富士フイルムの中判ミラーレスカメラ「GFX50S II」は、その高い画質と手の届きやすい価格設定により、多くの写真愛好家から支持を集めてきました。しかし近年、「GFX50S II 生産終了 なぜ」といった疑問の声や、「GFX50S II 後継機 出ているのか?」という検索が増えており、次の一手を待ち望むユーザーが少なくありません。
本記事では、GFX50S IIの後継機に関する最新の動向を中心に、なぜこのモデルが生産終了となったのか、後継候補となりうるモデルとの違い、そして引き続き活用したいユーザーのために「GFX50S IIに合うレンズは?」という疑問にもお答えします。また、近年再評価が進む「GFX50S II オールドレンズ」の魅力や、「GFXに他社のレンズは装着できますか?」といった互換性についても解説。
GFXシリーズを愛用する方や、これから導入を検討している方に向けて、GFX50S IIをめぐる今の状況と選択肢をわかりやすくまとめています。
- GFX50S IIの生産終了の背景と現状
- GFX50S IIの後継機が未発表である理由
- GFX50S IIに適した純正レンズやオールドレンズの活用方法
- 他社製レンズとの互換性とマウントアダプターの活用ポイント
- GFX50S II 後継機は出る?最新動向と予測
- GFX50S II 生産終了の可能性が大きい理由とは?
- GFX50S II 後継機 出ているのか?現状まとめ
- GFX50S IIの欠点はあるのか?
- GFXシリーズの紹介と進化の系譜
GFX50S II 後継機は出る?最新動向と予測
富士フイルムのGFX50S IIは、35mmフルサイズを超えるラージフォーマットセンサーを搭載しながら、軽量で扱いやすい中判カメラとして注目を集めています。中判ならではの高解像・豊かな階調・美しいボケ味を提供し、ポートレートや風景、商業撮影まで対応できる表現力が魅力です。
本記事では、GFX50S IIの基本スペックからGFXシリーズ全体の特徴、他社製カメラとの違い、レンズ選びやオールドレンズの活用法、そして後継機や生産終了の動向までを網羅的に解説。GFXを深く知りたい方へ向けた総合ガイドです。
GFX50S IIとは GFXの何がすごいの?

GFX50S IIは、富士フイルムが展開する中判ミラーレスカメラ「GFXシリーズ」の中で、比較的手頃な価格帯ながら高画質を実現しているモデルです。中判とは、35mmフルサイズよりも大きなイメージセンサー(44×33mm)を搭載したカメラのことを指します。
このGFX50S IIの魅力は、なんといってもそのセンサーサイズと描写力にあります。一般的なフルサイズより約1.7倍大きなセンサーが、より多くの光を取り込み、豊かな階調や立体感のある描写を可能にします。ポートレートや風景写真で、繊細なディテールまで写し込めるため、作品制作や商業撮影にも適しています。
また、手ぶれ補正機能(IBIS)を搭載し、手持ちでも安定した撮影がしやすい点も評価されています。コンパクトで軽量なボディは、従来の中判カメラの「重くて扱いにくい」という印象を大きく変えました。
このように、GFX50S IIは中判カメラの高画質と携帯性を両立させた、画質重視のユーザーにとって魅力的な選択肢です。
GFXシリーズとは何か?

GFXシリーズとは、富士フイルムが手がけるラージフォーマットセンサー搭載のミラーレスカメラ群の総称です。通常のフルサイズよりも大きいセンサー(43.8×32.9mmまたは44×33mm)を採用し、これにより高い解像力、豊かな階調表現、なだらかなボケ味といった「超・写真画質」が得られます。
富士フイルム独自の「フィルムシミュレーション機能」や、高性能な「フジノンGFレンズ」との組み合わせによって、プロのフォトグラファーからも高い支持を得ています。
また、GFXシリーズは中判機でありながらミラーレス構造を採用することで、ボディの小型・軽量化にも成功。スタジオ撮影から風景、ポートレート、商品撮影まで、幅広い用途に対応しています。
GFX50S II 主なスペック一覧
項目 | 内容 |
---|---|
発売日 | 2021年9月3日 |
センサータイプ | 43.8×32.9mm CMOSセンサー(中判) |
有効画素数 | 約5140万画素 |
画像処理エンジン | X-Processor 4 |
ISO感度範囲 | ISO100〜12800(拡張:ISO50〜102400) |
手ぶれ補正(IBIS) | 最大6.5段分の補正効果 |
オートフォーカス方式 | コントラスト検出方式 |
連写性能 | 約3コマ/秒 |
動画記録 | フルHD(1920×1080) 30p/25p/24p |
モニター | 3.2型 約236万ドット チルト式LCDモニター |
ビューファインダー | 約369万ドット OLED電子ビューファインダー |
記録メディア | SDカード(UHS-II対応)×2スロット |
本体サイズ(W×H×D) | 約150×104.2×87.2mm |
本体重量(バッテリー等含む) | 約900g |
GFX50S II 生産終了の可能性が大きい理由とは?

GFX50S IIが生産終了となったことは、多くの写真愛好家やプロカメラマンの間で大きな話題となりました。その背景には、このモデルが持つ独自の立ち位置が関係しています。
まずGFX50S IIは、中判カメラとしては異例のコストパフォーマンスを実現していました。そのため、これから中判を始めたいというユーザーにとって、非常に入りやすい存在だったのです。こうした中でのディスコン(生産終了)発表は、「手頃に中判を試せる選択肢が消えるのでは」と不安視されたのでしょう。
加えて、近年フルサイズ機の性能向上により、中判との棲み分けが難しくなっていることも要因と考えられます。今後のGFXシリーズの方向性に注目が集まっています。
GFX50S II 後継機 出ているのか?現状まとめ
2025年8月時点で、GFX50S IIの明確な後継機は富士フイルムから公式に発表されていません。これまでGFXシリーズは定期的に新製品を投入してきましたが、GFX50S IIのような「エントリー中判モデル」に位置づけられる新機種の情報は出ていない状況です。
一方、2023年には上位機種である「GFX100 II」が登場しましたが、これはGFX50S IIの直接的な後継とは言えません。性能や価格帯が異なるため、同じ層のユーザーには届きにくいと考えられます。
このような現状を踏まえると、GFX50S IIの後継機を心待ちにしているユーザーは少なくありません。特に価格を抑えつつも中判ならではの描写力を求める人にとって、GFX50S IIの後継は重要な存在です。
いずれにしても、新モデルの発表がない今、現行の在庫や中古市場の動向に注目しておくことが現実的な対策と言えるでしょう。
GFX50S IIとGFX100 IIの比較表
項目 | GFX50S II | GFX100 II |
---|---|---|
発売時期 | 2021年9月 | 2023年9月 |
有効画素数 | 約5140万画素 | 約1億200万画素 |
センサーサイズ | 43.8×32.9mm(中判) | 43.8×32.9mm(中判) |
センサータイプ | CMOS(裏面照射なし) | 裏面照射型CMOSセンサー |
手ぶれ補正(IBIS) | 最大6.5段 | 最大8.0段 |
オートフォーカス方式 | コントラストAFのみ | 位相差+コントラストAF(AI強化) |
連写速度 | 約3コマ/秒 | 最大8コマ/秒 |
動画機能 | フルHDのみ | 8K/30p、4K/60p対応 |
ボディサイズ・重量 | 約900g | 約948g |
<違いのポイントを解説>
1. 画素数とセンサー構造の違い
GFX100 IIは約1億200万画素の裏面照射型センサーを採用しており、GFX50S IIの倍近い解像度と高感度性能を持っています。特にスタジオ撮影や広告向けのハイエンド用途に適しています。
2. AF性能と速度の向上
GFX100 IIは位相差検出とAIによる被写体認識を搭載しており、動体や顔・瞳AFの精度が大幅に向上しています。GFX50S IIではAF速度が遅く、動体撮影にはやや不向きです。
3. 動画機能の差
GFX50S IIは静止画特化のモデルで、動画はフルHDまでしか対応していません。一方、GFX100 IIはプロの映像制作にも対応できる8K・4K動画機能を備えています。
4. 価格帯のギャップ
両機種の価格差は2倍以上あり、GFX100 IIはハイエンド向けの位置づけです。GFX50S IIは中判への入り口として設計された価格帯で、多くのユーザーにとって手が届きやすい存在でした。
このように比較してみると、GFX100 IIはGFX50S IIの上位互換とは言えず、「後継機」としては性格が異なります。GFX50S IIの後継となるべき、中価格帯・高画質・静止画特化という条件を満たすモデルの登場が、いまだ期待されているのです。
GFX50S IIの欠点はあるのか?
GFX50S IIは圧倒的な画質を誇る中判ミラーレスとして高く評価されていますが、すべてのユーザーにとって万能というわけではありません。ここでは、このカメラの弱点や注意すべき点を項目ごとに解説します。
●オートフォーカス(AF)が遅く、精度に不安あり
GFX50S IIはコントラスト検出方式のみのAFを採用しています。これは静止した被写体には有効ですが、動体追尾や顔・瞳認識AFの精度と速度では、位相差AF搭載のカメラに劣るという欠点があります。
特にスナップ撮影やスポーツ、子どもの動きなどを捉えたい場面では、ピントの迷いや遅延がストレスになることがあるでしょう。
●連写性能が低く、動きものには不向き
GFX50S IIの連写速度は最大で3コマ/秒と控えめです。これは、風景や静物、ポートレート撮影などには十分な性能ですが、連続した動きを撮影する用途には向いていません。
たとえば、動物の一瞬の表情や舞台上の動作など、タイミングを重視するジャンルでは取り逃がしのリスクが高くなります。
●動画機能は限定的で、4K非対応
現在ではミラーレスカメラの多くが4K動画を標準搭載していますが、GFX50S IIはフルHDまでの対応にとどまります。これは、動画撮影を重視するユーザーにとっては大きなマイナスです。
また、撮影中のAF性能も静止画よりさらに制限されるため、動きのある映像にはあまり向いていません。
●操作系が一部直感的ではない
露出補正の操作には専用ダイヤルがなく、ボタンを押してからコマンドダイヤルを回す形式が採用されています。この方式は、素早い露出調整を求めるユーザーにとって直感的とは言い難い仕様です。
カスタム設定を工夫すればある程度は改善できますが、操作の手数が増える点に不便さを感じる声もあります。
●マルチショットモードは環境に左右されやすい
GFX50S IIには高解像度を活かす「マルチショットモード」が搭載されていますが、この機能を活用するにはカメラと被写体が完全に静止していることが前提となります。わずかな揺れや動きがあると合成が失敗するため、使える場面が限られてしまいます。
そのため、現実的には三脚と静かな室内、被写体の完全な固定といった条件が整っていないと運用が難しいというのが実情です。
GFX50S IIは、画質に全振りした「静止画特化型カメラ」として非常に優秀ですが、AFの速度や連写性能、動画機能などにおいては制限があります。
これらの特性を理解した上で、じっくりと作品撮りを行うスタイルにマッチするカメラとして使うのが理想的です。動きのある撮影や動画制作には、他の機種の検討も視野に入れるとよいでしょう。
GFXシリーズの紹介と進化の系譜
富士フイルムのGFXシリーズは、35mmフルサイズを超えるラージフォーマットセンサー(43.8×32.9mmを搭載したミラーレスカメラのシリーズです。中判ならではの高解像・広ダイナミックレンジ・美しいボケ味が魅力で、作品制作や商業撮影の現場でも多くの支持を集めています。
ここでは、GFXシリーズの各モデルを発売順に紹介しながら、その特徴や進化をまとめます。
1. GFX 50S(2017年2月発売)
GFXシリーズの初代モデル。5140万画素の中判CMOSセンサーを搭載し、高画質と可搬性を両立しました。背面モニターは3方向チルト、ボディは一眼レフスタイルで、EVFが脱着式というユニークな構造でした。
2. GFX 50R(2018年11月発売)
GFX 50Sのセンサーを引き継ぎつつ、レンジファインダースタイルの薄型軽量ボディを採用した派生モデル。よりスナップやストリート向けの携帯性を重視した設計で、コストも抑えられていました。
3. GFX100(2019年6月発売)
シリーズ初の1億200万画素センサーを搭載したフラッグシップモデル。位相差AF・ボディ内手ぶれ補正(IBIS)・4K動画対応など、技術の集大成とも言えるモデルです。大型で重厚なボディながら、プロ用途に耐える高性能を備えていました。
4. GFX100S(2021年2月発売)
GFX100のセンサーを継承しつつ、より小型で軽量なボディに仕上げたモデル。約900gの重量でありながら、IBISや高速AF、1億画素の解像力を維持し、実用性の高い中判カメラとして評価されました。GFXシリーズの人気をさらに押し上げた1台です。
5. GFX50S II(2021年9月発売)
初代GFX50Sのセンサーを流用しつつ、GFX100Sと同等のボディを採用して価格を大きく抑えたモデル。GFXシリーズで最も手頃な価格帯の1台であり、中判の入門機として支持されました。手ぶれ補正やフィルムシミュレーションも搭載。
6. GFX100 II(2023年9月発売)
GFX100シリーズの最新モデル。1億200万画素の裏面照射型センサーを搭載し、AF精度・連写性能・動画機能(8K対応)などが大幅に強化されました。AIを活用した被写体認識AFや、新設計の高速画像処理エンジンも搭載され、シリーズ最強の1台に。
7. GFX100S II(2024年5月発売)※最新機種
GFX100 IIの画質を保ちながら、よりコンパクトかつ軽量に仕上げたモデル。約883gのボディに1億画素センサーとIBIS、最新のAFシステムを搭載し、GFX100とGFX50S IIの間を埋める新スタンダード機と位置づけられています。
※納期が非常にかかるため、中古も検討が必要です。
これまでのGFXシリーズは、フラッグシップの「GFX100系」、中間バランス型の「GFX100S系」、そしてエントリー寄りの「GFX50系」に分類されてきました。しかし、2025年8月時点ではGFX50系の新モデルは未発表のままで、GFX50S IIのディスコンが噂される中、新たな手頃な価格帯モデルの登場が期待されています。
中判の高画質を、より多くの人が手にできる未来を目指し、GFXシリーズの進化はこれからも続いていくでしょう。
GFX50S II 後継機を待つ前に知っておくべきこと
GFX50S IIは、富士フイルムの中判ミラーレスカメラとして圧倒的な画質を誇る一方、使用するレンズによってその性能はさらに引き出されます。本記事では、純正の最新GFレンズから、表現の幅を広げるオールドレンズまで、用途別に最適な選択肢を紹介。
さらに、他社製レンズとの互換性や注意点、競合フルサイズ機との違いなども網羅し、GFX50S IIの購入や運用を検討している方に役立つ内容をまとめています。画質重視の撮影スタイルを目指す方にとって、実用性と表現力の両面からレンズ選びの参考になる記事です。
GFX50S IIに合うレンズは?おすすめ構成
GFX50S IIの性能を最大限に活かすには、使用目的に合った最新レンズを選ぶことが重要です。ここでは、2024年~2025年時点で注目されている最新の純正フジノンGFレンズの中から、用途別におすすめを紹介します。
■ 風景・スナップにおすすめ:フジノン GF30mmF5.6 T/S(ティルト・シフトレンズ)|2023年9月発売
- 焦点距離:30mm(35mm判換算24mm相当)
- F値:F5.6
- 特徴:ティルト・シフト機構搭載、周辺まで歪みの少ない描写
- 用途:建築写真、風景、パース補正が必要な構図
このレンズはGFXシリーズ初のティルト・シフト対応レンズで、特に建築や精密な風景撮影に最適です。大型センサーとの組み合わせで、端から端までシャープで歪みの少ない描写が得られます。GFX50S IIの解像力を存分に活かしたい方にとって強力な選択肢です。
■ ポートレートにおすすめ:フジノン GF110mmF2 R LM WR
- 焦点距離:110mm(35mm判換算87mm相当)
- F値:F2
- 特徴:非常に浅い被写界深度、大きなボケ、AFモーター内蔵
- 用途:ポートレート、スタジオ撮影、ファッション撮影
背景をしっかりとぼかしつつ、人物の目元などを高精細に捉えられるポートレートレンズ。AFも静かで高速なため、スタジオ撮影だけでなく、屋外の人物撮影にも適しています。絞り開放での立体感は中判センサーならではです。
■ オールラウンドにおすすめ:フジノン GF45-100mmF4 R LM OIS WR
- 焦点距離:45-100mm(35mm判換算36-79mm相当)
- F値:F4
- 特徴:5段分の手ブレ補正、ズーム全域で安定した描写
- 用途:旅行、イベント、スナップ、ポートレート
このズームレンズは、フルサイズの24-70mmに近い感覚で使える万能タイプ。光学手ブレ補正(OIS)も搭載しており、GFX50S IIの手ブレ補正と合わせて非常に安定した撮影が可能です。一本で多くの場面に対応したい人に向いています。
■ 明るい標準レンズを探すなら:フジノン GF55mmF1.7 R WR|2023年9月発売
- 焦点距離:55mm(35mm判換算44mm相当)
- F値:F1.7
- 特徴:シリーズ初のF1.7開放、柔らかいボケと高解像
- 用途:日常撮影、ポートレート、スナップ、暗所
高解像と柔らかいボケのバランスを両立した大口径標準レンズ。GFXシリーズでは珍しい開放F1.7という明るさにより、室内や夜間の撮影にも強く、作品作りにも最適です。AF速度も改善されており、実用性の高い一本です。
■ 超広角でのダイナミック撮影に:フジノン GF20-35mmF4 R WR
- 焦点距離:20-35mm(35mm判換算16-28mm相当)
- F値:F4
- 特徴:GFX初の超広角ズーム、軽量設計
- 用途:風景、建築、星景、ダイナミックな構図撮影
広大な風景や構造物のスケール感を強調したい撮影に適しています。特に山岳写真や都市夜景など、奥行きのあるシーンで大活躍します。高解像でありながら携帯性にも優れています。
組み合わせのおすすめ構成例(2025年版)
用途 | レンズ名 | 特徴 |
---|---|---|
旅行・日常スナップ | GF35-70mmF4.5-5.6 WR | 軽量・沈胴式キットレンズ |
風景・建築 | GF30mmF5.6 T/S | ティルト・シフト対応 |
ポートレート | GF110mmF2 R LM WR | 大きなボケと高精度AF |
オールラウンド | GF45-100mmF4 R LM OIS WR | 幅広い焦点域+手ブレ補正 |
大口径+美しいボケ | GF55mmF1.7 R WR | F1.7開放の標準単焦点 |
超広角撮影 | GF20-35mmF4 R WR | 広大な風景に対応 |
GFX50S IIは、高画質センサーの魅力を最大限引き出すためにレンズ選びが非常に重要な機種です。用途に合った最新のGFレンズを選ぶことで、より豊かな表現力と作品性を追求できます。
どのレンズを選ぶか迷った場合は、「携帯性」と「画角」を重視して、まず1本を選び、後から用途に応じて拡張していくと失敗が少なく済みます。
GFX50S II オールドレンズの魅力と写り
GFX50S IIは、マウントアダプターを使用することで、35mm判用のオールドレンズを装着できます。これは、現代レンズとは異なる独特の描写や質感を取り入れたいクリエイターにとって、大きな魅力です。
ここでは、GFX50S IIに装着できる実績があり、特に人気の高いオールドレンズを厳選して紹介します。
■ Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4 ZF(ニコンFマウント)
- 焦点距離:50mm(35mm判換算で中望遠相当)
- 開放F値:F1.4
- 特徴:開放時の独特な滲み、クラシックなボケ描写、金属製の重厚な鏡筒
このレンズは「プラナー」の名で知られる名玉。開放では柔らかく滲む描写が印象的で、ポートレートや雰囲気重視の作品撮りに最適です。絞ることでキレのある画に変化し、表現の幅が広がります。GFX50S IIの中判センサーと組み合わせると、中心部の描写は維持しつつ周辺に自然なビネット(光量落ち)が生まれ、レトロな雰囲気が強調されます。
■ Canon New FD 85mm F1.2L(FDマウント)
- 焦点距離:85mm(中判では中望遠よりやや短め)
- 開放F値:F1.2
- 特徴:極めて浅い被写界深度、非常に滑らかなボケ、クラシカルな色乗り
このオールドレンズは「夢レンズ」とも呼ばれる存在で、柔らかい光の滲みとふんわりしたボケが魅力。ポートレートで特に力を発揮し、GFX50S IIの高解像センサーと合わせることで、繊細で詩的な描写が得られます。開放F1.2というスペックからも、暗所や雰囲気重視の撮影にも適しています。
■ Super-Takumar 55mm F1.8(M42マウント)
- 焦点距離:55mm(35mm判換算で中標準)
- 開放F値:F1.8
- 特徴:自然なボケ、暖かみのある発色、小型軽量で扱いやすい
このタクマーシリーズは、オールドレンズの定番として今も人気が高い1本です。発色はやや黄味がかった温かみのあるトーンで、レトロな風合いを演出します。マニュアル操作の練習用としても最適で、初めてのオールドレンズ体験にもおすすめです。
■ Nikon NIKKOR 105mm F2.5 Ai(ニコンFマウント)
- 焦点距離:105mm(中判ではやや中望遠)
- 開放F値:F2.5
- 特徴:ポートレート専用設計とも言える美しいボケ、コントラスト控えめなトーン
ニコンの伝統的なポートレートレンズ。開放付近では優しいシャドウと柔らかい描写が得られ、絞ればしっかりとシャープになります。クラシックなルックと、中判との相性が良いため、作品撮りや情緒ある風景撮影にも向いています。
オールドレンズの良さと注意点
オールドレンズは、現代レンズのような均一で高解像の描写とは異なり、滲み・フレア・収差も含めて「味」として楽しめるのが最大の魅力です。現代の完璧すぎる画に違和感を感じる方には、あえての“クセ”が創作意欲を刺激してくれます。
ただし、以下の点には注意が必要です。
- AF非対応(すべてマニュアルフォーカス)
- 絞り・ピントは完全手動
- 一部レンズで周辺ケラれが発生することもある
- マウントアダプターの選定と装着精度が重要
GFX50S IIは、その柔軟なマウント互換性と高解像センサーによって、オールドレンズの味を最大限に活かせる中判カメラです。フィルム時代のレンズでしか出せない「空気感」や「質感」を求める方には、非常に価値のある選択肢と言えます。
1本1本が異なる表情を持つオールドレンズとの組み合わせで、GFX50S IIの表現力はさらに広がります。マニュアル撮影を楽しみながら、時代を超えた光の描写を味わってみてはいかがでしょうか。
GFXに他社のレンズは装着できますか?互換性検証
GFXシリーズは純正のGFレンズ以外にも、マウントアダプターを利用すれば他社製レンズを装着することが可能です。特にCanon EFマウントやNikon Fマウント、SIGMA Artシリーズなどの多くのレンズが実用されています。
ただし、注意点もあります。レンズによってはケラれ(画像の四隅が暗くなる現象)が起きることがあり、特に広角レンズでは顕著です。また、AFが使えないケースも多く、基本的にはマニュアルフォーカスでの運用となります。
そのため、互換性はあるものの、事前に使用実績や作例を確認した上で導入を検討するのが安心です。
GFX50S II 他社製品との比較ポイント
GFX50S IIは高画質を強みとする中判ミラーレス機ですが、他社のフルサイズカメラと比較すると、いくつかの違いが明確になります。
まず画質面では、大型センサーによる高い解像力や階調表現が特徴です。風景やスタジオ撮影において、豊かな情報量と立体感のある描写を実現できます。
一方、動体撮影や連写性能では、SONY αシリーズやCanon EOS Rシリーズの方が優れています。これらのモデルはAF性能や連写速度、動画機能も充実しており、汎用性ではGFX50S IIを上回ります。
加えて価格面でも、フルサイズ機の方が安価に導入できる傾向にあります。つまり、GFX50S IIは何でもこなす万能機というより、「画質特化型」のカメラという位置づけになります。
主要スペック比較表
項目 | GFX50S II | SONY α7R V | Canon EOS R5 |
---|---|---|---|
センサーサイズ | 中判(43.8×32.9mm) | フルサイズ(35.9×24.0mm) | フルサイズ(36×24mm) |
有効画素数 | 約5140万画素 | 約6100万画素 | 約4500万画素 |
AF方式 | コントラストAF | 位相差+AIリアルタイムAF | デュアルピクセルCMOS AF II |
連写速度 | 最大3コマ/秒 | 最大10コマ/秒(Hi+) | 最大20コマ/秒(電子シャッター) |
IBIS(ボディ内手ブレ補正) | 最大6.5段 | 最大8段 | 最大8段 |
動画性能 | フルHD(最大30p) | 8K/24p、4K/60p | 8K/30p、4K/120p |
ISO感度 | ISO100〜12800(拡張:ISO50〜102400) | ISO100〜32000(拡張:ISO50〜102400) | ISO100〜51200(拡張:ISO50〜102400) |
ファインダー解像度 | 約369万ドット | 約944万ドット | 約576万ドット |
質量(バッテリー含む) | 約900g | 約723g | 約738g |
価格帯(参考) | 約45万円 | 約55万円前後 | 約55万円前後 |
<比較ポイントの解説>
■ センサーと画質:GFX50S IIは中判センサーを搭載しており、フルサイズより約1.7倍の面積を持ちます。これにより階調の豊かさ、ボケの自然さ、立体感のある描写が優れているのが特徴です。一方で、SONY α7R Vのように画素数ではGFX50S IIを超えるモデルも存在しますが、センサーサイズによる余裕のある画作りはGFXならではです。
■ オートフォーカスと連写性能:AFと連写はフルサイズ勢が圧倒的に有利です。特にSONY α7R VやEOS R5は、動体認識やリアルタイムAF、動物・乗り物追尾に対応しており、動きのある被写体への対応力ではGFX50S IIよりも圧倒的に高いと言えます。
■ 動画機能:動画性能に関しても、GFX50S IIはフルHD止まりであり、4Kや8K動画に対応する他社機とは大きな差があります。映像制作まで一台で対応したい人には、SONYやCanonのフルサイズモデルの方が適しています。
■ 重量と機動性:GFX50S IIは中判ながらコンパクトに設計されていますが、それでもフルサイズ機よりは重いです。軽快に持ち出したい用途にはフルサイズの方が優れています。
■ 価格とのバランス:GFX50S IIは、中判としては異例の低価格であり、同クラスのフルサイズ機と同程度の価格帯で導入できます。高画質だけを追求するなら、非常にコストパフォーマンスが高いカメラです。
●用途による選び分けがカギ
- GFX50S IIは、ポートレート・風景・商品撮影など、静的で高画質が求められるシーンに最適。
- SONY α7R VやCanon EOS R5は、AFや動画、機動性が必要なオールラウンドな撮影に強みがあります。
静止画の「質」を突き詰めたいのか、それとも「スピードと汎用性」を重視するのかによって、選ぶべきモデルは大きく変わってきます。GFX50S IIは、万能ではないが、突出した画質の魅力を持つ「画作りのための道具」として、今も根強い人気があります。
このように、用途に応じて明確に選ぶ基準が分かれるモデルです。
GFX50S II フルサイズ 比較で見える優位性
GFX50S IIの最大の強みは、センサーサイズにあります。35mmフルサイズより約70%大きいセンサーが、より自然でなめらかな階調、豊かなボケ味をもたらします。
この違いは、プリントや拡大表示を行ったときに特に現れます。細部の情報量が多く、同じシーンを撮影しても、空気感や立体感において差が出るのです。
ただし、最新のフルサイズ機は、AF性能や高感度耐性において著しく進化しています。そのため、GFX50S IIの優位性はあくまで「静止画の画質に特化した場面」に限られます。
このように、GFX50S IIは「動きより質を重視したい」ユーザーにこそ適した一台と言えるでしょう。
GFX50S II レビュー評判 作例から見る実力
ユーザーのレビューでは、GFX50S IIは画質の良さで高い評価を受けています。
良い点
- 画質が非常に高く、PENTAX 645Zと同等レベルの安定した描写性能
- 軽量かつコンパクトで、中判機としては機動性が非常に優れている
- 強力な手ぶれ補正(IBIS)により、スローシャッターでも手持ち撮影が可能
- GFレンズとの組み合わせで幅広い撮影スタイルに対応できる
- 豊富なフィルムシミュレーションによる多彩な色表現が可能
- 金属ボディの質感が高く、所有欲を満たすデザインと仕上げ
- RAWでの編集耐性が高く、ダイナミックレンジも非常に優れている
- 35-70mmキットレンズが高画質かつ軽量で使い勝手が良い
- 中判としては価格も比較的手頃で、コストパフォーマンスが高い
- スタジオ・風景・ポートレート撮影に最適
- 防塵性能が高く、過酷な環境下でも問題なく撮影可能
悪い点
アマゾンレビューより
- ISO感度を上げた際にノイズがやや汚く出やすい傾向がある
- EVF(電子ビューファインダー)の表示品質が低く、見え方に不満の声あり
- オートフォーカスが遅く、特に動体や広角でピントを外すケースがある
- メニュー構成が煩雑で、直感的に操作しづらいと感じるユーザーもいる
- 高温環境(特に真夏の屋外)で内部温度が上がりすぎ、撮影不能になることがある
- EVFやライブビューの使用によって、バッテリー消費が早い
- ミラーレス機全般に言えるが、光学ファインダーに比べると覗き心地が劣る
- 連写性能や動体追従には向いておらず、スポーツ撮影などには不向き
(作例)


GFX50S II 動画性能はどう?静止画特化の真価
GFX50S IIは、動画性能よりもスチル撮影に特化した設計となっています。実際、4K動画には対応しておらず、動画重視のユーザーにとっては物足りなさを感じるかもしれません。
ただ、動画をあまり使わない人にとっては、それほど問題にならないケースもあります。むしろ動画機能を省いた分、価格を抑えつつも中判センサーによる高画質を楽しめるというメリットがあります。
このため、「動画はスマホや別機材で対応する」という方であれば、GFX50S IIの静止画専用機としての価値を十分に活用できるでしょう。
GFX50S II ポートレート撮影で見せる表現力
GFX50S IIは、ポートレート撮影において独自の美しさを引き出せるカメラです。中判センサーならではの大きなボケと階調の豊かさが、人物の肌や表情を立体的かつ柔らかく描写します。
実際の作例では、目の奥の質感や背景のなだらかなボケが際立っており、他のカメラでは得難い印象的な仕上がりが得られます。
ただし、AF速度が遅いため、自然な動きの中での撮影には不向きな面もあります。スタジオ撮影や被写体の動きが少ない場面での使用が適しています。
高精細な描写を求めるポートレート撮影において、GFX50S IIは非常に有力な選択肢です。
GFXとフルサイズの違いは何ですか?実写で解説
GFXシリーズとフルサイズカメラとの違いは、主にセンサーサイズの差からくる画質の傾向にあります。GFXのラージフォーマットセンサーは、フルサイズよりも広いダイナミックレンジと自然な階調表現を実現します。
実写で比較すると、ハイライトからシャドウにかけての滑らかさや、背景のボケ方に違いが明確に現れます。特にプリントや大型モニターで確認した場合に、その差は一層顕著になります。
一方で、フルサイズカメラはより高速なAFや高感度撮影に強く、機動性の高さでも優れています。
このように、作品性や質感重視ならGFX、スピードや汎用性重視ならフルサイズと、用途に応じて選ぶのが理想的です。
比較項目 | GFXシリーズ(中判) | フルサイズカメラ |
---|---|---|
センサーサイズ | 43.8×32.9mm (通称:ラージフォーマット) | 36×24mm (いわゆる「フルサイズ」) |
GFX50S II 後継機を待つ理由と今後の展望のまとめ
本記事のまとめを以下に列記します。
- GFX50S IIは中判でありながら軽量・コンパクトな設計で高画質を実現
- 約5140万画素のラージフォーマットセンサーにより豊かな階調と立体感を描写
- 手ぶれ補正(IBIS)を搭載し手持ち撮影にも対応した実用性の高さ
- 初心者から作品制作者まで広く支持された中判の入門機的位置づけ
- GFX100 IIやGFX100S IIは後継とは言い難く価格帯や機能が異なる
- GFX50S IIの生産終了により中価格帯中判モデルの選択肢が消失
- オートフォーカスや連写性能は現代のフルサイズ機に劣る
- 4K非対応で動画機能は限定的な静止画特化設計
- 純正GFレンズとの組み合わせで描写力を最大限に発揮
- オールドレンズや他社製レンズとの高い互換性があり創作性に優れる
- ファームウェア更新の頻度が少なく最新機能への対応力に課題あり
- デザイン性と所有感が高く、プロからも信頼される堅牢な造り
- 他社のフルサイズ機に比べてセンサー面積の余裕が画質に直結
- 作例やユーザーレビューで「画質専用機」としての満足度が高い
- 後継機の登場が期待される一方で、今後のGFX戦略に注目が集まる
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