz〜100Hz

動画編集では、タイムライン上の映像を正確に確認する必要があるため、滑らかな表示が求められます。最低75Hz以上あると、フレーム単位での編集もやりやすくなります。
また、モニターの表示がカクつくとエフェクトの確認精度が落ちるため、100Hzまで対応していると作業効率が向上します。
- 主な用途:Premiere Pro、DaVinci Resolve、After Effects などの編集作業
- おすすめHz:75Hz〜100Hz
- 補足:リフレッシュレートに加え、色域(sRGB・AdobeRGB)や正確な色再現性も重要なポイントです。
■ ライトなゲーム(RPG・パズル・ストラテジーなど):75Hz〜100Hz
動きが激しくないゲームでは、中程度のリフレッシュレートでも快適に楽しめます。特にターン制RPGやシミュレーションゲームでは、高速な描画を求められる場面が少ないため、コストパフォーマンスも優先しやすいです。
- 主なゲームジャンル:ポケモン、ファイナルファンタジー、信長の野望、Cities: Skylinesなど
- おすすめHz:75Hz〜100Hz
- 補足:画質を重視するなら解像度(WQHDや4K)とのバランスも考慮しましょう。
■ FPS・アクション・レースゲーム:144Hz以上
動きが速く、瞬間的な判断を求められるジャンルでは、144Hz以上が快適性とパフォーマンスの両立に必要です。144Hzモニターでは1フレームの描画時間が約6.9ミリ秒と短く、60Hz(約16.6ミリ秒)と比較して圧倒的に反応が早くなります。
補足)1フレーム当たりの描画時間はリフレッシュレートの逆数で求められます。
(60Hzの場合 → 1/60 = 0.0166秒 (16.6ミリ秒))
- 主なゲームジャンル:Apex Legends、VALORANT、COD、Fortnite、Forza Horizonなど
- おすすめHz:144Hz〜165Hz
- 補足:高リフレッシュレートに見合うPCスペック(特にGPU性能)が必要です。
■ eスポーツ・競技志向ゲーマー:240Hz〜360Hz
反射神経と正確な操作が勝敗を分けるeスポーツでは、240Hz以上のモニターを使用するプレイヤーが多数派になりつつあります。描画遅延のわずかな差がプレイ成績に影響するため、ハイエンド志向であれば360Hzモニターも選択肢に入ります。
- 主なゲームジャンル:CS:GO、Overwatch、League of Legends(プロ環境)
- おすすめHz:240Hz〜360Hz
- 補足:fpsが安定して出せるPC構成(例:RTX4070以上)が前提になります。
■ 写真編集・デザイン・CAD設計:75Hz〜100Hz
この用途では、リフレッシュレートよりも表示の正確さ・色の再現性・目の疲れにくさが重視されます。とはいえ、画面のスクロールや拡大縮小を頻繁に行う場合は、75Hz以上あれば快適です。
- 主な用途:Photoshop、Illustrator、AutoCAD、Blenderなど
- おすすめHz:75Hz〜100Hz
- 補足:ハードウェアキャリブレーション対応やIPSパネル採用モニターがおすすめです。
【まとめ】リフレッシュレートの目安表(用途別)
用途 | おすすめHz | 補足・目的 |
---|---|---|
Web閲覧・事務作業 | 60Hz〜75Hz | 動きが少ない作業中心。価格重視 |
映画・動画視聴 | 60Hz〜75Hz | 映像自体が24〜30fpsのため高Hz不要 |
動画編集 | 75Hz〜100Hz | タイムライン確認や作業効率に貢献 |
RPG・ストラテジー系ゲーム | 75Hz〜100Hz | 動きが緩やかなので高Hzでなくても快適 |
FPS・アクションゲーム | 144Hz〜165Hz | 素早い描画と操作精度が求められる |
eスポーツ・競技レベルのゲーム | 240Hz〜360Hz | フレーム単位の反応が必要。プロや大会向け |
写真編集・デザイン・CAD設計 | 75Hz〜100Hz | 色再現と疲労軽減が重要。滑らかさはサポート要素 |
このように、モニターは「何に使うか」を明確にすることで、自分にぴったりのヘルツ数を絞り込むことができます。スペックだけでなく、用途と価格のバランスを見極めることが、後悔しないモニター選びへの第一歩です。
60Hzと144Hzの違いとは?使用感を徹底比較
60Hzと144Hzでは、映像のなめらかさに明確な違いがあります。特に動きの激しい場面での体感差は大きく、ゲームのジャンルやユーザーの用途によって選ぶ基準が変わってきます。
60Hzのモニターは、事務作業や一般的なPC操作、動画視聴には十分な性能を持っています。しかし、FPSやMOBAといった対戦型ゲームにおいては、敵の動きがカクついて見えることがあり、エイムや操作反応にズレを感じる場合があります。
対して、144Hzモニターは1秒間に144回の画面更新が行われるため、カーソルの動きやキャラクターの挙動が滑らかに映ります。特にマウスを素早く動かす操作に対しての追従性が高く、瞬時の判断を求められるゲームでは有利になります。
ただし、144Hzの性能を活かすにはPC側でも安定して144fpsを出力できることが条件となります。PCの性能が足りない場合は、結局60fps程度の表示にしかならないこともあります。
モニターヘルツ(Hz)以外で選ぶポイントを知って後悔しない選択を
リフレッシュレート(Hz)はモニター選びの重要な要素ですが、それだけに注目して購入してしまうと、後々使いにくさや機能不足に気づくケースもあります。ここでは、Hz以外で確認すべきスペックを詳しく解説します。
■ 応答速度(Response Time)
応答速度とは、画面上のピクセルが色を切り替える速さを示した数値です。一般的に「〇ms(ミリ秒)」で表され、数値が小さいほど切り替えが速く、動きのある映像でも残像が出にくくなります。
- 1ms以下:ゲーミング用途や高速スクロールに最適
- 5ms前後:一般的な事務作業や動画視聴には十分
- 遅い場合のリスク:残像(ゴースト)が出る、反応が遅く感じることがある
とくにFPSや格闘ゲームでは、1ms以下が推奨されます。動画や静止画中心の用途であれば、3~5msでも問題ありません。
■ パネルの種類(液晶方式)
モニターの画質や応答性、視野角に大きく影響するのがパネルの種類です。主に以下の3つに分類されます。
- TNパネル
- 応答速度が非常に速く、価格も安価
- 視野角が狭く、色再現性が低い
- eスポーツや高速ゲーム向け - IPSパネル
- 発色が鮮やかで視野角が広い
- 応答速度はTNよりやや劣る
- デザイン・写真・映像制作に適している - VAパネル
- コントラストが高く、黒が引き締まって見える
- 応答速度はやや遅め
- 映画鑑賞や一般用途におすすめ
選ぶ際は、自分の使い方に合ったパネルの特性を優先するのがポイントです。
■ 解像度(Resolution)
解像度は画面に表示されるドット数(ピクセル)を表し、作業効率や映像の美しさに直接影響します。
- フルHD(1920×1080):一般用途やエントリーゲーム用
- WQHD(2560×1440):動画編集・ゲーム・作業領域の拡張に最適
- 4K(3840×2160):細部の確認・デザイン・映像美重視のユーザー向け
高解像度になるほど作業領域は広がりますが、その分グラフィック性能を求められるため、PCのスペックも確認しておきましょう。
■ 接続端子・対応規格(HDMI / DisplayPort など)
接続端子の種類や対応するバージョンも、Hzや解像度の性能を最大限に活かすためには見逃せません。
- HDMI 1.4:最大1080p/144Hz、4K/30Hzまで
- HDMI 2.0:最大4K/60Hz、WQHDで144Hz程度
- HDMI 2.1:4K/120Hz、8K対応、次世代ゲーム機に最適
- DisplayPort 1.2:WQHD/144Hzに対応
- DisplayPort 1.4:4K/144Hz、HDR対応
特に高リフレッシュレートを狙う場合は、DisplayPortの方が帯域が広く安定しやすいため、ケーブルとポートの両方が対応しているかを確認する必要があります。
■ 色域と色精度(sRGB / AdobeRGB / DCI-P3)
デザイン・写真・動画制作に関わる人にとっては、色の再現性も極めて重要な指標です。
- sRGBカバー率100%:一般用途には十分な色域
- AdobeRGB対応:印刷やカラーマネジメントに強い
- DCI-P3対応:映画制作や動画編集に向く鮮やかさ重視の色域
また、ハードウェアキャリブレーション対応モニターは、プロ向け環境での正確な色調整が可能になります。
■ その他の確認ポイント
- HDR対応:映像の明暗差をリアルに再現でき、映画やゲーム体験が向上
- ブルーライト軽減・フリッカーフリー:長時間作業でも目に優しい設計
- スタンドの調整機能(高さ・角度・回転):デスク環境に柔軟に対応可能
- VESAマウント対応:モニターアームの取り付け可否
これらは見落とされがちですが、使い勝手や疲労感に大きな差が出る要素です。
スペック一覧
項目 | 解説内容 | おすすめ対象用途 |
---|---|---|
応答速度 | ピクセルの色が切り替わる速さ。1ms以下であれば滑らか | ゲーム、アクション、スクロール操作が多い作業 |
パネルの種類 | TN:高速/IPS:色・視野角/VA:コントラスト | ゲーム、動画視聴、写真編集など目的に応じて |
解像度 | 表示できるピクセルの量。作業領域や映像の精細さに影響 | 映像編集、マルチタスク、グラフィック制作 |
接続端子・規格 | HDMI/DPのバージョンでHz・解像度の上限が異なる | ゲーム機・PCと接続してフル性能を発揮したい人 |
色域と色精度 | 色の再現範囲と精度(sRGB/AdobeRGB/DCI-P3) | 写真・映像・印刷など色が重要な用途 |
HDR・ブルーライト | 明暗差の美しさや目の負担軽減設計 | 長時間作業、映画・ゲーム視聴 |
スタンド調整・VESA | 高さ・角度・アーム対応で設置の自由度向上 | デスク環境にこだわるユーザー |
このように、モニター選びではリフレッシュレートだけで判断せず、複数の要素を総合的に確認することが大切です。使用目的に最適なバランスを見極めれば、購入後の後悔を防ぐことができます。モニターは毎日使うツールだからこそ、自分に合った1台を選びましょう。
用途別のリフレッシュレート/ヘルツの高いおすすめモニター紹介
以下に用途ごとにリフレッシュレートの高いおすすめモニターを紹介します。
FPS・eスポーツなどの高速ゲームにおすすめ(240Hz〜360Hz)
Pixio PX259 Prime S(24.5インチ / 360Hz / Fast IPS)
- 解像度:フルHD(1920×1080)
- リフレッシュレート:360Hz
- 応答速度:約1ms
- パネル:Fast IPS
- 特徴:非常に滑らかで応答性が高く、プロゲーマーや競技シーンにも対応可能。価格も360Hzクラスでは比較的リーズナブル。
Pixio PX279 Prime Neo(27インチ / 240Hz / Fast IPS)
- 解像度:フルHD(1920×1080)
- リフレッシュレート:240Hz
- 応答速度:約1ms
- パネル:Fast IPS
- 特徴:240Hzで滑らかさは十分。視認性が高く、格闘ゲームやレースゲームにも適しています。
高画質と高Hzを両立したい人向け(WQHD / UWQHD 180Hz)
Pixio PX278 Wave(27インチ / WQHD / 180Hz)
- 解像度:2560×1440
- リフレッシュレート:180Hz
- 応答速度:約1ms
- パネル:Fast IPS
- 特徴:高精細な映像と高リフレッシュレートを両立。動画編集やRPGゲームにも最適。
Pixio PXC348CN(34インチ / UWQHD / 180Hz / 曲面VA)
- 解像度:3440×1440(ウルトラワイド)
- リフレッシュレート:180Hz
- 応答速度:約1ms
- パネル:VA(曲面)
- 特徴:大画面かつ没入感のある湾曲ディスプレイ。マルチタスクやシネマティックなゲームにもおすすめ。
コスパ重視で初めての高Hzモニターに(180Hz前後)
Pixio PX24Q PRO(23.8インチ / 180Hz / Fast IPS)
- 解像度:フルHD(1920×1080)
- リフレッシュレート:180Hz
- 応答速度:約1ms
- パネル:Fast IPS
- 特徴:低価格帯ながら滑らかな映像表示を実現。普段使い+軽いゲーミングに最適。
映像美と滑らかさを究極まで求める方向け(上級モデル)
Alienware AW2725DF(27インチ / QHD / 360Hz / QD-OLED)
- 解像度:2560×1440
- リフレッシュレート:360Hz
- 応答速度:約0.03ms
- パネル:QD-OLED
- 特徴:色の再現性・滑らかさ・応答性すべてを極めたモデル。プロ用途や映像制作者にも対応。
ASUS ROG Swift PG27UCDM(27インチ / 4K / 240Hz / QD-OLED)
- 解像度:3840×2160
- リフレッシュレート:240Hz
- 応答速度:非常に高速(約0.03ms)
- パネル:QD-OLED
- 特徴:4Kの圧倒的な精細感に加えて、240Hzの表示性能を兼ね備えた高級モデル。
比較表:主要スペックまとめ
用途 | モデル名 | 解像度 | Hz | 応答速度 | パネル | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|---|
競技FPS・プロゲーマー向け | PX259 Prime S | FHD | 360Hz | 約1ms | Fast IPS | 超高速応答・滑らかな表示 |
高速ゲームプレイ全般 | PX279 Prime Neo | FHD | 240Hz | 約1ms | Fast IPS | バランスの良い競技用 |
高画質ゲーム・編集兼用 | PX278 Wave | WQHD | 180Hz | 約1ms | Fast IPS | 精細+滑らかさを両立 |
没入感重視の作業・映像鑑賞 | PXC348CN | UWQHD | 180Hz | 約1ms | VA(曲面) | 広視野と大画面の作業環境に適応 |
初心者・コスパ重視 | PX24Q PRO | FHD | 180Hz | 約1ms | Fast IPS | 初めての高Hz体験におすすめ |
映像美+反応速度の最高峰 | AW2725DF | QHD | 360Hz | 約0.03ms | QD-OLED | 圧倒的な色再現と滑らかさ |
4K高解像度+高速表示 | PG27UCDM | 4K | 240Hz | 約0.03ms | QD-OLED | 超高精細と240Hzを両立した最高クラスモデル |
モニター選びにおいては、リフレッシュレート(Hz)だけでなく、解像度・応答速度・パネル種類・予算・用途など、複数の要素をトータルで考えることが重要です。この記事で紹介したモデルは、ゲーム、編集、仕事、映画視聴などあらゆる用途に応じて、パフォーマンスと価格のバランスを考慮した製品ばかりです。
用途が決まっている場合は、上記の比較表をもとに、目的に合った1台を選んでみてください。希望があれば、さらにニーズに合ったモデルも提案できます。
モニターヘルツとは何かを理解するための総まとめ
本記事のまとめを以下に列記します。
- モニターヘルツ(Hz)とは1秒間に画面を何回更新できるかを示す単位
- リフレッシュレートとヘルツは基本的に同じ意味で使われる
- ヘルツ数が高いほど映像は滑らかに表示される
- FPS(フレームレート)はPCやゲーム機の出力性能に関わる
- FPSとHzのバランスが取れていないと性能を活かしきれない
- たとえば120fps出力でも60Hzのモニターでは60フレームまでしか表示されない
- 逆に240Hzモニターでもゲームが60fpsなら表示は60フレームにとどまる
- 用途に合ったHz数を選ぶことで無駄な出費を防げる
- 一般作業や動画視聴は60Hz〜75Hzで十分対応可能
- 動きの速いゲームでは144Hz以上のモニターが快適
- eスポーツ用途では240Hz〜360Hzが主流になりつつある
- Windows 11ではディスプレイ設定から現在のHzを簡単に確認できる
- FPS表示はゲーム設定またはAfterburnerやGeForce Experienceで確認可能
- 高Hzモニターを使うには対応するGPU性能も必要
- 目的に応じて、Hzだけでなくパネル種や解像度などもあわせて選ぶべき
コメント