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SAMYANG AF 24-60mm F2.8 FE比較レビュー|ソニー純正やタムロンとの違いを解説

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ズーム全域で開放F2.8を維持しながら、わずか494gという軽さを実現した標準ズームレンズ、SAMYANG AF 24-60mm F2.8 FEが登場します。軽量で明るいズームを求めるユーザーにとって、その描写力や操作性がどのようなものか気になるところでしょう。

このレンズは、ドイツの光学メーカー・シュナイダークロイツナッハの描写思想と、SAMYANGの設計技術を融合させたモデルです。光学性能とボケ味、携帯性や操作性のバランスを高い次元で実現し、日常から旅行、動画撮影まで幅広く対応できる一本に仕上がっています。

ズーム全域F2.8の明るさによる暗所での撮影性能、美しいボケを生む9枚羽根の円形絞り、静かで精密なリニアSTMのAFなど、画質と機能の両立が図られています。さらに、防塵・撥水性能を備えたハイドロシールドコーティングや、高強度A60アルミ合金フレームによる耐久性など、屋外での信頼性にも配慮されています。

本記事では、SAMYANG AF 24-60mm F2.8 FEの特徴やスペックを整理し、同クラスのレンズとの比較、旅行・Vlogでの実用性、そしてどんなユーザーに向いているかを詳しく解説します。購入前に失敗や後悔を避けたい方にとって、有益な判断材料となる内容です。

記事のポイント
  • SAMYANG AF 24-60mm F2.8 FEの基本スペックと特徴
  • 描写力やボケ、AF性能など画質面の傾向
  • 同クラスの標準ズームとの軽さと価格の違い
  • どんなユーザーに向き、どんな人には合いにくいか
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SAMYANG AF 24-60mm F2.8 FEの概要

このセクションで扱うトピック

  • SAMYANG AF 24-60mm F2.8 FEの特徴とスペック
  • シュナイダークロイツナッハの描写力
  • 494gの軽さとサイズ感をチェック
  • ズーム全域F2.8の暗所・夜景性能
  • 美しいボケと9枚羽根の表現力
  • 静かで速いAFとリニアSTMの精度

SAMYANG AF 24-60mm F2.8 FEの特徴とスペック

メーカ公式より

標準ズームを選ぶとき、多くのユーザーが重視するのが「画角の使いやすさ」「明るさ」「サイズ・重量」のバランスです。SAMYANG AF 24-60mm F2.8 FEは、フルサイズのソニーEマウントに対応した標準ズームレンズで、この三つの要素をコンパクトなボディにまとめ上げたモデルとして位置づけられます。焦点距離は24〜60mm、ズーム全域で開放F2.8を維持する大口径設計で、風景からポートレート、スナップ、簡易マクロ的な撮影まで幅広くカバーします。

24mm側では風景・建築・室内撮影など「広く写したい」シーンに対応し、標準〜中望遠寄りの60mm側ではポートレートや被写体を切り取るスナップに適しています。一本で日常のほとんどのシーンをこなしたいフルサイズユーザーにとって、扱いやすい焦点域といえます。

レンズ構成は11群14枚で、非球面レンズ(ASP)、高屈折レンズ(HR)、特殊低分散レンズ(ED)を複数枚組み合わせることで、倍率色収差や歪曲収差、像面湾曲の低減を図っています。非球面レンズは周辺解像の向上やコマ収差の抑制、高屈折レンズはレンズ全長の短縮と周辺までのコントラスト確保、EDレンズは色にじみの抑制に貢献し、開放から高解像を目指した設計で、近年の高画素フルサイズボディにも対応しやすい構成です。

主なスペックを整理すると、次のようになります。

●焦点距離:24〜60mm
24mmの広角から60mmの中望遠までをカバーし、風景・スナップ・ポートレート・物撮りといった標準ズームの守備範囲を過不足なく押さえています。

●開放絞り:F2.8(最小F22)
ズーム全域でF2.8を維持することで、暗所撮影や背景ボケを活かした表現に強く、絞り込めばF22まで対応できるため、パンフォーカスの風景やスローシャッター表現にも対応しやすい仕様です。

●絞り羽根:9枚(円形絞り)
9枚羽根の円形絞りにより、開放付近では玉ボケがなるべく円形を保ち、ポートレートやイルミネーション撮影などで自然で柔らかいボケ表現を得やすくなっています。

●最短撮影距離:0.18m(広角側)、0.32m(望遠側)
広角側0.18mという短い最短撮影距離により、被写体へぐっと寄った撮影が可能です。テーブルフォトや小物撮影、料理撮影など、標準ズームでありながら簡易マクロ的な使い方も視野に入ります。

●最大撮影倍率:0.27倍(広角側)、0.25倍(望遠側)
0.27倍という倍率は、普段使いの標準ズームとしては高めの部類で、日常の被写体を大きく写し取りたいシーンでも柔軟に対応できます。

●フィルター径:72mm
フィルター径は72mmと、F2.8標準ズームとしては比較的コンパクトです。82mmフィルターを必要とする大口径ズームに比べてフィルター類のコストを抑えやすく、C-PLやNDフィルターを複数所有しているユーザーにとっても運用しやすいサイズ感です。

●最大径×長さ:約78×102mm(ワイド端)
鏡筒径78mm、全長約102mmは、F2.8通しの標準ズームとしてかなり抑えられたサイズで、フルサイズボディと組み合わせても取り回しの良いバランスを実現しやすくなっています。

●重量:約494g(フード・キャップ除く)
500gを切る重量は、ソニーEマウント用F2.8標準ズームの中でも軽量クラスに入り、長時間の撮影や旅行撮影、ジンバル撮影など軽さが効いてくるシーンでメリットとなります。

加えて、リニアSTMによるAF駆動、AF/MFスイッチ、カスタムボタン、USB-Cポート経由のファームウェアアップデート、ハイドロシールドコーティングとIP5相当の防塵設計など、現代的な標準ズームに求められる機能も一通り備えています。
リニアSTMは静粛性と応答性に優れ、動画撮影やVlogなどマイクがレンズに近いシーンでもAF駆動音が収録されにくい特性があります。AF/MFスイッチやカスタムボタンは、ボディ側の設定と組み合わせることで、フォーカスホールドや別機能の割り当てなど、撮影スタイルに合わせた操作系の最適化を行いやすい要素です。

USB-Cポートを用いるファームウェアアップデートは、専用ドック不要でPCと直接接続できる点が利便性を高めており、今後のAFアルゴリズムの最適化や対応ボディの拡大など、継続的なアップデートによる改善も期待できます。防塵・撥水コーティングを含むハウジング設計は、屋外撮影や旅先での使用を意識したもので、多少の雨や埃がある環境でも慎重に扱いながら運用しやすい仕様といえます。

より詳細な数値や光学構成図、MTFチャートなどは、LK SAMYANG公式サイトで公開されており、より技術的な情報を確認したい場合は直接参照すると把握しやすくなります(出典:LK SAMYANG公式 AF 24-60mm F2.8 FE 製品ページ )。

これらを総合すると、本レンズは画質と機動性、拡張性のバランスを重視した「使い回しの良いF2.8標準ズーム」というポジションにあると考えられます。大きく重い高級標準ズームまでは求めないが、描写と機能性には十分こだわりたいユーザーにフィットしやすいスペックです。

シュナイダークロイツナッハの描写力

SAMYANG AF 24-60mm F2.8 FEの特徴を語るうえで外せないのが、シュナイダークロイツナッハとの共同開発モデルである点です。シュナイダーは映画用レンズや産業用光学系、フィルターなどで知られ、厳格な品質基準とコーティング技術で評価されてきたブランドです。

シュナイダークロイツナッハは1913年創業と歴史が長く、シネレンズや大判カメラ用レンズ、拡大鏡などプロフェッショナル向けの光学製品を展開してきました。B+Wブランドのフィルターでも知られ、光学的な精度や耐久性、コーティング技術への評価が高いメーカーです。こうした背景をもつブランドとLK SAMYANGが組むことで、単に「明るくて軽い」だけではない、描写バランスに配慮した標準ズームを目指していると考えられます。

SAMYANG AF 24-60mm F2.8 FEでは、シュナイダーの光学設計コンセプトとSAMYANG側の製造技術を組み合わせることで、ズーム全域で解像力と色再現を安定させることを狙っています。11群14枚構成の中に非球面レンズ、高屈折レンズ、超低分散レンズをバランス良く配置し、画面周辺におけるコントラスト低下や色にじみを抑える設計思想がうかがえます。

広角側では周辺までシャープさを維持しつつ、建築や風景撮影で気になる樽型・糸巻き型の歪曲を抑える方向性があり、特に直線の多い建築物やインテリアを撮影する場面で恩恵を受けやすい設計です。標準〜中望遠寄りでは、被写体の立体感と背景ボケとのバランスを重視した描写が期待でき、ポートレートや日常スナップで「見た目にも自然で扱いやすいトーン」を目指したキャラクターといえます。

また、近年のソニーαシリーズのような高画素ボディとの組み合わせでは、レンズ側の解像性能が不足すると周辺部の甘さや色収差が目立ちやすくなりますが、本レンズのように高画素対応を意識した光学構成は、画面全体の解像とコントラストを安定させるうえで重要なポイントになります。開放F2.8から実用的な解像を確保しつつ、1〜2段絞ることでより高い線の細さとコントラストを得られるような設計思想が感じられます。

シュナイダーとのコラボレーションは、広角ズームAF 14-24mm F2.8 FEに続く第2弾という位置づけで、両レンズを組み合わせることで14〜60mmをカバーする「二本立てのシステムレンズ」としての使い方も想定されています。
超広角域をAF 14-24mm F2.8 FE、標準域をAF 24-60mm F2.8 FEが担当する構成は、14mm〜60mmをF2.8通しで繋ぐ実用的なズームシステムとなり、風景・建築・星景・ポートレートなど、多くのジャンルをカバーできます。焦点域を二本に分けつつ、どちらもコンパクトにまとめることで、システム全体の重量を抑えながら撮影の幅を広げる狙いが見てとれます。

シュナイダーコラボのレンズは、単なるスペック上の明るさだけでなく、「シャープさ」「コントラスト」「色乗り」「ボケの素直さ」といった要素のバランスを重視するユーザーにとって魅力的な選択肢になりやすい傾向があります。SAMYANG AF 24-60mm F2.8 FEも同様に、極端な味付けよりも「自然でオーソドックスな描写」を指向した標準ズームとして位置づけられており、日常的な撮影で違和感なく使える描写が期待できます。

以上から、このレンズは単なるサードパーティ製という位置づけにとどまらず、シュナイダークロイツナッハの描写力を手頃な価格帯で体験したいユーザーにとって、興味深い選択肢になり得ます。純正レンズ一辺倒ではないレンズ選びを考えている人にとって、「ドイツ光学ブランドと韓国メーカーの協業による標準ズーム」という性格づけ自体が、システム構成の中でひとつの価値となるはずです。

494gの軽さとサイズ感をチェック

大口径標準ズームレンズの中で、494gという重量は非常に軽量な部類に入ります。多くのF2.8通し標準ズームが600〜800g台に達する中で、500gを切る軽さは明確なアドバンテージです。全長約102mmというコンパクトな筐体も相まって、フルサイズボディとの組み合わせでも前玉側が極端に重くなりにくく、バランスの良い取り回しを実現しています。この軽さは、特に長時間の撮影や街歩きスナップ、イベント撮影など、機動性を求めるシーンで負担を軽減します。(LK SAMYANG)

持ち歩きやすさの観点から見ても、このレンズは優れています。撮影バッグに常時入れてもスペースを圧迫しにくく、レンズ交換の機会が多いロケ撮影や旅先でも、荷物全体の総重量を抑えやすい構成です。ジンバルやスタビライザーに搭載する際も、重量バランスが取りやすく、モーターへの負担を軽減できる点が動画制作者からも評価されています。

比較対象として、他の主要メーカーの24-70mm F2.8クラスと重量を比較すると、次のようになります。

レンズ名重量備考
Sony FE 24-70mm F2.8 GM II約695g高性能ながら軽量設計
Sigma 24-70mm F2.8 DG DN II Art約735g高画質重視モデル
Tamron 28-75mm F2.8 Di III VXD G2約540g軽量ズームとして人気
SAMYANG AF 24-60mm F2.8 FE約494gクラス最軽量クラス

この比較からも明らかなように、SAMYANG AF 24-60mm F2.8 FEは、タムロンのG2よりもさらに軽量であり、ソニーやシグマの24-70mmクラスと比べると200g前後の差があります。この200gという差は、カメラシステム全体の重量として見ると小さく思えるかもしれませんが、長時間の手持ち撮影やVlogのような撮影スタイルでは疲労感に直結するため、決して無視できない要素です。

また、フィルター径が72mmに抑えられている点も実用的です。82mmフィルターを採用する大型ズームレンズに比べ、フィルター価格を抑えつつ、持ち運び時の省スペース化にもつながります。C-PLフィルターやNDフィルターを常備する動画制作者や風景写真家にとって、フィルターの互換性やコスト面のメリットは見逃せません。

さらに、レンズ外装には高強度アルミニウム合金を採用しており、軽量ながら剛性を確保しています。長年の使用でも鏡筒のたわみやズーム操作のガタつきが起こりにくく、持ち歩きやすさと耐久性の両立を図った設計です。

このように、494gという軽さは単なる数字ではなく、「持ち出しやすいF2.8標準ズーム」というSAMYANGの設計思想そのものを体現しているといえます。軽快なシステムを求める写真・動画クリエイターにとって、機動力と描写力を両立した理想的な選択肢となるでしょう。

ズーム全域F2.8の暗所・夜景性能

SAMYANG AF 24-60mm F2.8 FEは、ズーム全域で開放F2.8を維持する設計により、暗所や夜景、室内撮影など光量が限られる環境でも安定した撮影を可能にします。F2.8という明るさは、シャッタースピードを速めて手ブレを防ぎながら、ISO感度の上昇を抑えてノイズを軽減するうえで重要な要素です。これにより、夜間の街撮りやイルミネーション、ライブイベントなどでも、クリアで階調豊かな描写を得やすくなります。

フルサイズ機との組み合わせでは、24mm F2.8での手持ちスナップや、60mm F2.8でのポートレート撮影など、被写界深度を活かした立体感のある表現が可能です。暗所での撮影時にもAFの食いつきが良く、リニアSTMによる静音かつ高精度なピント合わせが、動画撮影にも適しています。特にソニーαシリーズのボディ内手ブレ補正と組み合わせることで、低照度環境下でも1/10秒前後のスローシャッター撮影を実現しやすくなります。

暗所性能を支える設計要素

  1. 非球面レンズの配置
     収差補正に優れた非球面レンズを効果的に配置することで、開放時のコントラスト低下を抑制し、夜景の点光源描写を自然に保ちます。
  2. コーティング技術
     ナノコーティングを採用し、強い街灯やイルミネーションなどの逆光シーンでもゴースト・フレアの発生を抑え、クリアなコントラストを維持します。
  3. 最短撮影距離の短さ
     広角側で0.18m、望遠側で0.32mと短い最短撮影距離を実現しており、暗所でも被写体に寄って背景を大きくぼかした印象的な写真を撮影できます。

実際の使用シーンにおけるメリット

夜景撮影では、F2.8の明るさにより、同条件でF4レンズに比べてシャッタースピードを約1段、F5.6レンズに比べて約2段速く設定できます。これにより、ISO感度を上げずに手持ち撮影が可能になり、ノイズを抑えた鮮明な画像を得やすくなります。動画撮影でも、低照度下でのノイズ発生を抑え、滑らかな階調表現を維持できます。

特に、都市の夜景やライブ会場、カフェなどの室内シーンでは、光の雰囲気を活かしたナチュラルな露出コントロールが可能で、ストロボを使わずに被写体を美しく写し出せます。加えて、ボディの高感度性能と併用すれば、三脚を使用せずに高品質な夜景撮影を楽しめる点も魅力です。

このように、SAMYANG AF 24-60mm F2.8 FEは、携帯性と明るさを両立させた設計により、「暗所にも強く、日常から夜景まで1本でこなしたい」というユーザーのニーズに応えるレンズです。屋内撮影や夜のストリートフォトを快適に楽しみたいユーザーにとって、信頼できる選択肢といえるでしょう。

美しいボケと9枚羽根の表現力

メーカ公式より

SAMYANG AF 24-60mm F2.8 FEは、9枚羽根の円形絞りを採用しており、開放付近では滑らかで柔らかなボケを得やすい設計です。絞り羽根の数が多く、かつその形状が円形に近いことで、点光源を背景にしたシーンでもボケが角張りにくく、自然な階調のグラデーションを表現できます。(LK SAMYANG)

被写界深度が浅くなるF2.8という明るさと9枚羽根の組み合わせは、被写体を立体的に際立たせながら、背景を穏やかに溶かす「立体感のある描写」を実現します。特に夜景ポートレートやイルミネーション撮影のような点光源の多い環境では、円形の玉ボケが美しく描かれ、人工的な二線ボケが発生しにくい傾向があります。

焦点域の24〜60mmという構成も、ボケ表現の幅を広げる要素です。24mm側では環境を活かしたスナップ撮影がしやすく、被写体と背景の距離を取りつつ立体的な空気感を描くことができます。一方で60mm側では、背景をしっかりとぼかして被写体を浮かび上がらせるようなポートレート表現に向いており、自然な奥行き感を演出できます。

さらに、近接撮影時の最大撮影倍率が広角側で0.27倍と高めであることも特徴です。一般的な標準ズームよりも寄れる設計のため、被写体を大きく写し出しながら背景を自然にぼかすことが可能です。料理や小物、花などの被写体を撮る際には、柔らかく背景が溶けるような印象的な写真を得やすいでしょう。(LK SAMYANG)

SAMYANGはこのレンズで「解像力とボケ味の両立」を目指しており、単にボケが大きいだけでなく、エッジの滲みや色づきが抑えられた、品位ある描写が期待できます。背景のディテールが滑らかに消えていく自然なボケ味は、被写体をより印象的に引き立てます。

このような描写性能を支える要素として、SAMYANG独自のUltra Multi Coating(UMC)による反射防止技術も挙げられます。光の乱反射を抑制し、ボケ部分に発生しやすい色にじみを抑えることで、よりクリアで立体的な表現が可能になります。

このバランスの取れた光学設計により、SAMYANG AF 24-60mm F2.8 FEはポートレートから日常スナップ、商品撮影に至るまで幅広く対応し、解像とボケの調和を求めるフォトグラファーにとって、信頼できる一本となるでしょう。

静かで速いAFとリニアSTMの精度

SAMYANG AF 24-60mm F2.8 FEのオートフォーカスシステムには、リニアSTM(Linear Stepping Motor)が採用されています。リニアSTMは磁場を利用してレンズ群を直線的に駆動させる仕組みで、ギア駆動式のモーターに比べて静音性と応答性に優れています。特に、モーター音がほとんど発生しないため、動画撮影やインタビュー、Vlogのような音声収録を伴う撮影に適しています。(LK SAMYANG)

このリニアSTMは、フォーカス精度の高さにも定評があります。静止画撮影では被写体への合焦速度が速く、動体追従性能も高いため、ポートレートやスナップ、子どもの動きなどにも柔軟に対応可能です。動画撮影時には、AFの移動速度が滑らかで、フォーカスの「抜け」や「ハンチング」が発生しにくい特性を持ちます。これはプロフェッショナル映像制作においても重要な要素であり、自然なピント移動を求めるシネマティック撮影にも対応できる設計です。

操作性を支えるデザイン

SAMYANG AF 24-60mm F2.8 FEの操作系は、実用性を重視して設計されています。フォーカスリングとズームリングは、適度なトルク感を持つ滑らかな操作フィールで、撮影時の微妙なピント調整をしやすくしています。ズーム全域で鏡筒の伸びが最小限に抑えられており、バランスを崩しにくい点も特徴です。

側面にはAF/MF切り替えスイッチとカスタムボタンを搭載。AF/MFスイッチは、即座にマニュアルフォーカスに切り替えたい場面に役立ち、カスタムボタンにはフォーカスホールド機能や他のカメラ設定を割り当てることができます。これにより、ユーザーが自分の撮影スタイルに合わせて操作性を最適化できる設計になっています。(LK SAMYANG)

継続的なアップデートと信頼性

本レンズにはUSB Type-Cポートが搭載されており、ファームウェアアップデートに対応しています。これにより、専用ドックを必要とせずにPCと直接接続し、新しいボディへの最適化やAFアルゴリズムの改善を簡単に行うことができます。これらのアップデートは長期的にレンズ性能を維持するために欠かせない要素であり、ユーザーが安心して使い続けられる仕組みを提供しています。

SAMYANGは公式サイトで各レンズのファームウェア配信情報を随時更新しており、対応ボディの追加やAFの最適化が順次行われています。こうしたサポート体制は、第三者メーカーとしての信頼性を高めている要因のひとつです。

総合的に見ると、SAMYANG AF 24-60mm F2.8 FEのAFシステムは、静粛性・スピード・精度の三拍子がそろったバランス設計です。特に動画撮影とスチル撮影を両立したいユーザーにとって、このリニアSTM駆動のスムーズな動作は、撮影効率と作品クオリティを高める強力なアドバンテージとなるでしょう。

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SAMYANG AF 24-60mm F2.8 FEの使い勝手

このセクションで扱うトピック

  • ハイドロシールドコーティングの防塵防滴
  • 高強度A60アルミ合金フレームの耐久性
  • 軽さと価格で見る同クラス比較
  • 旅行やVlogで活躍する万能ズーム
  • SAMYANG AF 24-60mm F2.8 FEのおすすめ層と向かない人

ハイドロシールドコーティングの防塵防滴

SAMYANG AF 24-60mm F2.8 FEには、同社が新たに採用している**ハイドロシールドコーティング(Hydro-Shield Coating)**が施されています。これは、レンズ前面の光学面に撥水・撥油性を付与する特殊なナノコーティングで、水滴や油分、指紋などの汚れが付着しにくく、付着した場合でも容易に拭き取れる特性を持っています。(LK SAMYANG)

このコーティング技術により、雨天や水辺での撮影、アウトドアでの風景撮影など、汚れや水分が避けられない環境下でも安心して運用することができます。特に、フィルターを装着せずに前玉を露出して使用する場面では、コーティングの効果を強く実感できるでしょう。たとえば、小雨の中でのスナップや滝の飛沫がかかるような状況でも、水滴が玉状に弾かれて流れ落ちるため、撮影を中断せずに作業を続けられます。

また、このレンズはIP5相当の防塵性能を確保しており、鏡筒内部に複数のシーリング(防塵シール)が施されています。これにより、砂塵や微細な塵の侵入を抑制し、鏡筒のズーム操作によって発生する内部の空気の流れによる汚染を軽減する構造になっています。これは、標準ズームとしては十分に実用的なレベルであり、日常的な屋外撮影や軽度のアウトドア環境にも適応できる仕様です。

ただし、IP5等級は防塵性能の目安であり、防水性能を保証するものではありません。したがって、豪雨や水没などの環境下では完全防水のカメラハウジングのような耐性は期待できません。強い雨や湿度の高い環境では、レインカバーやタオルの併用、使用後の乾燥・清掃など、一般的な機材保護の基本を守ることが重要です。

SAMYANGが採用するこのハイドロシールドコーティングは、単に耐候性を高めるためだけでなく、レンズメンテナンスの効率化という点でも価値があります。撮影後のクリーニング時間を短縮できるため、プロフェッショナルの現場や旅行中の撮影など、「レンズを常に清潔に保ちたい」ユーザーにとって大きなメリットです。

このように、ハイドロシールドコーティングと防塵シーリングの組み合わせは、SAMYANG AF 24-60mm F2.8 FEを単なる“軽量レンズ”ではなく、“屋外で信頼して使える実用的なズーム”へと押し上げています。
(出典:国際電気標準会議(IEC)によるIPコード規格説明

高強度A60アルミ合金フレームの耐久性

SAMYANG AF 24-60mm F2.8 FEの鏡筒には、高強度A60シリーズアルミニウム合金が採用されています。このA60系アルミは、航空機部品などにも用いられる軽量かつ高剛性な金属素材で、耐衝撃性・耐食性・寸法安定性に優れる点が特徴です。SAMYANGはこの素材を選定することで、レンズ全体の剛性を確保しながらも、重量をわずか494gに抑えることに成功しています。(LK SAMYANG)

この構造設計により、日常的な使用や持ち運び、ズーム操作などで生じる微細な歪みや摩耗を最小限に抑え、長期間安定した精度で使用できる耐久性を実現しています。鏡筒を握った際の「金属ならではの冷たさと質感」も、SAMYANGが意識的に追求している要素であり、プラスチック素材では得られない信頼感と高級感を演出します。

外装デザインも機能性と美観を両立するように設計されており、表面にはマット仕上げのアルマイト処理が施されています。これにより、キズや指紋が目立ちにくく、使用を重ねても質感が劣化しにくい構造になっています。ボディとの一体感も高く、ソニーEマウント機との装着バランスが良好で、見た目にも統一感のある印象を与えます。

さらに注目すべきは、ズーム操作時の繰り出し制御です。多くのズームレンズは、自重によってレンズが伸びてしまう「ズームクリープ」が発生する場合がありますが、SAMYANG AF 24-60mm F2.8 FEでは、精密な内部ギア構造と適度なトルク設定によってこの現象を抑えています。これにより、カメラを下向きや上向きに構えた際でも安定した構図を維持でき、移動中の撮影やスナップ用途での信頼性が向上しています。

また、A60アルミ合金の採用は、軽量化だけでなく熱膨張の抑制という点でも有効です。金属素材の中でもA60系は温度変化に対する寸法変化が小さく、屋外撮影時の温度差によるフォーカスずれや鏡筒の伸縮を抑制します。これは、真夏や冬季など極端な環境でも安定した描写を維持するために重要な要素です。

SAMYANGが掲げる「耐久性と携帯性の両立」というテーマは、このA60アルミ合金の採用に象徴されており、標準ズームとして日常的に装着し続けるユーザーにとっての安心感を生み出しています。過酷な現場に持ち出しても信頼できる構造品質は、プロフェッショナルからアマチュアまで幅広い層に支持される理由のひとつです。

A60アルミ合金フレームは、単なる素材選択ではなく、SAMYANGの光学設計哲学の延長にある「使い続けるための設計思想」の象徴といえるでしょう。

軽さと価格で見る同クラス比較

標準ズームレンズを選ぶ際、多くのユーザーが最も重視するのは「描写力・重量・価格」のバランスです。ここでは、ソニーEマウント向けの代表的なF2.8通し標準ズームと比較しながら、SAMYANG AF 24-60mm F2.8 FEの立ち位置を整理します。

主な競合レンズとの比較

比較対象として、現行の主要選択肢である以下の3本を取り上げます。いずれも24〜70mmまたは近似焦点域をカバーし、F2.8通しの明るさを備えたモデルです。
(DPReview、メーカー公式仕様参照)

主要F2.8標準ズームレンズの比較表

メーカーレンズ名焦点距離重量全長フィルター径参考価格帯(日本)特徴
SAMYANGAF 24-60mm F2.8 FE24-60mm約494g約102mm72mm約13万円前後クラス最軽量、携帯性重視
SonyFE 24-70mm F2.8 GM II24-70mm約695g約120mm82mm約25〜31万円高画質・高速AF・G Master
Sigma24-70mm F2.8 DG DN II Art24-70mm約735g約122mm82mm約17〜20万円高解像度・堅牢構造
Tamron28-75mm F2.8 Di III VXD G228-75mm約540g約118mm67mm約9〜12万円軽量・高コスパモデル

※価格帯は2025年11月時点の国内主要通販・量販店の平均実売価格を基にした目安です。販売店や時期によって変動する場合があります。

この表を見ても分かるように、SAMYANG AF 24-60mm F2.8 FEは以下のような特徴的なポジションに位置しています。

  • 重量面:494gと、今回比較した4本の中で最軽量。
  • 価格面:約13万円前後で、Tamronに次ぐコストパフォーマンス。
  • 焦点距離:24〜60mmとやや短めながらも、機動力を優先した構成。

焦点域10mm分を短縮する代わりに軽量化と携帯性を実現しており、街歩きやVlog用途では取り回しのしやすさが際立ちます。特に、ジンバル運用や旅撮影などで「少しでも軽くしたい」というユーザーには大きな魅力となるでしょう。

一方、純正G MasterシリーズのSony FE 24-70mm F2.8 GM IIは、画質・AF速度・操作性のすべてでトップクラスの性能を持ち、プロフェッショナルな用途に最適です。高価ではありますが、ボケの美しさ・逆光耐性・AF追従性能といった要素を最優先するユーザーにとっては妥協のない選択肢です。

Tamron 28-75mm G2は軽さと価格を両立したモデルであり、SAMYANGと近い立ち位置にあります。焦点域は広い一方で広角端が28mmから始まるため、風景撮影やVlogなど「広さ」を求めるユーザーにとってはSAMYANGの24mmスタートが有利です。

Sigma 24-70mm DG DN II Artは、金属鏡筒と光学性能の高さで定評がありますが、重量は735gと最も重い部類です。描写重視の静物撮影・商業撮影に向いた性格といえるでしょう。

SAMYANG AF 24-60mm F2.8 FEは、「24mmスタート」「500gを切る軽さ」「13万円前後の価格」という三拍子を揃え、高画質と携帯性のバランスを求めるユーザー層に最適な選択肢として位置付けられます。

軽さを重視しつつも、描写性能に妥協したくない――そんなユーザーにとって、本レンズは“ちょうどいい性能と価格の接点”と言えるでしょう。

旅行やVlogで活躍する万能ズーム

SAMYANG AF 24-60mm F2.8 FEは、旅行・Vlog・日常スナップなど「持ち出してこそ価値を発揮する」タイプの標準ズームレンズです。重さ約494g・全長約102mmというコンパクト設計は、フルサイズボディに装着してもフロントヘビーになりにくく、長時間の撮影でも疲労を感じにくいバランスになっています。(LK SAMYANG)

旅行撮影での実用性

24mm側では風景・建築物・屋内撮影などに適しており、広い視野でその場の空気感を捉えることができます。観光地の広場やカフェの内観などでも、撮影距離を取れない場面で柔軟に対応できるのが強みです。
60mm側では、人物のポートレートや食事・小物などの被写体を背景から自然に分離させ、印象的な写真に仕上げることができます。

また、最短撮影距離が広角側で0.18m、望遠側で0.32mという点も見逃せません。旅先のカフェでのテーブルフォトや、旅の途中で見つけた小さな植物、雑貨などを印象的に切り取る「寄りの撮影」にも適しています。

Vlog・動画撮影における強み

リニアSTM(Linear Stepping Motor)によるAF駆動は静音性と精度に優れ、音声収録を伴うVlogやインタビューでもフォーカス音が気になりません。さらに、F2.8の明るさにより背景を適度にぼかした“シネマライク”な映像を得やすく、トーク中心の動画から街ブラVlogまで柔軟に対応します。

ボディ側の手ブレ補正を併用すれば、低照度環境でも滑らかな映像を得やすく、夜間の移動シーンや屋内での撮影にも強みを発揮します。加えて、72mm径という扱いやすいフィルターサイズは、可変NDフィルターを使用する際にも経済的で携行性に優れています。

システムとしての拡張性

SAMYANGのラインナップには、AF 14-24mm F2.8 FEといった超広角ズームも存在します。この2本を組み合わせることで、14〜60mmという広大な焦点域をカバーでき、風景・星景・スナップ・ポートレートまで幅広い撮影ジャンルに対応できます。旅行時に持ち出すレンズを2本に絞りたいユーザーにとって、非常に効率的なシステム構築が可能です。(LK SAMYANG)

SAMYANG AF 24-60mm F2.8 FEは、「軽さ」「画質」「機動力」を高い次元で両立した新世代の標準ズームといえます。旅行やVlogのように撮影機会が多く、レンズを常に携帯したいユーザーにとって、まさにいつでも持ち出せる常用レンズとして強く推奨できる一本です。

SAMYANG AF 24-60mm F2.8 FEのおすすめ層と向かない人

本記事のまとめを以下に列記します。

  • SAMYANG AF 24-60mm F2.8 FEは494gの軽量設計で長時間の撮影でも快適に扱える
  • フルサイズでズーム全域F2.8の明るさを手頃な価格で導入したい人に最適な一本
  • シュナイダークロイツナッハとの協業描写を体験したい写真愛好家に向くレンズ
  • 旅行やVlogなど持ち歩きを前提とした軽快な撮影スタイルにぴったりの設計
  • 24mmから60mmまでの日常シーンを一本で撮り切りたいユーザーに適した構成
  • 小物撮影やテーブルフォトで近接性能を活かしたいカメラユーザーに最適な仕様
  • 高い解像力と柔らかいボケ味の両立を求める標準ズーム派に向くバランス型
  • 軽さと価格のバランスを重視し機能性を妥協したくないユーザーに向く選択肢
  • 純正24-70mm F2.8より軽く描写も犠牲にしたくないフォト派に適した一本
  • 動画撮影で静音かつ滑らかなAFを求める映像クリエイターに向いた性能
  • USB-C更新対応で将来の拡張性も重視する長期使用ユーザーに適した構造
  • 60mm以上の望遠域を重視するユーザーにはやや物足りなさを感じる場合がある
  • 防塵防滴性能に完全防水を求めるような極地撮影中心の用途には不向きな仕様
  • 純正システム統一やプロサポート重視の撮影環境では純正モデルが有力候補
  • 最高速AFや強力な手ブレ補正を優先する場合は他社モデルとの比較が必要

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