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RF 45mm F1.2 STM レビュー 評価|他社比較でわかる圧倒的コスパと描写力

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キヤノンRFマウントに登場した RF 45mm F1.2 STM は、手の届きやすい価格でF1.2の大口径を体験できる注目の単焦点レンズです。発売以来、「実際の写りや使い勝手は?」と RF 45mm F1.2 STM レビュー 評価 を知りたい人が増えています。

このレンズは、キヤノン初の“非L” F1.2レンズとして登場し、価格・描写・軽さのバランスが秀逸。346gの軽量設計はEOS R8やRPとの相性も良く、旅行やスナップにも最適です。焦点距離45mmは50mmよりわずかに広く、人間の視野に近い自然な画角でポートレートにも対応。開放では柔らかいボケとわずかなフリンジ(色収差)が見られますが、補正ソフトで十分対応できます。

また、RF50mm F1.8 STMやRF50mm F1.2L USM、EF50mm F1.2L USMなどと比べると、価格は中間帯ながら描写力と軽さのバランスに優れ、コスパが非常に高い一本です。本記事では、その魅力や特性を実写評価や他社比較を交えて詳しく解説します。

記事のポイント

・RF45mm F1.2 STMの発売日や価格、基本情報がわかる
・描写性能やボケ、色収差など画質面の傾向が理解できる
・他の標準単焦点レンズとの違いや選び方のポイントが整理できる
・自分の撮影スタイルに合うか、どのボディと組み合わせるか判断できる

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  1. RF 45mm F1.2 STM レビュー 評価の全貌を徹底解説
    1. RF 45mm F1.2 STM とは 発売日と基本情報まとめ
    2. RF45mmの予約 価格から見えるコスパの高さ
      1. 他モデルとの比較で見える価格差
      2. 同等クラスの他社レンズと比較しても際立つ価格設定
    3. RF45mm F1.2 STMのスペック 特徴を徹底チェック
      1. コスト削減の合理性と防塵防滴仕様の非搭載
    4. レンズの選ぶべきポイントをまず解説しよう
    5. キヤノン初の“非L”F1.2レンズという衝撃とは
    6. 45mmという焦点距離の意味と狙いとRF 45mm F1.2 STMに合うおすすめのカメラ
      1. RF45mm F1.2 STMに合うおすすめカメラボディ
        1. ■ Canon EOS R8
        2. ■ Canon EOS RP
        3. ■ Canon EOS R6 Mark II
        4. ■ Canon EOS R7
  2. RF 45mm F1.2 STM レビュー 評価から見えた実力と魅力
    1. 絞り開放〜F8までの解像変化と中心から周辺までのシャープネス
      1. 絞りによる描写まとめ(参考表)
    2. 開放時のフリンジ(色収差)の傾向は?
    3. 重量346gの軽量設計がもたらすメリットとサイズ感・バランス(R8/RPとの組み合わせ)
    4. RF45mm F1.2 STMの他レンズとの比較と選び方のポイント
      1. キヤノン純正レンズとの数値比較
      2. 他社F1.2クラスとのスペック比較
      3. 数値から見る選び方のポイント
      4. 数値ベースで見た最終的な選び方の目安
    5. RF45mm F1.2 STMはどんな人におすすめ?購入前に確認したいポイント
    6. RF 45mm F1.2 STM レビュー 評価のまとめと総合評価

RF 45mm F1.2 STM レビュー 評価の全貌を徹底解説

このセクションで扱うトピック

  • RF 45mm F1.2 STM とは 発売日と基本情報まとめ
  • RF45mmの予約 価格から見えるコスパの高さ
  • RF45mm F1.2 STMのスペック 特徴を徹底チェック
  • レンズの選ぶべきポイントをまず解説しよう
  • キヤノン初の“非L”F1.2レンズという衝撃とは
  • 45mmという焦点距離の意味と狙いとRF 45mm F1.2 STMに合うおすすめのカメラ

RF 45mm F1.2 STM とは 発売日と基本情報まとめ

公式サイトより RF45mm F1.2 STM

RF45mm F1.2 STMは、フルサイズ対応のキヤノンEOS Rシステム用RFマウントに属する標準単焦点レンズです。フルサイズセンサーに対して45mmという自然な画角を持ちながら、開放F値1.2という非常に明るいレンズ設計を採用している点が大きな特徴です。明るさとコンパクトさ、そして手の届きやすい価格を同時に実現したことで、従来はハイエンドユーザー向けだったF1.2の世界を、より多くのユーザーが体験できるようになりました。

メーカーのニュースリリースでは、RF45mm F1.2 STMは大口径レンズならではの大きく美しいボケ味を気軽に楽しみたいユーザーをターゲットにした標準単焦点レンズとして紹介されています。背景を滑らかにぼかすことで被写体を立体的に浮かび上がらせる表現を重視した設計で、ポートレートやスナップ、日常の記録写真など、幅広いシーンで「雰囲気のある一枚」を狙いやすいレンズです。

発売日は2025年11月下旬予定と案内されており、日本国内ではキヤノンオンラインショップや主要カメラ専門店を中心に予約受付が開始されています。発売時期が明確になっているため、すでにEOS Rシリーズを利用しているユーザーは、今後のシステム拡張の候補としてスケジュールを立てやすい状況です。製品概要や仕様は、キヤノンの公式ニュースリリースでも詳しく公開されています(出典: キヤノン公式ニュースリリース「大口径標準単焦点レンズ“RF45mm F1.2 STM”を発売」)。

メーカー公表の主なポイントは次の通りです。
・EOS Rシステム用のフルサイズ対応RFマウント
・焦点距離45mm、開放F1.2の大口径標準単焦点
・質量約346g、最大径約78mm、全長約75mmのコンパクト設計

これらのスペックからわかるように、RF45mm F1.2 STMは「フルサイズ用のF1.2レンズ=重くて大型」という従来のイメージとは異なり、日常的に持ち歩くことを前提としたサイズ感を重視しています。最大径約78mm・全長約75mmというコンパクトな筐体は、小型ボディのEOS R8やEOS RPとの組み合わせでもアンバランスになりにくく、ストラップで首から下げた状態でも負担を抑えやすい寸法です。

また、焦点距離45mmという設定も、このレンズの性格をよく表しています。50mmよりわずかに広く、人間の視野により近い自然な画角とされるため、ポートレートはもちろん、テーブルフォトや街歩きのスナップ、風景の一部を切り取るような撮影まで、一本で幅広く対応しやすい焦点距離です。標準域の単焦点をまだ一本も持っていないユーザーにとっても、最初の「常用単焦点」として選びやすいポジションにあります。

いわゆる「ハイエンドLレンズ」ではなく、外装や防塵防滴性能などは必要十分なレベルに抑えつつ、その代わりに価格と軽量性を重視した設計になっている点も見逃せません。これにより、一般ユーザーでも手を伸ばしやすい立ち位置を実現しており、RFシステムにおける新しいスタンダード的な大口径レンズとして、大きな注目を集めています。

RF45mmの予約 価格から見えるコスパの高さ

RF45mm F1.2 STMが発表直後から注目を集めている理由の一つは、その価格設定の異例な安さにあります。
キヤノンオンラインショップでは税込約66,000円前後で案内されており、フルサイズ対応・開放F1.2というスペックの大口径単焦点としては極めて攻めた価格水準です。

通常、F1.2クラスのレンズは高価になりやすく、プロやハイアマチュア層が投資対象とする価格帯に属します。その中で、RF45mm F1.2 STMは一般ユーザーにも手が届く現実的な設定を実現しており、従来の常識を覆す存在といえます。

他モデルとの比較で見える価格差

同じRFマウントの大口径標準レンズとして代表的なRF50mm F1.2 L USMは、オンラインショップ価格で税込約321,750円前後(実勢)と、RF45mm F1.2 STMの約5倍の価格差があります。
この比較だけでも、RF45mm F1.2 STMがどれほどコストを抑えつつF1.2という明るさを実現しているかが分かります。
もちろん、Lレンズは防塵防滴構造・高級素材・最高水準の光学性能を備えたプロ仕様ですが、「F1.2の世界を体験する」という一点に限れば、RF45mm F1.2 STMは圧倒的に敷居を下げたレンズです。

一方で、RF50mm F1.8 STMは税込約31,680円前後と、いわゆる「撒き餌レンズ」に位置する入門用の単焦点です。
開放F1.8の明るさでも十分なボケは得られますが、F1.2とは被写界深度や立体感に明確な差があります。
価格的にはRF45mm F1.2 STMの約半額ですが、表現力という観点では大きくステップアップする余地があります。

さらに旧世代のEF50mm F1.2 L USMは、実売価格が20万円前後(一部中古市場では15〜18万円台)と報告されており、マウントアダプターを介して使用するケースが多いレンズです。

この比較をまとめると、次のようになります。

レンズ名開放F値国内価格目安(税込)主な特徴
RF45mm F1.2 STMF1.2約66,000円前後軽量・低価格・新世代F1.2。攻めた価格設定。
RF50mm F1.8 STMF1.8約31,680円入門用単焦点。軽量・高コスパ。
RF50mm F1.2 L USMF1.2約321,750円プロ向け高級Lレンズ。極めて高性能。
EF50mm F1.2 L USMF1.2約200,000円前後旧世代Lレンズ。柔らかい描写が人気。

同等クラスの他社レンズと比較しても際立つ価格設定

他メーカーのF1.2クラス標準単焦点と比較しても、RF45mm F1.2 STMのコストパフォーマンスは際立っています。

メーカーレンズ名開放F値国内価格目安(税込)備考
SonyFE 50mm F1.2 GMF1.2約305,000円前後最高級G Masterシリーズ
NikonNIKKOR Z 50mm F1.2 SF1.2約310,000円前後大口径Zマウント対応
Panasonic / LeicaLumix S PRO 50mm F1.4F1.4約270,000円前後Lマウント対応の高級モデル
Sigma50mm F1.2 DG DN ArtF1.2約180,000円前後高性能だがRF非対応(E・Lマウント向け)

この比較からも明らかなように、RF45mm F1.2 STMの66,000円という価格は他社F1.2レンズの約1/3〜1/5にあたります。
F1.2という明るさを体験できる最安クラスのレンズとして、他ブランドを含めても極めて異例の存在です。

コスパを支えるもう一つの要素:軽量346g設計

RF45mm F1.2 STMが「価格破壊」と評されるのは、安価なだけではありません。
開放F1.2ながら質量346gという軽さを実現しており、同クラスの他社レンズ(600〜800g前後)と比較すると約半分の重量です。
これにより、EOS R8やRPといった軽量ボディとの組み合わせでも前後バランスが良く、首掛け・街歩き撮影でも疲れにくいという実用的なメリットがあります。

従来のF1.2レンズは「大きくて重く、価格も高い」という“覚悟が必要な機材”でしたが、RF45mm F1.2 STMはそのイメージを完全に刷新しました。
まさに「いつでも持ち出せるF1.2」と言える存在です。

F1.2を“日常の選択肢”にした革新的レンズ

国内外のレビューやメディア評価(デジカメWatch、DPReviewなど)でも、以下のような評価が多く見られます。

  • この価格帯としては驚くほどシャープで階調豊かな描写
  • F1.2開放ではわずかに柔らかく、F1.8〜F2.8で高い実用解像度
  • 軽量で携帯性に優れるため、常用レンズとしても現実的
  • 「価格破壊」「新しいF1.2の基準」と評されるコスパ

高価なLレンズほどの完璧な補正性能や耐久構造はありませんが、価格と性能のバランスを総合的に見ると、現行F1.2レンズの中で最もハードルの低い選択肢といえます。

●誰におすすめか

  • F1.2のボケ表現を低予算で体験したいユーザー
  • EOS R8/RPなどの軽量ボディと組み合わせたい人
  • ポートレート・スナップで「雰囲気重視の描写」を求める人
  • 「Lレンズは高すぎる」と感じていたが、表現力には妥協したくない人

このようなユーザーにとって、RF45mm F1.2 STMは“手に届くF1.2として極めて魅力的です。
高級機材の世界でしか味わえなかった浅い被写界深度と柔らかいボケ表現を、わずか6万円台で手に入れられるという事実こそ、このレンズ最大の価値です。

RF45mm F1.2 STMのスペック 特徴を徹底チェック

RF45mm F1.2 STMのスペックを丁寧に整理すると、このレンズがどのような設計思想のもとで生まれたかがより明確になります。キヤノンのRFシステムの中では、ハイエンドのLレンズとは異なる方向性を持ちながらも、描写性能と軽量性を巧みに両立させたモデルとして位置づけられています。

主な仕様は以下の通りです(出典:キヤノン公式製品ページ)。

・焦点距離:45mm
・開放F値:F1.2
・最小絞り:F16
・レンズ構成:7群9枚(プラスチックモールド非球面レンズ1枚)
・絞り羽根枚数:9枚(円形絞り)
・最短撮影距離:0.45m
・最大撮影倍率:0.13倍
・フィルター径:67mm
・最大径×長さ:約78×75mm
・質量:約346g
・AF駆動:ギアタイプSTM
・手ブレ補正:レンズ内ISなし(ボディ側の協調ISに依存)

MTFデータ(公式サイトより)

コンパクト設計と軽量化の背景

特徴的なのは、レンズ構成を7群9枚に抑え、非球面レンズを1枚だけ採用している点です。プラスチックモールド非球面レンズは、金属ガラスモールドよりも軽く、量産時のコストを抑えつつ、収差補正を効果的に行えるというメリットがあります。その結果、開放F1.2という大口径でありながらも、わずか346gという軽量化を実現しました。これは従来のF1.2クラスのレンズの約半分の重量にあたり、EOS R8やRPのような軽量ボディとのバランスにも優れています。

ボケの質と絞り設計

9枚羽根の円形絞り構造により、開放からF2.8付近までのボケが非常に滑らかで、点光源を撮影した際にも自然な円形のボケを得られるよう設計されています。背景のハイライトが角張らず、柔らかく溶けるような描写は、ポートレートや物撮りで被写体を美しく際立たせます。また、F1.2という明るさにより、低照度環境でも高ISOに頼らず撮影できる点も強みです。

操作性と機構設計

AF駆動にはギアタイプのSTM(ステッピングモーター)が採用されています。USMに比べると駆動速度はやや控えめですが、静粛性に優れ、動画撮影時のフォーカスノイズを抑えられるため、映像制作にも適しています。
手ブレ補正はレンズ内非搭載ですが、EOS Rシリーズのボディ側手ブレ補正(協調IS)と組み合わせることで、シャッタースピードを数段分稼ぐことができます。

コスト削減の合理性と防塵防滴仕様の非搭載

本モデルは防塵防滴構造を採用しておらず、レンズフードも別売りとなっています。これはコストパフォーマンスを重視した設計思想の一環と考えられます。屋外での過酷な環境に特化したプロユースではなく、日常的な撮影や趣味用途を中心にターゲットを設定しているため、価格と品質のバランスを最適化するための割り切りです。

こうしたスペックの全体像を見れば、RF45mm F1.2 STMは「完璧な高級レンズ」ではなく、「軽さ・描写・価格のバランスを極めた実用的なF1.2」として設計されていることが明確です。これまでF1.2を躊躇していた層にも手の届く、大口径の新しい選択肢となっています。

レンズの選ぶべきポイントをまず解説しよう

標準単焦点レンズを選ぶ際に考慮すべきポイントを整理することは、自分に合うレンズを見極めるうえで非常に有効です。焦点距離や描写特性だけでなく、撮影スタイルや持ち運びのしやすさも選択基準に加えることで、長く満足できる一本を見つけやすくなります。

標準単焦点を選ぶ上で意識したい要素は次の通りです。

・焦点距離と画角:自分の撮影スタイルに合う距離感か
・開放F値とボケ量:どの程度のボケ表現が欲しいか
・描写のキャラクター:シャープさ重視か、柔らかさや味を重視するか
・サイズと重量:日常的に持ち出せるか
・価格帯:システム全体の予算とのバランス

RF45mm F1.2 STMが持つ選択価値

RF45mm F1.2 STMは、焦点距離45mm・開放F1.2という組み合わせにより、次のような強みを持ちます。
・人の視野に近い自然な画角で、被写体との距離感がつかみやすい
・F1.2の開放により、背景を大きくぼかした立体的な描写が可能
・346gという軽さで、長時間の撮影や旅行にも負担が少ない
・6万円台という価格で、手軽に大口径の表現力を体験できる

特に45mmという焦点距離は、50mmよりもわずかに広く、スナップやテーブルフォトにも使いやすい自然なパースを得られます。ポートレートでは背景との距離感を保ちながら、適度なボケ量で被写体を引き立てることができるため、汎用性の高い焦点距離です。

描写の傾向とユーザー層

RF45mm F1.2 STMは、開放ではやや柔らかく、絞ることでシャープさが増す性格を持っています。最新のLレンズのような「開放から高解像度で切れ味鋭いタイプ」とは異なり、クラシカルな味わいと現代的な描写のバランスが取れた設計です。デジタル補正を前提に、コンパクト化とコスト最適化を図った設計方針がうかがえます(出典:キヤノン公式開発インタビュー)。

したがって次のようなニーズを持つユーザーに適しています。
・極端な解像力よりも、雰囲気とボケ量を重視する撮影をしたい
・常用レンズとして気軽に持ち歩けるF1.2を探している
・プロレベルのレンズまでは必要ないが、被写体を美しく表現したい
・予算を抑えつつも、F1.2の明るさを活かした撮影を体験したい

要するに、RF45mm F1.2 STMは「高性能Lレンズのサブではなく、表現力重視のメインレンズ」として設計された一本です。機動性と描写のバランスを求めるフォトグラファーにとって、非常に魅力的な選択肢になるでしょう。

キヤノン初の“非L”F1.2レンズという衝撃とは

RF45mm F1.2 STMが発表された際、多くのカメラファンや業界関係者の間で大きな話題となりました。その理由は明快で、キヤノンとして初めて“非L”グレードながらF1.2という超大口径を実現したレンズだからです。これまでキヤノンにおいてF1.2というスペックは、EF50mm F1.2L USMやRF50mm F1.2L USMといったLレンズ専用の領域に限られていました。つまり「F1.2=プロ専用=高価格帯」という図式を覆したことが、このレンズ最大のインパクトです。

Lレンズはキヤノンの象徴的なプロフェッショナルラインであり、以下のような特徴を備えています。
・極めて高い光学性能と周辺解像の均一性
・防塵防滴を含む堅牢な構造と耐久性
・プレミアムな外装仕上げと高価格帯

このLラインの伝統を崩さずに、あえて“非L”のF1.2を投入した背景には、キヤノンが掲げる新たなコンセプトの変化があります。メーカーの公式発表によると、RF45mm F1.2 STMは「大口径レンズによる豊かなボケ表現を、より多くのユーザーに開放する」という思想のもとで開発されたとされています。

この方針により、従来のように「高価格で完璧な光学性能を追求する」だけでなく、「撮影体験の幅を広げるコスパ重視のF1.2」という新しい方向性が明確に打ち出されました。特にEF50mm F1.2L USMの描写を現代風にリファインし、やや柔らかく味のあるボケを残しながらも、AFの安定性や色収差の抑制を改善している点が特徴です。
また、プラスチックモールド非球面レンズの採用や軽量筐体設計など、Lレンズでは見られなかった“合理的な軽量志向”も見逃せません。これにより、F1.2という大口径ながらも346gという驚異的な軽さを実現し、ハイエンドユーザーだけでなく、日常的に持ち出して楽しみたい層にも訴求する一本となりました。

つまりRF45mm F1.2 STMは、
・完璧な描写よりも“撮る楽しさ”を優先したF1.2
・高級Lレンズでは手が届かなかった層への開放的アプローチ
・「非Lでも十分に満足できる」品質を示した新基準

という位置づけのレンズです。プロユースだけにとどまらず、アマチュアや動画クリエイターなど、多様な層に“F1.2の世界”を体験させる転換点として、RFシステムにおける歴史的な一歩を刻んだといえるでしょう。

45mmという焦点距離の意味と狙いとRF 45mm F1.2 STMに合うおすすめのカメラ

焦点距離45mmという設定は、一見「なぜ50mmではないのか?」と感じるかもしれません。しかしこのわずか5mmの差こそ、RF45mm F1.2 STMの設計思想を象徴しています。
一般的に50mmは「人間の視野に近い標準レンズ」とされますが、45mmはそれよりわずかに広く、自然な遠近感と奥行きを表現できる焦点距離です。撮影者が被写体に寄りつつ背景とのバランスを保てるため、スナップからポートレートまで幅広く対応できる万能な画角といえます。

45mmという焦点距離の技術的な意味

RF45mm F1.2 STMでは、焦点距離を45mmに設定することで光学設計を効率化し、コンパクト化を実現しています。特にF1.2クラスの大口径では焦点距離が長いほど前玉が大きくなり、重量とコストが増大しますが、本モデルではその課題を解消。

RF45mm F1.2 STMに合うおすすめカメラボディ

RF45mm F1.2 STMは、軽量で明るい設計のため、幅広いEOS Rシリーズにマッチします。特に以下のカメラとの組み合わせが高い評価を得ています。

■ Canon EOS R8
  • 有効画素数:24.2MP フルサイズ CMOSセンサー
  • ISO感度:100–102,400(拡張204,800)
  • AF方式:Dual Pixel CMOS AF II(1,053点)
  • 重量:約461g(バッテリー・カード含む)
  • 動画性能:4K60p(6Kオーバーサンプリング)

軽量フルサイズボディとして人気の高いR8は、RF45mm F1.2 STMとの組み合わせで約800gに収まり、旅行や街歩きにも最適。開放F1.2の明るさと24MPセンサーの階調表現により、立体感のあるスナップが手軽に楽しめます。

■ Canon EOS RP
  • 有効画素数:26.2MP フルサイズ CMOSセンサー
  • プロセッサー:DIGIC 8
  • 重量:約440g
  • 動画性能:4K撮影対応(クロップあり)

EOS RPは、フルサイズミラーレスのエントリーモデルとして定評があり、初めてF1.2レンズを使いたいユーザーに最適です。軽さ・価格ともにバランスが良く、RF45mm F1.2 STMの描写を日常的に楽しめる組み合わせです。

■ Canon EOS R6 Mark II
  • 有効画素数:24.2MP フルサイズ CMOSセンサー
  • ボディ内手ブレ補正(IBIS):最大8.0段分
  • 連写性能:電子シャッター最大40コマ/秒
  • 動画性能:4K60p 10bit記録対応

AF性能・手ブレ補正・耐久性に優れた中上位機種。RF45mm F1.2 STMの浅い被写界深度を最大限に活かし、ポートレートやウェディングなどのプロ用途にも耐える描写を実現します。

■ Canon EOS R7
  • センサー:APS-C(32.5MP)
  • ボディ内手ブレ補正:最大7段
  • 重量:約612g
  • 換算焦点距離:約72mm相当

APS-C機のR7と組み合わせると、RF45mm F1.2 STMは中望遠として機能し、背景を大きくぼかしたポートレート撮影に最適です。高精度AFと強力な手ブレ補正により、被写体をしっかり捉えられます。

軽量システムの魅力と運用性

特にEOS R8やRPと組み合わせた場合、ボディとレンズを合わせても約700〜800g前後に収まり、長時間の撮影でも疲れにくい点が大きな利点です。
一方で、AF速度や手ブレ補正を最大限活かしたい場合はR6 Mark IIやR7のような上位モデルが有利です。
用途に応じてボディを選べば、RF45mm F1.2 STMのポテンシャルを最大限に引き出すことができます。


45mmという焦点距離とF1.2という明るさの両立は、携帯性・表現力・コストバランスの三拍子を満たす設計思想の結晶です。
EOS Rシリーズのどのボディにも柔軟にマッチし、撮影スタイルに応じて軽快なスナップから本格的なポートレートまで対応できる、まさに「持ち歩ける大口径標準レンズ」と言えるでしょう。

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RF 45mm F1.2 STM レビュー 評価から見えた実力と魅力

このセクションで扱うトピック

  • 絞り開放〜F8までの解像変化と中心から周辺までのシャープネス
  • 開放時のフリンジ(色収差)の傾向は?描写のクセを分析
  • 重量346gの軽量設計がもたらすメリットとサイズ感・バランス(R8/RPとの組み合わせ)
  • RF45mm F1.2 STMの他レンズとの比較と選び方のポイント
  • RF45mm F1.2 STMはどんな人におすすめ?購入前に確認したいポイント
  • RF 45mm F1.2 STM レビュー 評価のまとめと総合評価

絞り開放〜F8までの解像変化と中心から周辺までのシャープネス

RF45mm F1.2 STMの描写特性は、絞り値の変化に応じて非常に明確な違いを見せます。これは大口径レンズ特有の光学的挙動によるもので、開放付近では柔らかく立体感のある表現、絞り込むにつれて精密で均一な解像描写へと変化していきます。キヤノンが公開しているMTF曲線や複数のレビューサイトの検証を参考にすると、以下のような描写傾向が明らかです。

公式サイトより

F1.2開放での描写傾向

開放F1.2では、画面中心部に十分なコントラストと解像力があり、被写体の立体感や空気感が際立ちます。一方で周辺部に向かうにつれてわずかにコントラストが低下し、柔らかく滲むような描写になります。このため、被写体を中央に配置して背景を大きくぼかしたポートレートや、逆光での印象的な光の描写に適しています。
この“中心シャープ+周辺ふんわり”という性格は、かつてのEF50mm F1.2L USMに通じる設計思想を持ち、開放であえて完璧を求めず「味」を活かす方向性が感じられます。

F1.8〜F2.8:解像力とボケの黄金バランス

F1.8〜F2.8に絞ると、中心部のシャープネスがさらに向上し、周辺部の解像も明らかに改善します。細部描写とボケ量の両立が最も良好なゾーンであり、ポートレート・物撮り・風景のいずれにも対応できる“万能域”です。MTF解析でも、この絞り域での曲線は中心から周辺まで安定しており、実用的かつ高品位な描写を得られます。

また、この絞り値ではボケの量も十分に残るため、背景を適度に整理しながらも立体感を維持した構図づくりが可能です。特に屋外での逆光ポートレートや、柔らかい自然光下のスナップでは、解像とボケの調和が際立つ領域です。

F4〜F5.6:均一性と実用性のピーク

F4以降では、画面全域のシャープネスがほぼ均一化します。中心・周辺ともにコントラストが高く、建築や風景などのディテール再現に適した描写になります。とはいえ、RF45mm F1.2 STMはもともと「硬すぎない自然な描写」を重視しているため、F5.6であっても過度にエッジが立たず、しっとりとした質感を保ったまま高解像を実現します。

風景撮影では、F5.6でピントを無限遠付近に合わせると、周辺の収差が最小化され、木々の枝や建物の細部もクリアに再現されます。この描写傾向は、後処理でのシャープネス強調に頼らずに自然な立体感を得たいユーザーに向いています。

F8:解像のピークと表現の変化

F8まで絞ると、光学的にはほぼピークの均一性を迎えます。ただし、F1.2レンズ本来の魅力である大きなボケは大幅に減少し、一般的な標準レンズ的な描写になります。被写界深度が深くなるため、前景から背景までしっかり描写する風景写真や商品撮影に適していますが、ポートレートでの使用では立体感が控えめになります。

絞りによる描写まとめ(参考表)

絞り値中心解像度周辺解像度コントラストボケ量用途の目安
F1.2中〜低柔らかい非常に大きいポートレート・逆光表現
F1.8非常に高やや高い大きいバランス重視のスナップ
F2.8非常に高中程度汎用撮影・街角スナップ
F4〜F5.6風景・建築・商品撮影
F8非常に高小さい最大解像を求める用途

中心から周辺までのシャープネスを重視するなら、F2.8〜F5.6が最もバランスの取れた設定といえます。一方で、RF45mm F1.2 STMならではの柔らかい空気感を表現したい場合は、あえてF1.2〜F1.8を活かす使い方が最も魅力を引き出す選択となります。

開放時のフリンジ(色収差)の傾向は?

大口径レンズにおいて、開放時の色収差(フリンジ)は避けられない課題です。RF45mm F1.2 STMも例外ではなく、特にF1.2〜F1.4の開放域では光の波長差による軸上色収差と、周辺での倍率色収差が現れやすい傾向があります。レビューや実写検証では、ハイライト周辺にパープルやグリーンのフリンジが確認されていますが、その程度は適切な処理で十分にコントロール可能な範囲です。

フリンジ発生の傾向と原因

・逆光シーンや白飛びしやすい被写体の輪郭でパープル・グリーンのフリンジが発生しやすい
・特にF1.2開放では軸上色収差が顕著で、ピント面前後のにじみが見られる
・F1.8〜F2.8に絞ると収差が大きく改善し、フリンジはほぼ目立たなくなる
・周辺の点光源では、コマ収差や非点収差によるわずかな光の流れが確認される

こうした現象は、光学設計上「非L」ラインであることによるコーティング仕様やレンズ群構成の簡略化に起因します。ただし、これはF1.2という極端な明るさを得るための合理的なトレードオフであり、一般的な使用条件では問題視されるレベルではありません。

実用上の影響と補正方法

最新のRAW現像ソフト(Adobe Lightroom、Canon Digital Photo Professionalなど)では、De-fringeや自動色収差補正を有効にすることで、これらのフリンジはほぼ完全に除去可能です。また、キヤノンボディ側でのデジタル補正も有効に働くため、JPEG撮影時でも気になるケースは少数です。
多くのレビューでは、「意識的に逆光を探せば見つかる程度」「実用上は十分許容範囲」と評価されています。

“味”としてのフリンジの捉え方

興味深いのは、開放でわずかににじむピント面やフリンジを“味”と捉えるユーザーも多い点です。わずかな収差が加わることで、光の輪郭に柔らかいグローが生まれ、ポートレートの肌や髪のハイライトを優しく包み込む効果があります。この傾向は、往年のEF50mm F1.2L USMにも見られ、クラシカルな雰囲気を好むユーザーにはむしろ魅力的に映ります。

開放時のフリンジ傾向は、「完璧な補正を求めるユーザー」には若干の妥協点になる一方で、「描写の柔らかさや立体感を表現の一部として活かしたいユーザー」にはプラスの要素として評価されています。
要するに、このわずかな“収差の残り香”こそが、RF45mm F1.2 STMが持つ現代的でありながら温かみのある描写の要因なのです。

参考
https://www.the-digital-picture.com/Reviews/Canon-RF-45mm-F1-2-STM-Lens.aspx
https://www.digitalcameraworld.com/cameras/lenses/canon-rf-45mm-f-1-2-stm-review

重量346gの軽量設計がもたらすメリットとサイズ感・バランス(R8/RPとの組み合わせ)

公式サイトより

RF45mm F1.2 STMの特徴のなかでも、撮影環境に直結するポイントが「約346g」という軽さです。キヤノンの発表によると、開放F値1.2を持つRF/EFレンズの中で最軽量とされており、いわゆる「F1.2=重い・大きい」という従来のイメージを大きく塗り替える存在になっています。

この軽量化は、単に持ち運びが楽になるというだけではなく、撮影体験そのものを変える要素です。従来のF1.2クラスのレンズは、長時間の撮影や旅行に持ち出す際、重量面での負担がネックになるケースが多く、結果として「ここぞという時だけ使うレンズ」になりがちでした。それに対してRF45mm F1.2 STMは、日常のスナップやちょっとした外出にも気軽に連れ出せるF1.2として設計されています。

F1.2クラスでありながら400gを切る重量は非常に珍しく、携帯性の面で大きなアドバンテージになっています。特にRF50mm F1.2L USMの約950g前後と比べると、600g以上の差があり、ボディと組み合わせた総重量にも大きく影響します。

R8やRPなどの小型・軽量ボディと組み合わせた場合、

・長時間の街歩きや旅行でも負担になりにくい
・首から下げっぱなしでも肩や首への負荷が少ない
・ボディ側が小型なため、見た目もコンパクトで取り回しやすい

といったメリットがあります。R8との組み合わせであれば、ボディ約460g前後+レンズ346gという構成になり、フルサイズ+F1.2としては非常に軽量なシステムに収まります。これにより、「今日は軽く撮り歩きたいからズーム1本だけ」というシーンでも、RF45mm F1.2 STMを候補に入れやすくなります。

一方で、R6 Mark IIなどやや大きめのボディと組み合わせた場合でも、レンズ側が軽いため前玉側が極端に重くならず、ホールド性とバランスを保ちやすい構成になります。縦位置グリップを使わないシンプルなボディでも、手首への負担が少なく、長時間のポートレート撮影などでも疲れにくいセットアップです。

総じて、

・「大口径=重い」というイメージを覆し、日常使いに持ち出せるF1.2
・スナップや旅行撮影用の常用レンズとしても現実的に運用できる重量とサイズ
・小型ボディから中級機まで、幅広いEOS Rシリーズとバランス良く組み合わせられる汎用性

といった点が、このレンズの大きな魅力となっています。F1.2の描写力を日常レベルまで引き下ろしたという意味で、サイズ・重量面はRF45mm F1.2 STMの重要な評価軸と言えます。

RF45mm F1.2 STMの他レンズとの比較と選び方のポイント

RF45mm F1.2 STMの立ち位置をより明確にするには、まず同じキヤノンRF/EFの標準単焦点レンズと数値で比較し、そのうえでソニー・ニコン・シグマなど他社のF1.2クラスと見比べるのが有効です。ここでは「焦点距離・F値・重量・価格」を中心に、客観的なスペックから選び方の指針を整理します。

キヤノン純正レンズとの数値比較

まずは、RF45mm F1.2 STMと、ユーザーが候補に挙げやすい3本を並べてみます。

  • RF45mm F1.2 STM
  • RF50mm F1.8 STM
  • RF50mm F1.2L USM
  • EF50mm F1.2L USM(マウントアダプター経由で使用)

キヤノン公式サイトや主要量販店の仕様・価格をもとに整理すると、次のようになります。

レンズ名マウント焦点距離開放F値重量全長(約)フィルター径最短撮影距離最大撮影倍率参考価格の目安(税込)
RF45mm F1.2 STMRF45mmF1.2約346g75mm67mm0.45m0.13倍約66,000円前後
RF50mm F1.8 STMRF50mmF1.8約160g40.5mm43mm0.30m0.25倍約28,000〜30,000円前後
RF50mm F1.2L USMRF50mmF1.2約950g108mm77mm0.40m0.18〜0.19倍キヤノン公式357,500円、実売約30万前後
EF50mm F1.2L USMEF50mmF1.2約590g65.5mm72mm0.45m0.15倍実売約19万〜20万円クラス

※価格は2025年時点の国内量販店・メーカーオンラインショップのおおよその水準です。

この表から見えるポイントを整理すると、次のようになります。

  1. 明るさ(F値)だけを見ると、RF45mm F1.2 STMはRF50mm F1.2L USMやEF50mm F1.2L USMと同じ「F1.2クラス」に属します。
  2. 重量はF1.2レンズとして突出して軽く、RF50mm F1.2L USMの約950gに対して約346gと、3分の1強というレベルです。
  3. 価格は約66,000円前後で、RF50mm F1.2L USM(公式357,500円)と比較すると約1/5〜1/6のコストでF1.2を体験できます。
  4. 一方で、RF50mm F1.8 STMと比べると価格は約2倍ですが、F値は約1段分明るくなり、被写界深度とボケ量の面で明確な差が出るクラスになります。

同じキヤノンの中だけで見ても、「RF45mm F1.2 STM=F1.2クラス最軽量・圧倒的に安い・防塵防滴などは割り切った、表現力と価格の間を取ったポジション」という性格が数値からはっきり読み取れます。

他社F1.2クラスとのスペック比較

次に、ソニー・ニコン・シグマといった他社のフルサイズ用F1.2標準単焦点レンズと比較してみます。ここでは代表的な4本をピックアップします。

  • Sony FE 50mm F1.2 GM(SEL50F12GM)
  • NIKKOR Z 50mm f/1.2 S
  • SIGMA 50mm F1.2 DG DN Art
  • SIGMA 50mm F1.4 DG DN Art(F1.4クラスの比較用)
レンズ名マウント焦点距離開放F値重量全長(約)フィルター径最短撮影距離最大撮影倍率実勢価格の目安(税込)
Canon RF45mm F1.2 STMRF45mmF1.2約346g75mm67mm0.45m0.13倍約66,000円前後
Sony FE 50mm F1.2 GME50mmF1.2約778g108mm72mm0.40m0.17倍約31万〜32万円前後
NIKKOR Z 50mm f/1.2 SZ50mmF1.2約1,090g150mm82mm0.45m0.15倍ニコン直販308,000円(税込)
SIGMA 50mm F1.2 DG DN ArtE/L50mmF1.2公称約745g前後(※)約110mm前後72mm0.40m前後0.16倍前後約21万〜22万円前後
SIGMA 50mm F1.4 DG DN ArtE/L50mmF1.4約660g111.5mm前後72mm0.45m0.14倍前後約12万〜13万円前後

(※シグマ50mm F1.2 DG DN Artの重量・寸法はメーカー公表値と主要販売店の仕様をもとにしています)

スペックを並べると、RF45mm F1.2 STMの特異なポジションがさらに際立ちます。

  • 重量:他社F1.2クラスはおおむね700〜1,100gのレンジに対し、RF45mmは346gと半分以下。
  • 全長:RF45は75mmなのに対し、他社F1.2は概ね110〜150mmクラス。
  • 価格:ソニー・ニコン・シグマのF1.2は約20万〜30万円クラスに集中しているのに対し、RF45は約66,000円と1/3〜1/4以下。

同じ「F1.2大口径標準単焦点」という枠で見ても、RF45mm F1.2 STMは「圧倒的にコンパクトで安価なF1.2」という、かなり独自の設計思想を持ったレンズだと分かります。

数値から見る選び方のポイント

ここまでの比較結果を踏まえて、「どのレンズがどんなユーザーに向くか」を、できるだけ数値ベースで整理します。

  1. 予算と投資レベル
    • おおよその価格帯で区切ると
      • 〜3万円:RF50mm F1.8 STM(F1.8クラス・重量160g)
      • 6〜7万円台:RF45mm F1.2 STM(F1.2クラス最安・重量346g)
      • 12〜13万円台:SIGMA 50mm F1.4 DG DN Art(F1.4クラス高性能・約660g)
      • 20〜22万円台:SIGMA 50mm F1.2 DG DN Art(F1.2・約745g)
      • 30万円前後〜:Sony FE 50mm F1.2 GM、NIKKOR Z 50mm f/1.2 S、RF50mm F1.2L USM
    • 「F1.2をできるだけ低コストで取り入れたい」という視点に絞ると、約66,000円のRF45mm F1.2 STMが突出したポジションにあると言えます。
  2. 重量・携帯性
    • 300g台:RF45mm F1.2 STM(346g)
    • 500〜700g台:SIGMA 50mm F1.4 DG DN Art(約660g)、SIGMA 50mm F1.2 DG DN Art(約745g)
    • 700〜1,100g台:Sony FE 50mm F1.2 GM(約778g)、NIKKOR Z 50mm f/1.2 S(約1,090g)、RF50mm F1.2L USM(950g)
    • EOS R8やRPなど500g未満のボディと組み合わせる場合、レンズ重量346gのRF45mmは「ボディより軽いF1.2」という珍しいバランスを実現します。一方で、1kg級レンズはフルサイズボディと組み合わせると総重量が1.5kgを超えやすく、日常スナップよりも「本気撮影」の比重が高いユーザー向けになります。
  3. 明るさ(F値)とボケ量
    • F1.2とF1.8の差は約1.3段分あり、被写界深度で見ると背景の溶け方にかなり大きな違いが出ます。
    • 具体的には、同じ距離・同じ構図で撮影した場合、F1.2の方が背景は大きくぼけ、被写界深度は目視でもわかるほど浅くなります。
    • 「背景をしっかり溶かしたポートレートや、夜景スナップの雰囲気重視」を狙うならF1.2クラスが有利で、ここでもRF45mmは「F1.2の絵作りを6万円台で導入できる」という点が大きな魅力になります。
  4. システム全体のバランス
    • RFユーザーが「ボディ+レンズの合計価格」を抑えたい場合
      • EOS R8(ボディ約20万円前後)+RF45mm F1.2 STM(約6万6,000円)
        → 合計25〜27万円前後で「フルサイズ+F1.2のシステム」を構築可能。
    • 他社で同等クラスを構成すると
      • ソニー:α7 IVクラス(ボディ約25万円前後)+FE 50mm F1.2 GM(約31万円)=合計50万円超
      • ニコン:Z6IIIクラス+NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sもほぼ同等の価格帯
    • 同じ「フルサイズ+F1.2」というコンセプトでも、システム全体の初期投資額は倍近く変わるケースもあり、RF45mm F1.2 STMを選ぶ最大の理由のひとつは、まさにこのトータルコストの低さにあります。
  5. 画質・描写方向性
    • RF50mm F1.2L USMやSony FE 50mm F1.2 GM、NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sは、開放から「隅々まで高解像・高コントラスト」を狙った設計で、価格もその方向性に見合ったクラスに設定されています。
    • RF45mm F1.2 STMは、開放ではやや柔らかさやフリンジを残しつつ、F1.8〜F2.8でぐっと解像が高まるタイプで、いわゆる「完璧さ」よりも「雰囲気とボケ、そして価格」のバランスを重視した設計です。
    • SIGMA 50mm F1.2/F1.4 DG DN Artは、コストを抑えつつも高解像寄りの現代的描写を指向しており、「純正フラッグシップより少し軽く・少し安い高性能」という立ち位置になります。

数値ベースで見た最終的な選び方の目安

他社レンズまで含めてスペックを冷静に眺めると、次のような分け方が現実的です。

  • とにかく低予算で標準単焦点を導入したい
    → RF50mm F1.8 STM(約3万円・160g・F1.8)
  • 最高クラスの解像力・防塵防滴・プロユース志向で選びたい
    → RF50mm F1.2L USM、Sony FE 50mm F1.2 GM、NIKKOR Z 50mm f/1.2 S(30万円クラス・700〜1,100g)
  • 高性能だがF1.4で妥協してもよい、という前提で他社も選択肢に入れる
    → SIGMA 50mm F1.4 DG DN Art(12〜13万円・約660g)
  • F1.2のボケと雰囲気を重視しつつ、機材の軽さとコストも重視したい
    → RF45mm F1.2 STM(約66,000円・346g・F1.2)

特に、「F1.2の世界を本格的に試してみたいが、機材に30万円以上を投じるのは難しい」「重すぎるレンズは持ち出す頻度が下がってしまうのが不安」と感じているユーザーにとって、RF45mm F1.2 STMは数値の上でも非常にバランスの取れた選択肢になります。

RF45mm F1.2 STMはどんな人におすすめ?購入前に確認したいポイント

RF45mm F1.2 STMは、すべてのユーザーにとって万能な一本というより、「条件がハマった人にとって非常に魅力が高いレンズ」という性格を持っています。どのようなユーザーに向いているのか、購入前に整理しておきたいポイントを詳しく見ていきます。

おすすめしやすいのは、次のようなユーザー像です。

・F1.2のボケ表現を、できるだけ低予算で体験したい
・ポートレートや日常スナップで、雰囲気を重視した写真を撮りたい
・EF50mm F1.2L USMのような“味のある描写”が好みだが、軽さと価格も重視したい
・EOS R8やRPなど軽量ボディと組み合わせて、常用の大口径標準にしたい

このレンズは、開放ではやや柔らかく、絞るとシャープになる性格を持っています。そのため、「どの絞りでもとにかく線の細い超高解像な描写が欲しい」というニーズよりも、「シーンに応じてふんわりとした描写とキリっとした描写を使い分けたい」というニーズに向いています。ポートレートで人物を柔らかく写したい場合はF1.2〜F2、街のディテールをしっかり捉えたい場合はF4〜F5.6というように、絞り操作で表現を切り替えられるのが魅力です。

一方で、慎重に検討したいポイントは次の通りです。

・開放での色収差や周辺描写の「完全な補正」を求めるかどうか
・防塵防滴構造が必要かどうか(過酷な環境での使用が多いか)
・レンズ内手ブレ補正がないことをどの程度重視するか

RF45mm F1.2 STMは、防塵防滴構造やレンズ内手ブレ補正を備えたプロユース向けモデルではありません。ボディ内手ブレ補正を搭載したR6シリーズなどと組み合わせれば、ある程度の手ブレ耐性は確保できますが、動画撮影やスローシャッターを多用するユーザーは、運用面での工夫や三脚・ジンバルの併用が前提になる場合があります。

一方で、ポートレートやスナップ中心の使い方であれば、開放でのわずかな滲みやフリンジを含めて「味」として楽しめる場面が多く、必ずしもマイナス要素にはなりません。むしろ、デジタル的な“カリカリ感”が強すぎる描写が苦手なユーザーにとっては、RF45mm F1.2 STMの柔らかさは魅力的な個性となり得ます。

以上を踏まえると、RF45mm F1.2 STMは、

・完璧な解像力と収差補正を備えたレンズを探している人

というよりも、

・写真の空気感や立体感、ボケの量を重視しつつ、軽さと価格も大切にしたい人

に特にフィットするレンズだと考えられます。
「プロ用のLレンズまでは必要ないが、表現力には妥協したくない」というユーザーにとって、RF45mm F1.2 STMは非常にバランスの良い大口径標準レンズと言えるでしょう。

RF 45mm F1.2 STM レビュー 評価のまとめと総合評価

本記事のまとめを以下に列記します。

  • ・RF45mm F1.2 STMはキヤノン初の非LシリーズF1.2大口径として登場した
  • ・発売日は2025年11月下旬予定で全国の主要販売店で予約が開始されている
  • ・価格は税込約6万6000円でF1.2レンズとして破格の手頃さを実現している
  • ・プラモールド非球面レンズ採用で軽量化とコスト効率の両立を実現している
  • ・焦点距離45mmは人の視野に近く自然で扱いやすい画角を持つ設計となっている
  • ・質量約346gとF1.2クラスでは最軽量級の高い携帯性を誇っている
  • ・絞り開放では柔らかく立体感ある描写で美しい大きなボケが得られる
  • ・F2.8以降に絞ると中心から周辺まで解像が均一で高い汎用性を示す
  • ・開放時は軽い色収差が見られるが補正と絞りで十分実用範囲に収まる
  • ・RF50mm F1.8より上質でRF50mm F1.2Lより安く圧倒的コスパを実現する
  • ・EF50mm F1.2L USMに近い味の描写をより軽量コンパクトに楽しめる
  • ・EOS R8やRPと組み合わせると小型軽量で日常スナップに理想的な構成になる
  • ・R6シリーズでは高精度AFとボディ内手ブレ補正を活かした撮影が可能になる
  • ・完璧な解像よりも写真の空気感やボケ表現を重視する人に最適なレンズである
  • ・総合するとRF 45mm F1.2 STM レビュー 評価はコスパと描写の個性が高く支持される

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