撮り鉄におすすめのカメラを探していると、ミラーレスか一眼レフか、コンデジでも撮れるのか、さらにはスマホカメラでどこまで鉄道写真が撮れるのか…迷うポイントが一気に出てきますよね。撮り鉄向けカメラの選び方や初心者に優しいおすすめカメラ、中上級者向けの本格カメラ、安いカメラや中古カメラの選択肢まで、情報がバラバラで分かりづらいかなと思います。
実際に撮り鉄用カメラを選ぶときは、値段だけでなく、連写性能やオートフォーカス、鉄道写真に向いたレンズの焦点距離、夜間や悪天候での撮影性能なども大事です。また、鉄道撮影におすすめのミラーレス一眼カメラ、一眼レフカメラ、コンパクトデジタルカメラ、そして撮り鉄向けスマホ撮影のコツまで押さえておくと、失敗がぐっと減ります。
さらに、カメラ本体だけでなく、SDカードの書き込み速度や予備バッテリーの数、カメラバッグの選び方など、撮影環境を支える周辺機材も意外と仕上がりに影響してきます。こういった細かい部分まで考え始めると、「何から決めればいいの?」と手が止まってしまいやすいところかなと思います。
この記事では、撮り鉄向けのおすすめカメラを初心者・中級者・ハイアマ向けに整理しつつ、鉄道撮影に強いミラーレスや一眼レフ、コスパの良い安いカメラや中古カメラの考え方、さらにはスマホカメラを活かしたライトな撮り鉄スタイルまで、私の実体験も交えながら分かりやすくまとめていきます。最後まで読んでもらえれば、あなたにとっての「これだ」という一台や組み合わせが、かなり絞り込みやすくなるはずです。
- 撮り鉄に必要なカメラ性能と選び方の全体像
- 初心者から中級者までのおすすめカメラとレンズ構成
- スマホや中古・安いカメラを活かしたコスパ重視の撮り方
- メーカー別の特徴と、後悔しないカメラの選び方のコツ
撮り鉄におすすめのカメラ基礎
まずは、撮り鉄におすすめのカメラを選ぶうえで外せない「基礎の考え方」から整理していきます。初心者がつまずきやすいポイントや、ミラーレスと一眼レフの違い、設定やレンズ選びの考え方をここで押さえておくと、その後のカメラ比較がぐっとラクになりますよ。ここを飛ばしてしまうと、スペック表だけを見て決めてしまって、「買ってから気づいた使いづらさ」で後悔しやすいので、サクッとでも目を通してもらえると安心です。
撮り鉄カメラ初心者向け入門

撮り鉄をこれから始める初心者にとって、一番の悩みは「どのカメラから入るか」だと思います。最初からプロ用フルサイズに行くべきなのか、エントリー機で十分なのか、判断が難しいですよね。私はよく、最初の一台はミラーレスかレンズ一体型のコンデジをおすすめしています。理由はシンプルで、軽くて扱いやすく、オートモードでも失敗が少ないからです。
撮り鉄を始めたての頃は、構図や立ち位置、撮影場所まで気を配ることが多くて、カメラの設定にまで頭が回らないことも多いです。そんなときに、重くて操作が複雑なカメラだと、撮影以前に持ち出すのが億劫になってしまうんですよね。なので、まずは「軽くて持ち出しやすい・オートでもよく写る」という2つを満たしたカメラを選ぶのが、挫折しない近道かなと思います。
最近の鉄道写真向けミラーレス一眼は、被写体検出AFがとても賢くなっていて、列車の形や前面を認識して追いかけてくれます。シャッターチャンスに強いので、初心者でも「ピンボケ量産」で心が折れにくいのがメリットですね。特に、画面の端の方を走る列車でもきちんと追いかけてくれるので、「中央に列車を置かないとピンボケする」という昔の常識からかなり自由になりました。
初心者が気にしておきたいポイント
とはいえ、カタログを見ても「どこを見ればいいのか分からない」という声もよく聞きます。そこで、初めての撮り鉄カメラ選びでチェックしてほしいポイントを整理してみます。
初心者にとって現実的なスタートライン
- ボディは軽くてグリップしやすいもの(長時間構えていても手が疲れにくい)
- キットレンズで望遠側が200mm前後あると沿線撮影も楽しめる(APS-Cなら換算300mm前後)
- 被写体追従AF(乗り物認識など)があると歩留まりが大きく向上
- 予算はボディ+レンズでおおよそ10〜15万円前後を目安に検討
- モードダイヤルに「シーンモード」や「スポーツ」があれば、最初はそこから始めてもOK
もちろん、これらの金額や数値はあくまで一般的な目安です。実売価格やキャンペーンで変動するので、正確な情報は公式サイトをご確認ください。また、資金計画や無理のない支払い方法について不安がある場合は、最終的な判断は専門家にご相談ください。
最初のうちは、「失敗を減らす」ことが一番のモチベーション維持につながります。なので、多少スペックが高すぎるくらいでも、オートフォーカスが賢くて連写がしっかり切れるモデルを選んでおくと、結果的に長く楽しめることが多いですよ。
「そもそも撮り鉄ってどこがおもしろいの?」というところから整理したい場合は、撮影そのものの魅力やマナーを深掘りした撮り鉄が何を楽しんでいるのかを解説した記事もあわせて読んでみると、カメラ選びのモチベーションがぐっと上がるはずです。楽しみ方がイメージできると、「このレンズが必要だな」「この焦点距離が欲しいな」といった具体的なイメージも湧きやすくなります。
撮り鉄向けミラーレスカメラ選び

今から撮り鉄用カメラを買うなら、基本的にはミラーレス一択で考えて大丈夫です。AFが画面の端まで効くこと、ブラックアウトが少ないこと、そしてEVFで露出やホワイトバランスをリアルタイム確認できることが、鉄道写真と相性抜群なんですよね。実際、業界全体としても、レンズ交換式カメラの生産・出荷はミラーレスが中心になってきていて、一眼レフは新製品がぐっと少なくなっています(出典:一般社団法人カメラ映像機器工業会「デジタルカメラ生産出荷実績表」)。
ミラーレスの強みは、「撮ってみないと分からない」という要素を減らしてくれるところです。EVFを覗いた時点で、明るさや色味、背景のボケ具合までほぼ完成形に近いイメージが見えるので、露出に不安がある初心者でも、「これならOK」という状態を確認してからシャッターを切れます。トンネルの出入り口や逆光のホームなど、露出がシビアな場面では、これがかなり心強いですよ。
ミラーレスでチェックしたいポイント
とはいえ、「ミラーレスならどれでもOK」というわけではありません。撮り鉄目線で、最低限チェックしてほしいポイントを挙げておきます。
- 被写体認識AF:乗り物や列車を認識するモードがあるか(車・バイク用でも鉄道に効くことが多い)
- 連写性能:メカシャッターで毎秒10コマ前後出せると安心、電子シャッターのコマ速もチェック
- バッファ容量:連写してもすぐ書き込み待ちにならないか、RAW連写枚数の目安
- EVFの見え方:表示遅延やチラつきが気にならないか、視野率やファインダー倍率も確認
- バッテリーの持ち:CIPA基準撮影枚数はあくまで目安ですが、目安値が低すぎると長時間撮影で不安
メーカーによって名称やメニュー構成は違いますが、CanonのEOS Rシリーズなら「乗り物優先AF」、NikonのZシリーズなら「被写体検出(乗り物)」、Sonyなら「リアルタイムトラッキング+認識AF」といった具合に、列車を含む乗り物を追いかけやすいモードが用意されています。ここをうまく使えるかどうかで、歩留まりがかなり変わります。
撮り鉄向けミラーレスのざっくりイメージ
| タイプ | メリット | こんな人におすすめ |
|---|---|---|
| APS-C機 | 望遠に強く、価格と重量のバランスが良い | 沿線撮影メインでコスパ重視の人 |
| フルサイズ機 | 高感度に強く、画質と余裕が大きい | 夜間や悪天候でも撮りたい人 |
| マイクロフォーサーズ | システム全体がとても軽く、手ブレ補正も強力 | 徒歩や自転車での撮影が多く、軽快さを最優先したい人 |
また、AF性能はスペック表だけでは分からない部分も大きいです。できれば店頭やレンタルで、実際に動きもの(歩行者や走る車など)を追いかけてみて、「AFが粘ってくれる感覚」が自分に合うかどうかを試してみると、失敗が少ないかなと思います。
私自身は、APS-Cの軽いボディに望遠ズームを組み合わせて「気軽に持ち出せるセット」として使いながら、本気で撮りたい日はフルサイズ+明るいズームという二本立てにしています。どこまで本格的にやるかで、必要な予算感も変わってきますので、無理のない範囲で組み合わせを考えていきましょう。なお、ボディやレンズの仕様・価格は変動しますので、購入前には必ず各メーカーの公式サイトで最新情報を確認してください。
撮り鉄向け一眼レフカメラ再評価

ミラーレス全盛とはいえ、一眼レフカメラがまったくダメかというと、そんなことはありません。むしろ中古市場ではかなり狙い目になってきていて、撮り鉄に必要な連写性能とAFを備えた名機を、今はかなり現実的な価格で手に入れられます。「やっぱりミラーショックの感触が好き」という根強いファンも多いですし、光学ファインダーならではの世界もまだまだ魅力的です。
一眼レフの良さは、なんといっても光学ファインダーで遅延なく動きを追えることと、バッテリー持ちの良さです。長時間の撮影や、流し撮りメインでじっくり粘るスタイルだと、今でも「やっぱりOVFが好き」という人も多いはずです。特に、シャッター音とミラーの動きが「撮っている実感」を高めてくれるので、撮影そのものが楽しくなるんですよね。
一眼レフのメリットとデメリット
一眼レフのメリット
- OVFに遅延がなく、流し撮りのリズムをつかみやすい
- バッテリー持ちが良く、遠征でも安心して撮影できる
- 中古市場に選択肢が多く、プロ機でも手の届く価格になっている
一眼レフのデメリット
- 新製品がほとんど出ておらず、今後はミラーレスが主流
- ライブビューAFや動画性能はミラーレスほど得意ではないことが多い
- ボディやレンズが重めになりがちで、機材全体がかさばりやすい
一眼レフを選ぶときのコツ
撮り鉄目的で一眼レフを選ぶなら、「AF性能と連写性能」を最優先で見てください。エントリー機だと測距点が中央に寄っていたり、動体追従のアルゴリズムが弱かったりして、走る列車には少し苦戦しがちです。中級〜上級機のほうが、どうしても撮り鉄には向いていることが多いですね。
一眼レフを選ぶときのチェックリスト
- 中古ならシャッター回数・外装の傷を必ずチェック(店舗ならスタッフに聞くのが安心)
- AF測距点の配置と、動体追従モード(3Dトラッキングなど)の有無を確認
- バッテリーやレンズなど、今後の入手性も事前にチェック(既に生産終了品が多いため)
- 手ブレ補正がレンズ側のみか、ボディ側にあるか(基本はレンズ側が多い)
ただし、一眼レフは今後新製品が増えるジャンルではありません。将来的にステップアップしたい場合は、ミラーレスへの移行も視野に入れて、あくまで「コスパ重視で一眼レフを楽しむ」というスタンスで考えるとよいかなと思います。今あるレンズ資産を活かしつつ、将来アダプターを噛ませてミラーレスに移行する、というルートも現実的です。
価格や在庫状況は日々変化しますので、具体的なモデルを検討するときは、必ずメーカー公式サイトや信頼できる販売店の情報を確認してください。耐久性や修理対応について不安がある場合は、保証内容についても販売店やメーカーに相談し、最終的な判断は専門家にご相談ください。
撮り鉄カメラ設定とAFおすすめ
どれだけ良いカメラやレンズを持っていても、設定が噛み合っていないと撮り鉄では簡単に失敗してしまいます。特に鉄道は「早くて大きい被写体」なので、人物スナップとは求められる設定がかなり違います。ここでは、私が撮り鉄向けに基本としておすすめしているカメラ設定とAFの考え方を、もう少し掘り下げてまとめます。
シャッタースピードとモードの基本
まず、一番重要なのがシャッタースピードです。列車をビシッと止めたいのか、背景を流してスピード感を出したいのかで、適切な値が変わってきます。ここは多少大げさに言ってもいいくらい、「シャッタースピードを制する者は撮り鉄を制する」と言ってもいいかなと思っています。
- シャッタースピード優先モード(S / Tv)が扱いやすい(カメラが自動で絞り値を決めてくれる)
- 在来線の編成写真:1/1000秒前後を目安に調整
- 新幹線など高速列車:1/2000秒〜を目安に余裕をもたせる
- 流し撮り:1/30〜1/60秒くらいまで下げてチャレンジ(慣れてきたら1/15秒などにも挑戦)
これらの数値はあくまで一般的な目安なので、列車の速度や撮影距離、三脚の有無などに応じて、少しずつ変えてみてください。連写をしながらシャッタースピードを段階的に変えて撮っておくと、あとから「自分にとっての適正値」が見つけやすいですよ。
AFエリアと連写の組み合わせ
AFモードは、基本的にコンティニュアスAF(AF-C / サーボAF)+トラッキング系エリアがおすすめです。最近のミラーレスなら「被写体追従+全域AF」をベースにしておけば、列車の顔を自動で追いかけてくれるので、難しい設定をいじらなくても歩留まりが一気に上がります。
とはいえ、すべての状況でトラッキングが完璧に機能するわけではありません。ホームの柱やフェンス、対向列車などが頻繁に入ってくる撮影地では、AFがそちらに引っ張られてしまうこともあります。そんなときは、あえてゾーンAFや1点AFに切り替えて、「列車の顔が通る位置」にあらかじめフォーカスエリアを置いておく「置きピン」に近い発想も有効です。
LED行き先表示とシャッタースピード
LEDの行き先表示は、シャッタースピードが速すぎると文字が欠けたり、横縞になったりします。行き先表示もきっちり写したいときは、1/60〜1/125秒付近まで落としてテストしながら撮影してください。列車の速度によってはブレやすくなるので、安全な場所で余裕を持って練習しておくのがおすすめです。
ISOと絞りの考え方
ISO感度と絞りは、「シャッタースピードを優先して、足りない分を補う役割」と考えると分かりやすいです。最近のカメラは高感度耐性がかなり上がっていて、ISO1600〜3200程度なら実用範囲のことが多いので、ブレるくらいならISOを上げてしまったほうが結果は良くなりやすいです。
- ISOオートを使う場合は、上限ISOをカメラごとの許容ラインに設定(例:ISO3200や6400)
- 絞り値はF5.6〜F8前後を起点にして、天候や被写体距離で微調整
- どうしても被写体ブレするなら、迷わずISOを1段上げてSSを速くする
こうした設定は、機種やファームウェアで挙動が変わることがあります。正確な仕様や推奨設定は、各メーカー公式サイトやマニュアルもあわせて確認してください。設定に不安がある場合は、メーカーや販売店、撮影講座などで専門家に相談しつつ、自分の撮影スタイルに合う組み合わせを探していきましょう。
撮り鉄カメラレンズ焦点距離別
撮り鉄にとって、カメラ本体以上に悩ましいのがレンズ選びだと思います。焦点距離によって撮れる画がガラッと変わるので、「どんな写真を撮りたいか」を基準に考えていきましょう。よくあるのは、「最初に買った望遠レンズが短すぎて、結局すぐ買い替えた」というパターンで、これを避けるには自分の撮影スタイルをざっくりイメージしておくことが大事です。
焦点距離ごとのざっくり役割
- 16〜35mm:鉄道風景、駅スナップ、車内の雰囲気、広い空や山を入れた構図
- 24〜70mm:駅の入線シーンやホームからの撮影全般、編成+駅舎などバランスの良い構図
- 70〜200mm:王道の編成写真、少し離れた場所からの撮影、背景を整理した構図
- 200〜600mm:線路外から安全に狙う面縦や遠景圧縮、長大編成の圧縮表現
たとえば、ホーム先端からの編成写真がメインなら70〜200mm前後が使いやすく、河川敷や陸橋から遠くを走る列車を狙うなら200mm以上が欲しくなります。一方で、ローカル線の駅舎や沿線の風景を絡めて「旅情」を表現したいなら、24〜70mmくらいの標準ズームや、さらに広角寄りのレンズが活躍します。
最初にそろえるべきレンズ構成の例
- 標準ズーム(24-70mm前後)+望遠ズーム(70-300mm前後)という2本構成
- APS-Cなら、望遠側が換算300〜450mmあるとかなり心強い
- 慣れてきたら、F2.8通しの「ナナニッパ」系を1本導入して、夕暮れや夜間撮影にも対応
- ローカル線メインなら、24mmスタートではなく16〜18mmスタートの広角ズームも検討
レンズ選びで失敗しないための考え方
レンズの本数が増えるほど総額も重さも増えていきます。予算と体力のバランスを見ながら、「よく行く路線」「よく撮る構図」に合わせて優先順位をつけるのが現実的かなと思います。
- まずは1〜2本でしっかり使い込んで、「足りない焦点距離」を自分で把握する
- 明るさ(F値)よりも、最初は焦点距離のカバー範囲を重視する
- 重すぎるレンズは結局持ち出さなくなるので、重量も要チェック
- 防塵防滴が必要かどうかは、自分の撮影環境(悪天候の頻度)から逆算
レンズの価格や在庫状況も変わりやすいので、購入前には正確な情報は公式サイトをご確認ください。また、高額なレンズを購入する際は、保険や保証内容についても確認しておくと安心です。不安がある場合は、最終的な判断は専門家にご相談ください。
また、遠征や旅行を兼ねて撮り鉄を楽しむなら、カメラやレンズの持ち運び方も重要です。海外旅行の事例が多いですが、機材を安全に運ぶ考え方は共通しているので、機材の持ち運びや盗難対策に関してはカメラ機材の持ち運びと注意点を解説した記事も参考になるはずです。機内持ち込みの制限や、現地での治安も含めて、事前にしっかり準備しておきたいところですね。
撮り鉄におすすめのカメラ比較
ここからは、具体的にどんな撮り鉄向けおすすめカメラがあるのか、タイプ別・使い方別に整理していきます。スマホ撮影から本格的なミラーレス一眼、中古一眼レフまで、それぞれのメリット・デメリットを把握して、自分のスタイルに合う組み合わせを見つけていきましょう。「今すぐ高価な機材を全部そろえる」のではなく、段階的にステップアップするイメージで読むと、かなりイメージしやすくなるはずです。
撮り鉄カメラスマホ撮影のコツ

「いきなり高いカメラはちょっと…」という場合、まずはスマホカメラで撮り鉄を楽しむのも立派な選択肢です。最近のスマホは望遠レンズやナイトモードも充実していて、条件が合えば驚くほどきれいに撮れます。特に最新のハイエンド機は、センサーサイズも大きくなってきていて、日中の撮影ならSNS映えする写真を撮るには十分な画質だったりします。
スマホ撮影の最大の強みは、「とにかく身軽であること」です。通勤・通学の途中でたまたまレアな編成に出会ったとき、わざわざカメラバッグを持ち歩いていなくても、スマホさえあればとっさに撮れるのは大きな武器ですよね。ここをうまく活かすと、「日常のスナップ撮り鉄」としてかなり楽しめます。
スマホ撮り鉄で意識したいポイント
- シャッターラグを考えて、少し早めにシャッターを切る(列車が来る位置をイメージしておく)
- 連写モード(バースト)を活用してベストな1枚を選ぶ
- ズームは可能なら光学側をメインに、デジタルズームは控えめに(画質劣化を防ぐため)
- 構図と立ち位置を工夫して、広角でも迫力を出す(低い位置から撮るなど)
- 夜やトンネル付近では、ナイトモードや露出補正をうまく使う
スマホ撮影だからこそのメリット
- 荷物が軽く、通勤・通学のついでに気軽に撮れる
- 撮った写真をその場でSNSにアップしやすい
- マナーを守りながら、混雑した駅でも目立ちにくい
- 撮影禁止・制限の有無を確認しつつ、短時間でサッと撮ってサッと移動できる
もちろん、動体へのAFや連写速度、被写体ブレへの強さは、専用カメラにはかないません。本格的に走行写真を量産したくなったら、ミラーレスや一眼レフへのステップアップを考えるタイミングかなと思います。ただ、最初の入口としてスマホで撮り鉄の楽しさを知るのは、とても良い選び方だと思います。
スマホ撮影は、あくまで「気軽な撮り鉄」と割り切ると楽しく続けられます。本格的にハマってきたら、この記事の残り部分を読みながら、次の一歩としてのカメラ選びを考えてみてください。スマホで撮った写真を見返しながら、「このシーンではもう少し寄りたい」「夜ももっと撮りたい」と思ったら、それが次の機材選びのヒントになりますよ。
撮り鉄カメラ中古選びと注意点
撮り鉄向けカメラをできるだけ安くそろえたいなら、中古市場をうまく活用するのがおすすめです。特に、一世代前のミラーレスや一眼レフの上位機は、スペック的には今でも十分現役で使えることが多いんですよね。新品では予算オーバーでも、中古なら手の届く価格になっていることもあります。
ただし、中古には中古ならではのリスクもあります。シャッター耐久回数に近づいている個体だったり、水没歴・落下歴のある個体だったりすると、見た目がきれいでも内部にダメージが残っている可能性があります。ここを見極めるには、できるだけ専門店での購入を前提にするのが安心です。
中古カメラ選びのチェックリスト
- シャッター回数:メーカー公称の耐久回数と大きくかけ離れていないか(可能なら数値を見せてもらう)
- 外装・グリップ:大きな落下痕や割れがないか、ラバーがベタついていないか
- ファインダーやセンサー:カビ・ホコリ・傷の有無(ライトを当てて確認すると分かりやすい)
- 付属品:バッテリーや充電器、マウントキャップの有無(別途で買うと意外と高くつく)
- ファームウェア:最新バージョンかどうか、アップデートでAFが強化されている機種も多い
保証と購入先には注意
中古はどうしても初期不良のリスクがあります。できるだけ保証付きの専門店を選び、ネットオークションなどで相場より極端に安いものには注意してください。価格の判断はあくまで一般的な目安にとどめ、最終的な判断は専門家にご相談ください。
また、中古ボディと中古レンズを組み合わせるときは、マウントの互換性や、ファームウェア更新状況も確認しておくと安心です。古いボディだと、新しいレンズのAFが制限されるケースもあるので、購入前に公式情報も必ずチェックしましょう。特に、サードパーティ製レンズは、ボディ側のアップデートで動作が変わるケースもあるので注意が必要です。
中古をうまく使うと、「まずは中古の上位機でスタート → 自分のスタイルが固まったら新品ハイエンドへ」といったステップアップも現実的になります。大事なのは、「予算を抑えつつも、撮影中にストレスを感じないスペック」を見極めることです。その意味でも、店頭で実際にシャッターを切ったり、AFを動かしてみる体験はとても重要ですよ。
鉄道写真におすすめのカメラ予算別
「結局いくらくらいかかるの?」というのも、撮り鉄用カメラ選びで気になるところですよね。ここでは、ざっくりとした予算別のイメージをまとめておきます。あくまで目安ですが、「このくらいの予算なら、このレベルのことができる」という感覚を持っておくと、無理な買い物をしにくくなります。
ざっくり予算感の目安
- 〜10万円:エントリーミラーレス+キットレンズ、または高性能コンデジ
- 10〜20万円:APS-Cミラーレス+望遠ズーム付きダブルズームキット
- 20〜40万円:ミドル〜ハイエンドAPS-Cまたはフルサイズ+望遠ズーム
- 40万円〜:フルサイズ上位機+F2.8ズームなど本格構成
予算を決めるときの考え方
- ボディよりも、長く使えるレンズに多めに投資する(ボディは数年単位で替わる)
- 「よく行く路線」で必要な焦点距離から逆算して、レンズの優先順位を決める
- いきなり全部そろえず、半年〜1年使ってから不足を買い足す(失敗を減らすコツ)
- 遠征費や現地での交通費も含めて、「撮影全体のコスト」をトータルで考える
ここで挙げた金額は、あくまで一般的な目安です。為替やセール、在庫状況で大きく変わるため、具体的な購入前には各メーカーや販売店の最新情報を必ず確認してください。また、ローンや分割払いを利用する場合は、金利や総支払額も含めて慎重に検討し、不安があれば金融の専門家などに相談のうえ、最終的な判断は専門家にご相談ください。
個人的には、「まずは10〜15万円前後でミラーレス+ダブルズームキットを手に入れ、1〜2年使い込んだあとに、本気でハマったら20〜40万円クラスにステップアップする」という流れが、無理なく楽しめるパターンかなと思います。その間に、自分がどのくらいの頻度で撮りに行くのか、どの路線が多いのかも見えてきますからね。
撮り鉄おすすめカメラメーカー比較(キヤノン・ニコン・ソニー)
撮り鉄向けおすすめカメラとして名前が挙がりやすいのが、キヤノン・ニコン・ソニーの3メーカーです。どのメーカーもプロやハイアマが鉄道撮影で使っている実績があって、正直なところ「このメーカーじゃないと撮れない」ということはありません。
大事なのは、
- 自分がよく撮るシーン(駅メイン/沿線メイン/夜間撮影 など)
- 将来的にそろえたいレンズの方向性(超望遠重視/標準ズーム重視/単焦点も楽しみたい など)
この2つと、各メーカーの性格が噛み合うかどうかです。
ざっくりメーカーごとの特徴
キヤノン(EOS Rシステム)
- APS-Cのクロップ倍率:1.6倍
- AF:乗り物・動物・人物などを自動認識する被写体検出AF
- 代表的な鉄道向き機種:EOS R7(約3,250万画素・メカ15コマ/秒)、EOS R6 Mark II(約2,420万画素・電子40コマ/秒)
- 色傾向:やや暖色寄りで、人肌や空の色が素直に出やすい印象
キヤノンは「色味」と「AFの分かりやすさ」に強みがあります。AFメニューが比較的シンプルで、「乗り物優先」「自動」などの設定を選んでおけば、あまり細かい調整をしなくても列車の前面をガシガシ追ってくれるので、撮り鉄初心者でも扱いやすいです。家族写真やイベント撮影でも強いので、「1台で何でも撮りたい」タイプのあなたには特に相性がいいかなと思います。
ニコン(Zシステム)
- APS-C(DX)のクロップ倍率:1.5倍
- AF:EXPEED 7世代では「列車」「飛行機」など専用の被写体認識モードあり
- 代表的な鉄道向き機種:Z50II(約2,090万画素・メカ11コマ/秒)、Z8(約4,571万画素・電子120コマ/秒)
- EVF:Z8/Z9はブラックアウトフリーEVFで流し撮りに非常に強い
ニコンは「連写性能」と「EVFの見やすさ」、そして超望遠ズームのコスパが魅力です。NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR(重量約1,955g・最大600mm)など、鉄道+飛行機を1本でこなせるレンズを比較的手頃な価格帯で出しているのも強いポイント。鉄道メイン+たまに飛行機、というスタイルの人にはかなりハマりやすいメーカーです。
ソニー(Eマウント)
- APS-Cのクロップ倍率:1.5倍
- AF:リアルタイムトラッキング+被写体認識AF(世代により精度は変わる)
- 代表的な鉄道向き機種:α6700(約2,600万画素・メカ11コマ/秒)、α7 IV(約3,300万画素・メカ10コマ/秒)
- レンズ:純正+サードパーティ(Tamron・Sigmaなど)が非常に豊富
ソニーは「ミラーレスの老舗」「レンズ選択肢の多さ」が最大の特徴です。サードパーティの望遠ズームや標準ズームを組み合わせることで、純正だけをそろえるよりもコストをグッと抑えたシステム構築がしやすいです。軽量なAPS-Cボディも多く、リュック1つで身軽に遠征したい人にはかなり向いています。
将来のステップアップもイメージしよう
どのメーカーも、エントリーからフラッグシップまでラインナップがあります。
最初の1台を決めると、次からはボディだけ買い替えてレンズはそのまま流用…という流れになることが多いので、マウント選び=将来のシステム選びと言ってもいいくらい大事です。
- 将来的にフルサイズへ行きたいのか
- 動画制作やVlogも本気でやりたいのか
- 鉄道だけでなく、飛行機・野鳥なども撮るのか
このあたりを、ざっくりでいいのでイメージしておくと後悔しにくいです。
撮影スタイル別のざっくりおすすめ傾向
- 鉄道メイン+たまに飛行機
→ ニコンやソニーの600mm級ズームが使いやすく、APS-Cとの組み合わせで実質900mm相当まで届くので、空港や沿線でも活躍しやすいです。 - 家族写真やイベント撮影と兼用
→ キヤノンの色味とAFはオールラウンドに強く、鉄道・人物・風景を1台でまかなうにはとてもバランスが良いです。「運動会+撮り鉄」みたいな使い方にも向いています。 - 動画制作やVlogも本気で
→ ソニーや、ボディ内手ブレ補正が強いパナソニックのミラーレスも検討候補です。4K60p以上・S-Log・10bit記録など、動画用の機能が充実しているので、鉄道動画メインの人にはかなり心強い組み合わせになります。
最後は「触ってみてしっくり来るか」が超大事
メーカーごとの描写の違いやボディの握り心地は、カタログだけでは分かりません。
できれば量販店や専門店に行って、
- ファインダーを覗いたときの見え方
- シャッター音の感触
- グリップしたときのフィット感
- メニューの分かりやすさ
このあたりを実際に体験してみてください。「なんとなくこれが好き」という直感も、意外と大事です。長く付き合う相棒になるので、スペックだけでなく「触っていて気持ちいいか」も判断材料にしていいと思います。
なお、各メーカーの仕様やラインナップ、ファームウェアアップデート内容、価格は随時更新されています。最新のボディやレンズ情報は必ず公式サイトを確認し、迷ったときは販売店や写真教室などで相談しつつ、最終的な判断は専門家にご相談ください。
撮り鉄におすすめのカメラ紹介と選ぶ理由
ここからは、本記事の内容に合致しつつ、私自身も撮影現場で使ってきた経験から「撮り鉄と相性が良い」と感じているおすすめカメラを、スペック・特徴・撮り鉄向けポイントの順で紹介していきます。どのモデルも価格帯や用途が少しずつ違うので、あなたの撮影スタイルに近いものをイメージしながら読んでみてください。
Canon EOS R7(APS-C・高速連写に強い万能機)
主なスペック
- 有効画素数:約3,250万画素(APS-Cセンサー)
- 連写性能:メカシャッター最大15コマ/秒、電子シャッター最大30コマ/秒
- AF:被写体検出AF(乗り物対応)、全域トラッキング
- 重量:約612g(バッテリー込み)
特徴と魅力
EOS R7は、APS-Cセンサーにより1.6倍相当の望遠効果が得られるため、沿線撮影や遠くの列車を狙う場面でとても有利です。高速連写と安定したAF追従性能があり、走行中の列車でもピントを外しにくいのが良いところですね。ボディサイズも比較的コンパクトで、遠征撮影や長時間の歩き撮影でも負担が少ないのも実用的だと思います。
なぜ撮り鉄向けなのか
シャッターチャンスが一瞬の通過列車に対して、高精度トラッキングAF+高速連写の組み合わせが非常に強力です。さらにAPS-Cの望遠寄り特性と、RF100-400mmなど手頃な望遠ズームとの相性が良く、コスパの高い「鉄道撮影セット」を組みやすいのが魅力です。
Nikon Z8(動体追従・高速処理に優れたハイエンド機)
主なスペック
- 有効画素数:約4,571万画素(フルサイズセンサー)
- 連写性能:電子シャッター最大120コマ/秒(低解像モード)
- AF:列車・飛行機などの被写体認識対応
- EVF:ブラックアウトフリー表示
特徴と魅力
Z8は、Z9ゆずりの高速画像処理と被写体認識性能をコンパクトにまとめたハイエンドモデルです。ブラックアウトフリーのEVFにより、列車の動きを途切れず追い続けられるので、流し撮りや高速進入カットでもリズムを崩しにくいのが大きなメリットです。高解像・高ダイナミックレンジで、鉄橋・風景・夕景など表現の幅もかなり広がります。
なぜ撮り鉄向けなのか
高速連写・強力AF・EVFの追従性という、鉄道撮影で重要な三要素を高水準で満たしています。特にNIKKOR Z 180-600mmとの組み合わせは、鉄道+飛行機・野鳥まで一本化できるため、遠距離望遠主体の撮影スタイルと相性抜群です。
Sony α6700(軽量APS-C+高性能AFで遠征に強い)
主なスペック
- 有効画素数:約2,600万画素(APS-Cセンサー)
- 連写性能:最大11コマ/秒
- AF:リアルタイムトラッキング、被写体認識対応
- 重量:約493g(バッテリー込み)
特徴と魅力
α6700は、軽量ボディながら最新世代のAFアルゴリズムを搭載しており、列車の進入から通過まで安定して追従しやすいのが特長です。APS-Cと望遠ズームの組み合わせで実効焦点距離を伸ばせるため、ホーム端からの面縦構図や郊外路線の望遠圧縮にも使いやすい一本です。さらに、小型で持ち歩きやすく、旅行や遠征撮影と相性が良い点もメリットです。
なぜ撮り鉄向けなのか
軽量システムで「身軽さと機動力」を確保しながら、AF性能やレスポンスも十分に高いので、移動が多い撮り鉄にはかなり実用的なバランスです。サードパーティ製望遠ズームが充実しており、コスパ重視のシステム構築がしやすいのも魅力です。
どのモデルにも得意な撮影シーンや性格があります。迷ったときは、「望遠主体で撮るか」「機動力を重視するか」「長く使うメイン機にするか」を基準に考えてみてください。最終的な判断は、公式スペック・最新価格・試用感を確認したうえで、専門家や販売店にも相談すると安心です。
撮り鉄おすすめカメラの選び方まとめ
最後に、撮り鉄におすすめのカメラ選びをざっくり振り返っておきます。撮り鉄用おすすめカメラといっても、正解は一つではなく、あなたの撮影スタイルや予算、撮りたい被写体によってベストな答えが変わります。大事なのは、「他人の正解」ではなく「あなたの正解」を見つけることです。
- まずは「どこで」「どんな列車を」「どんな構図で」撮りたいかを具体的にする
- スマホやエントリーミラーレスで始めて、必要に応じてステップアップする
- レンズは標準+望遠を軸に、よく使う焦点距離からそろえる
- 中古や型落ちも選択肢に入れて、無理のない予算で長く続けられる環境を作る
安全とマナーは機材以上に大事
どんなに良い撮り鉄向けおすすめカメラを持っていても、線路内への侵入や無理な立ち位置は絶対にNGです。ホーム上では黄色い点字ブロックの内側から出ない、三脚や脚立はルールを守って使うなど、安全第一で撮影を楽しんでいきましょう。ルールや運行情報は、各鉄道会社の公式アナウンスも必ず確認してください。
この記事で紹介した内容は、私自身が撮り鉄としてカメラを選び、現場で試してきた経験をベースにまとめていますが、機材の仕様や価格、ルールは日々変わっていきます。正確な情報は公式サイトをご確認ください。また、高額な機材購入や保険、安全に関わる判断について不安がある場合は、最終的な判断は専門家にご相談ください。
あなたが自分にぴったりの撮り鉄におすすめのカメラを見つけて、気持ちよくシャッターを切れるようになれば、撮影の時間そのものが今まで以上に楽しくなるはずです。ぜひ、自分のペースで少しずつ機材と仲良くなっていきましょう。


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