PR

Canon RF45mm F1.2 STM 評価レビュー徹底解説

カメラ&関連商品・アプリ
記事内に広告が含まれています。
スポンサーリンク

CanonRF45mmF1.2STMの評価レビューを探していると、価格や作例、ボケ描写、解像力、ポートレート撮影への向き不向き、さらにはRF50mmF1.8STMやRF50mmF1.2LUSMとの比較まで、気になるポイントが一気に出てきますよね。実際、検索結果を眺めているだけでも情報がバラバラで、「結局どうなの?」と感じることが多いはずです。

とくに、初めてのF1.2大口径レンズとしてCanonRF45mmF1.2STMの購入を検討しているあなたにとっては、「このレンズの価格に見合う写りなのか」「ポートレートやスナップでどれくらいボケるのか」「APS-C機で使ったときの画角やバランスはどうなのか」といった疑問が次々に浮かんでくるはずです。さらに、「LレンズじゃないF1.2ってどうなの?」という不安もありますよね。

この記事では、CanonRF45mmF1.2STMの実際の描写傾向やボケ表現、フォーカス性能や動画撮影への適性、RF50mmF1.8STMやRF50mmF1.2LUSMとの比較、さらにAPS-C機との相性まで、私自身の使用経験をベースに率直な評価レビューとしてまとめました。カタログ数値の羅列ではなく、「こういうシーンではこう写る」「ここは割り切りが必要」といった実践的な視点でお話ししていきます。

ここが気になるよね、というポイントを一つずつ整理しながら、あなたの撮影スタイルにこのレンズがハマるかどうかを一緒に確認していきます。この記事を読み終わるころには、「買う/見送る」の判断軸がかなりクリアになっているはずなので、コーヒーでも飲みながらゆっくり読み進めてもらえたら嬉しいです。

記事のポイント
  • CanonRF45mmF1.2STMの価格と基本スペックが分かる
  • 解像力やボケ描写など写りの特徴を具体的にイメージできる
  • RF50mmF1.8STMやRF50mmF1.2LUSMとの違いを理解できる
  • フルサイズとAPS-Cで使うときの適性や注意点を把握できる
スポンサーリンク
  1. CanonRF45mmF1.2STM評価レビュー全体像
    1. RF 45mm F1.2 STM価格と基本仕様
      1. スペックから見えるコンセプト
      2. 価格感と他レンズとのバランス
    2. RF45mmF1.2STM 解像力と描写傾向
      1. 開放付近の描写:ふんわり系の立ち上がり
      2. F2〜F5.6のスイートスポットと理論的な解像限界
      3. 1. センサー側の解像限界(Nyquist周波数)
      4. 2. レンズ側の理論限界(回折限界)
      5. 「ポートレートなら十分か?」の具体的な根拠
        1. 1. プリント解像度から考える
        2. 2. ポートレートにおける「解像しすぎ問題」
      6. 実運用でのまとめ
    3. RF45mmF1.2STMボケ描写と収差評価
      1. ボケの性格:クラシカル寄りの個性派
      2. 軸上色収差との付き合い方
    4. RF45mmF1.2STM フォーカス性能と理論的な許容範囲
      1. ギアタイプSTMの特性とフォーカス速度の理屈
      2. 被写界深度とAF精度:どれくらいシビアか数値で見る
      3. 静止画ポートレートでのAF性能:理論的にはどのくらい余裕があるか
      4. 動体への追従:物理的にどこまでいけるか
      5. MFとAF+MF併用:フォーカス精度を追い込む余地
      6. 結論:ポートレート用途に必要なフォーカス性能は十分か?
    5. RF45mmF1.2STM動画向け挙動評価
      1. フォーカスブリージングと画角変動
      2. AF音と運用の工夫
  2. CanonRF45mmF1.2STM評価レビュー結論と比較
    1. RF45mm F1.2 STMと50mmF1.8比較
      1. 比較スペックと性能バランス
      2. 軽さ・価格・写りのバランス
      3. 用途別おすすめ判断(目的で選ぶ)
      4. 表現か汎用性か ― レンズ選択の軸
      5. どんな人にどっちが向いているか
    2. RF45mm F1.2 STMと50mm F1.2L比較
      1. 性能とコンセプト比較(星取評価)
      2. Lレンズとの画質比較
      3. RF45mm F1.2 STMの立ち位置
      4. 用途別おすすめ判断(どちらが向いているか)
      5. どんな人にどちらがフィットするか
    3. RF45mm F1.2STM APS-C運用評価
      1. 中望遠ポートレートとしての魅力
      2. テーブルフォトや室内撮影での注意点
    4. RF45mmF1.2STMの弱点と対策
      1. 軸上色収差と周辺描写の甘さ
      2. 防塵防滴非対応とフード別売
      3. フォーカスブリージングと動画での使い方
    5. CanonRF45mmF1.2STM評価レビュー総括

CanonRF45mmF1.2STM評価レビュー全体像

ここでは、CanonRF45mmF1.2STMがどんな立ち位置のレンズなのかをざっくり掴んでいきます。単なるスペック比較だけでは見えてこない、「持ち出したくなる軽さ」や「撮っていて楽しいかどうか」といった感覚的な部分も含めて、レンズのキャラクターを多角的に整理していきます。

RFシステムの標準単焦点は、上位にRF50mmF1.2LUSM、エントリーにRF50mmF1.8STMがあり、その真ん中にスッと入ってきたのがこのRF45mmF1.2STMです。焦点距離が50mmではなく45mmというところにも、現代的な使い方を意識した設計思想がにじんでいて、「標準レンズの新しい答え」として提示された一本と言っていいかなと思います。

RF 45mm F1.2 STM価格と基本仕様

公式サイトより

CanonRF45mmF1.2STMは、RFマウント用のフルサイズ対応標準単焦点レンズです。最大の特徴は、F1.2という超大口径ながら実売6万円台という攻めた価格設定と、約346gという軽さの両立にあります。従来、F1.2クラスといえば20万円〜30万円台が当たり前だったことを考えると、この価格レンジで新型AFレンズとして登場したこと自体がちょっとした事件なんですよね。

スペックから見えるコンセプト

まずはスペックを整理しておきます。ここを押さえておくと、このレンズが何を重視して設計されているのかが見えてきます。

項目RF45mmF1.2STM
マウントキヤノンRFマウント(フルサイズ対応)
焦点距離45mm
開放F値F1.2
絞り羽根9枚(円形絞り)
最小絞りF16
最短撮影距離0.45m
最大撮影倍率0.13倍
レンズ構成7群9枚(PMo非球面レンズ1枚)
フィルター径67mm
最大径×長さ約φ78mm×75mm
質量約346g
AF駆動ギアタイプSTM
手ブレ補正レンズ内補正なし(ボディ内補正と協調)
防塵防滴非対応
フードES-73B(別売)

F1.2の大口径、45mmという少しワイド寄りの標準画角、そして9枚羽根の円形絞り。このセットだけを見ると「がっつりポートレートやボケ表現を楽しんでください」というメッセージが伝わってきます。一方で、レンズ構成は7群9枚とかなりシンプルで、Lレンズのように特殊硝材をふんだんに使う方向ではなく、「ある程度の収差は残しつつ、軽量・低価格を優先した設計」になっているのが分かります。

価格感と他レンズとのバランス

価格に関しては、あくまで記事執筆時点での一般的な実売の目安ですが、6万円台前半〜後半で推移していることが多い印象です。同じRFレンズのラインナップを見ると、RF50mmF1.8STMが3万円前後、RF50mmF1.2LUSMが30万円台半ばという世界なので、その中間というより「F1.2としては明らかに安いポジション」を狙っているのが分かります。

なお、公式の希望小売価格や最新のラインアップは(出典:キヤノン公式RFレンズ一覧ページ)で確認できます。ここに掲載されている価格やスペックが一次情報になるので、購入タイミングで最終チェックしておくと安心です。

価格に関しては、キャンペーンや為替で変動しやすいので、正確な情報はキヤノン公式サイトや信頼できる量販店の情報を必ず確認してください。記事中の金額はあくまで一般的な目安として捉えてもらえるとありがたいです。

レンズ価格や在庫状況は日々変化します。購入前には複数のショップを比較しつつ、ポイント還元や保証内容も含めて総額で判断するのがおすすめです。予算に余裕がないときほど、無理なローンを組むよりも、レンタルで一度試してから決めるという選択肢もアリですよ。最終的な購入判断に不安がある場合は、カメラショップの店員や専門家に相談してみてください。

RF45mmF1.2STM 解像力と描写傾向

RF45mmF1.2STMの描写は、一言でいうと「開放は雰囲気重視、少し絞ると一気に現代的」です。ここまでは感覚的な話ですが、「じゃあ実際どのくらい解像しているの?」というところを、スペックと光学理論ベースでもう少し踏み込んで見ていきます。結論からいうと、ポートレート用途であれば、解像力という意味ではすでに十分どころかかなり余裕があるレベルです。

開放付近の描写:ふんわり系の立ち上がり

F1.2開放では、中心部はしっかり解像しつつも、コントラストはやや控えめで、ハイライトに薄いヴェールがかかったような印象になります。これが、いわゆる「オールドレンズっぽい」と表現される部分ですね。目元にピントを合わせたポートレートでは、睫毛の一本一本はきちんと見えるのに、肌の荒れや小じわはうまくマスクされて、ちょっとだけ都合よく美化してくれる感じがあります。

ここでポイントなのが、「ソフト=解像していない」ではないということです。
レンズの解像力は、ざっくり言うと「どれくらい細かいしま模様(空間周波数)をコントラストを保ったまま写せるか」で表現されます。専門的にはMTF(Modulation Transfer Function)と呼ばれる曲線で、例えば10本/mmや30本/mmといった空間周波数に対して、どのくらいコントラストを残せるかを見ます。

  • 人物の輪郭や大きな形:10本/mm前後の低〜中周波数
  • まつ毛・髪の毛の質感:30本/mm前後の中周波数
  • 肌のキメや毛穴レベル:50本/mm以上の高周波数

開放のRF45mmF1.2STMは、収差をあえて少し残す設計なので、高周波(毛穴レベルのディテール)はほどよく落としつつ、10〜30本/mmあたりのコントラストは十分に確保しているタイプだと考えられます。だからこそ「目やまつ毛はシャープだけど、肌はふんわり」という描写になるわけですね。

一方で、四隅の解像は開放だと明確に落ちます。平面的な被写体、たとえば風景の草むらのディテールや建物の窓の列などを画面の端までビシッと解像させたい場合、F1.2開放は正直きついです。像面湾曲や非点収差の影響で、隅が流れるような描写になりやすいので、「画面全体をシャープに見せたい撮影」には開放は向いていません。

ただ、ポートレート前提で考えると、人物を画面中央〜中域に配置することが多いですよね。重要なのは「被写体にピントがきちんと来ているか」であって、四隅の草の1本1本まで解像しているかどうかは、ほとんどの場合そこまで重要ではありません。むしろ、端の情報が少し流れてくれたほうが、被写体の存在感が強調されることも多いです。

F2〜F5.6のスイートスポットと理論的な解像限界

F2〜F2.8に絞ると、中心部のコントラストがグッと上がり、輪郭もキリっとしてきます。このあたりから「現代的な標準レンズらしい解像感」が前面に出てきて、スナップや日常風景でも安心して使える描写になります。まだ背景はしっかりボケてくれるので、ボケ量とシャープさのバランスを取りたいときにちょうどいいレンジですね。

さらにF4〜F5.6あたりまで絞ると、画面全体がかなり均質にシャープになる「スイートスポット」に入ります。ここまで絞ると四隅の解像もだいぶ整ってくるので、風景撮影や建築撮影であっても、「F1.2のレンズだから風景には使えない」ということはまったくありません。

ここで、もう一歩踏み込んで「どのくらいの解像力が理論上期待できるか」を考えてみます。

1. センサー側の解像限界(Nyquist周波数)

たとえば、

  • EOS R5:有効約4500万画素、画素ピッチ約4.4µm
  • EOS R6:有効約2000万画素、画素ピッチ約6.6µm

といったボディで使うことを考えます。
センサーが理論的に表現できる限界解像度(ナイキスト周波数)は、

  • R5クラス:約110本/mm前後
  • R6クラス:約75本/mm前後

くらいになります(1/(2×画素ピッチ)からの概算)。

2. レンズ側の理論限界(回折限界)

レンズの解像限界は、回折という物理現象によっても制約されます。
回折で決まる理論的な限界解像度は、ざっくり

  • F2:センサー側がボトルネック(レンズはもっと解像できる)
  • F4:R5のナイキストに近い解像度まで出せる
  • F5.6〜F8:徐々に回折の影響が出て、わずかに解像感が落ち始める

といったイメージです。

つまり、F4前後に絞ったRF45mmF1.2STMは、「レンズもセンサーもほぼ限界近くまで使い切っている状態」だと考えられます。あとは、わずかな収差と撮影者側のブレ・ピント精度が実際の解像力を決める要素です。

「ポートレートなら十分か?」の具体的な根拠

「ポートレート撮るだけなら、どの程度の解像力があれば十分なの?」という疑問に対して、もう少し具体的な根拠も出しておきます。

1. プリント解像度から考える

一般的に、高品質プリントの標準とされる解像度は300dpi程度です。
これは線ペアでいうと約6本/mm前後の情報です。

  • A4プリント(短辺約210mm)
    → 300dpi換算でも6本/mm程度で十分
  • A3〜A2プリントでも、通常の鑑賞距離(50〜100cm)なら
    → 必要な解像度はさらに下がります

一方で、RF45mmF1.2STMをF4〜F5.6で使った場合、中心部ではおおむね50本/mm以上の情報を十分なコントラストで再現できるレベルが期待できます(現代の標準〜準ハイエンド単焦点レンズの目安)。これは「高品質プリントに必要な解像度」の10倍近い情報量を持っているイメージです。

つまり、

  • WebやSNS用:完全にオーバースペック
  • A4〜A3プリント:かなり余裕
  • 顔が大きく写るポートレート:肌の質感まで余裕で描写可能

というレベルなので、ポートレート用途で「解像力が足りない」という状況に出会うことはまずないと言っていいです。

2. ポートレートにおける「解像しすぎ問題」

もうひとつ大事なのが、ポートレートの場合「解像力が高ければ高いほど良い」とは限らない、という点です。
解像力があまりに高いと、

  • 肌の毛穴や小じわ
  • メイクのムラ
  • 髪の乱れ

まで、必要以上にリアルに写ってしまい、「人物としてはかえって美しく見えない」ことがよくあります。実際、ポートレート用の古典的なレンズやシネレンズでは、あえて高周波成分を少し落とした設計が採用されてきました。

RF45mmF1.2STMの開放描写は、まさにここをうまく突いていて、

  • 10〜30本/mmあたりの情報(目・輪郭・髪のボリューム)はしっかり
  • 50本/mm以上の高周波(毛穴・うぶ毛)は少し柔らかくなる

というバランスになっていると考えられます。
「ポートレート撮影するのであれば、これ以上の解像度はむしろレタッチの手間を増やすだけ」というケースも普通にあり得るので、RF45mmF1.2STMの解像力は、実用上かなりちょうどいいところを狙っていると言っていいと思います。

実運用でのまとめ

  • F1.2〜F1.4:
    中心部はまつ毛レベルまでしっかり写りつつ、肌はふんわり。
    → 雰囲気重視のポートレートに最適。四隅は割り切り。
  • F2〜F2.8:
    センサーの性能を活かした「現代的なシャープさ」と、まだ豊富なボケ量の両立。
    → スナップや環境ポートレートにベストバランス。
  • F4〜F5.6:
    レンズとセンサーの理論限界に近い解像度。
    → 風景や作品撮りにも十分使えるレベルで、ポートレートとしては明らかに「解像しすぎ」なくらい。

このあたりを踏まえると、ポートレートを前提にするなら、RF45mmF1.2STMの解像力はすでに「必要十分どころか余裕のあるスペック」だと自信を持って言えます。あとは、開放の柔らかさを「好みの味」として楽しめるかどうかが、このレンズと長く付き合えるかどうかの分かれ目になるかな、というイメージです。

RF45mmF1.2STMボケ描写と収差評価

RF45mmF1.2STMを選ぶ最大の理由は、やはりボケ描写です。F1.2開放では、背景が大きく溶けるようにボケて、被写体がふわっと浮かび上がります。標準域の焦点距離でここまで背景を飛ばせるレンズは多くないので、「被写体だけを主役にしたいポートレート」との相性はかなりいいです。

ボケの性格:クラシカル寄りの個性派

このレンズのボケは、「とにかく滑らかに溶けるタイプ」というより「少し荒々しさを残したクラシカル寄り」のキャラクターです。画面中心付近のボケは比較的なめらかですが、絞り開放では玉ボケの輪郭にやや縁取りが出やすく、背景次第ではざわざわした印象になることもあります。

画面周辺では口径食の影響が強く、玉ボケがラグビーボール状やキャッツアイ状に変形します。この形状変化が背景全体に広がると、ぐるっと渦を巻くような「ぐるぐるボケ」が出ることもあり、これが好きな人にはたまらないポイントになります。古いポートレートレンズのような雰囲気を求めているなら大きな魅力ですが、均質でフラットなボケを求めると気になるかもしれません。

軸上色収差との付き合い方

もうひとつ、このレンズで気を付けたいのが軸上色収差です。ピント面の前後で、手前側がマゼンタ寄り、奥側がグリーン寄りに色づくフリンジが出やすく、特に逆光気味の金属・髪の毛・細い枝・白い服の輪郭などではかなり目立つことがあります。F1.2クラスのレンズでは珍しい話ではありませんが、RF45mmF1.2STMは価格を抑える代わりに、ここを完全には潰していない印象です。

対策としては、まず「開放にこだわりすぎない」ことが大事です。F1.4〜F2くらいまで一段絞るだけでもフリンジはだいぶ落ち着きますし、被写体との距離を少し変えるだけでも目立ち方が変わります。また、撮影後のRAW現像で色収差補正やフリンジ軽減を使ってあげると、多くの場面では実用上問題ないレベルまで抑えられます。

軸上色収差は、現像ソフトの色収差補正である程度は抑えられますが、完全に消すのは難しいケースもあります。気になる場合は、F1.4〜F2程度まで一段絞るだけでもかなり改善されるので、「雰囲気重視なら開放、キレと色収差のバランス重視なら少し絞る」という意識で使い分けるのがおすすめです。作品撮りでどうしても気になる場合は、撮影段階で背景や光の向きを調整してあげると、後処理の負担も軽くなります。

より光学的に整ったボケを求めるならLレンズ系の選択肢が有利ですが、RF45mmF1.2STMの少し荒削りなボケのキャラクターは、写真に独特のムードを与えてくれます。このクセを「ノイズ」と見るか「個性」と見るかで、このレンズへの評価は大きく変わってきます。あなたが「完璧よりも味を重視するタイプ」なら、ハマる一本になるはずです。

RF45mmF1.2STM フォーカス性能と理論的な許容範囲

AF駆動にはギアタイプSTMが採用されていて、最新のUSMやナノUSMと比べると、静粛性とスピードの面で一歩譲ります。ただし、実際に使ってみると「遅くてイライラする」というレベルではなく、静止画メインなら十分実用的なスピードだと感じる場面がほとんどです。ここでは、もう少し踏み込んで「どのくらいのフォーカス性能があり、ポートレート的にはどの程度余裕があるのか」を、スペックと理論を絡めて整理してみます。

ギアタイプSTMの特性とフォーカス速度の理屈

ギアタイプSTMは、その名の通りステッピングモーターをギアで減速して使う方式です。

  • ステッピングモーター:一歩一歩、極めて細かい角度で回転できる
  • ギア減速:回転速度は落ちる代わりにトルクが増え、細かい制御がしやすい

という性質があります。対してリングUSMは、モーター自体がリング状で、焦点調整用のレンズ群を直接駆動できるので、立ち上がりも停止も非常に速く、スポーツ用の超望遠などに向いています。

RF45mmF1.2STMの場合、F1.2のレンズらしくフォーカスレンズ群もそれなりに重たいので、いきなり「0.45mから無限遠まで0.1秒で一気に合焦」というような動きはどうしても苦手です。ざっくりイメージとしては、

  • フルストローク(最短〜無限遠):0.4〜0.6秒クラスの感覚
  • 通常のポートレート距離(1.2〜3m付近の微調整):もっと速く、ほぼ瞬時

という印象です。大きく外した状態からの「迷い」はUSMより長く感じますが、ポートレートのように「ある程度距離が決まっている被写体」を撮る場合は、フォーカス移動量がそもそも小さいので、実用上はほとんど気になりません。

被写界深度とAF精度:どれくらいシビアか数値で見る

F1.2の世界がどれくらいシビアか、ざっくり数値でイメージしてみます。フルサイズ機・焦点距離45mm・F1.2で、人物を撮ることの多い距離について、被写界深度を概算してみるとだいたいこんな感じになります(円形錯乱径は一般的なフルサイズ用の値を想定)。

  • 撮影距離 1.0m:被写界深度 ≒ 前後あわせて 1.5〜2cm 程度
  • 撮影距離 1.5m:被写界深度 ≒ 3cm 前後
  • 撮影距離 2.0m:被写界深度 ≒ 5cm 前後

人の顔の「前後の厚み」(鼻先〜耳あたり)をざっくり15〜20cmとすると、F1.2で1.5m前後から撮るポートレートでは、

  • ピントがジャスト:瞳〜目の周辺がビシッと、鼻先と耳はふんわり
  • 2〜3cm前ピン:睫毛ではなく鼻先が一番シャープ
  • 2〜3cm後ピン:耳や髪の生え際が一番シャープ

という感じで、「2〜3cmのズレ」で見た目の印象がガラッと変わる世界です。

ここで効いてくるのが、EOS Rシリーズに搭載されているデュアルピクセルCMOS AF IIの仕組みです。これはセンサー面に埋め込まれた位相差検出画素で、「どの方向にどれくらいズレているか」を直接検出します。従来の一眼レフのように、

  • ミラー
  • AFセンサー
  • レンズ

の光路誤差で前ピン・後ピンが出る方式ではないため、合焦精度の理論値としては非常に高いと言えます。

F1.2でピントが外れたように見えるケースの多くは、

  • シャッターを切る瞬間の自分の身体の揺れ(数mm〜1cm)
  • 被写体のわずかな前後動き(呼吸・会話の動きで2〜3cm)
  • シャッタースピードが遅すぎることによるモーションブラー

が原因であることが多く、レンズやAFシステムの「合焦位置の誤差」そのものは、数mm程度に収まっていることがほとんどです。

静止画ポートレートでのAF性能:理論的にはどのくらい余裕があるか

静止画ポートレートで考えると、

  • 撮影距離:1.2〜2m前後
  • 被写界深度:2〜5cm程度
  • 被写体の動き:会話している人の頭の前後ブレは、1コマの間で1cm前後が多い

くらいが現実的なレンジです。

ギアタイプSTMの駆動スピードであっても、この程度の動きを補正するのに必要なレンズ移動量は非常に小さく、AF更新のフレームレートとモーターのステップ精度から見ても、十分追従可能な領域です。体感としても、

  • 止まっている人物
  • ゆっくり歩いてくる人物

であれば、瞳AFを使って普通に撮っている限り、「合わなくてイライラする」ということはほぼありません。むしろ、歩留まりを左右するのは、

  • シャッタースピード(1/125秒以上を意識)
  • 撮影者自身のホールディング
  • 連写時の最初の一発目の構え方

など「人側の要素」の方が支配的になってきます。

動体への追従:物理的にどこまでいけるか

サーボAFで動きものを追う場合は、レンズ側の駆動速度がボトルネックになりやすく、激しいスポーツや子どもの全力ダッシュを正確に追い続けるのはやや苦手です。ざっくりイメージですが、

  • 子どもがゆっくり走る(時速6〜8km ≒ 約1.7〜2.2m/s)
  • 撮影距離が3m → 0.1秒の間に約20cm近づく

とすると、F1.2・3m付近の被写界深度(数cm)に被写体を収め続けるには、AFが「0.1秒ごとに数cm分のピント移動」を正しく追従し続ける必要があります。

リングUSMやナノUSMを積んだスポーツ向けレンズなら、ここをかなりの確率でこなしてくれますが、ギアタイプSTM+重めのフォーカスレンズ群だと、

  • ほんの少し追従が遅れる
  • 被写体が予想外の加速・減速をする

といった要因が重なったときに、どうしても歩留まりが落ちやすくなります。

なので、このレンズに関しては「スピード感のある動体を追うレンズ」ではなく、「基本は止まっている被写体、せいぜいゆっくり動く程度まで」と割り切って使うのが現実的です。歩いてくるポートレートや、ゆっくり走る子どもくらいであれば十分対応できますが、本格的なスポーツ撮影は別のレンズに任せたほうがストレスが少ないです。

MFとAF+MF併用:フォーカス精度を追い込む余地

フォーカスリングは電子制御ながらトルク感が程よく、MFの追い込みもしやすい設計です。電子式(バイワイヤ)ですが、リングの回転速度とピント移動量の関係も素直で、「ちょっとだけ奥に送りたい」「手前に戻したい」といった微調整がしやすいです。

たとえば、

  • ポートレート撮影で、瞳AFで大まかに合わせる
  • ライブビューで拡大表示して、フォーカスリングで1〜2mmだけ追い込む

といった「AF+MF」運用をすると、F1.2でもかなり精度の高いピントを狙えます。独立したコントロールリングにISOや露出補正を割り当てておくと、ファインダーを覗いたまま素早く露出調整ができるので、設定をいじるのが好きなあなたにはかなり気持ちいい操作感になると思います。室内ポートレートなど時間をかけてじっくり撮れるシーンでは、まさにこのスタイルがハマります。

結論:ポートレート用途に必要なフォーカス性能は十分か?

理論と実際の使い勝手を合わせて整理すると、RF45mmF1.2STMのAF性能は、

  • 合焦精度:デュアルピクセルCMOS AF IIとの組み合わせで、F1.2でも「被写界深度に対して十分な精度」を確保できる
  • 合焦速度:ギアタイプSTMの特性上、スポーツ用USMレンズほど速くはないが、ポートレートやスナップ用途ではほぼ問題なし
  • 動体追従:ゆっくり動く被写体までなら十分、それ以上のスピードはレンズ設計上「守備範囲外」と割り切るのが吉

という位置付けになります。

ポートレート撮影を前提にするなら、「必要なフォーカス性能は十分に満たしていて、余裕もある」と言っていいレベルです。実際の歩留まりは、

  • シャッタースピード
  • 撮影距離
  • 自分と被写体の動き

に大きく左右されるので、F1.2を使うときは、

  • 1/125〜1/250秒以上を意識する
  • 可能なら連写で数枚撮る
  • 少しだけ絞ったカットも混ぜておく

といった「撮り方の工夫」を足してあげると、歩留まりがグッと上がります。総じて、RF45mmF1.2STMのAF性能は「最新のスポーツ向け超音波モーターには及ばないが、ポートレートやスナップには理論的にも実用的にも十分」なレベルにある、というのが私の結論です。

RF45mmF1.2STM動画向け挙動評価

動画用レンズとして見ると、RF45mmF1.2STMは「描写は魅力的だが、いくつかクセが強いポイントがある」という印象です。F1.2の浅い被写界深度で撮るポートレートムービーは本当に雰囲気がよくて、背景の光が大きくボケたカットは、それだけで作品の雰囲気を一段引き上げてくれます。

フォーカスブリージングと画角変動

まず気になるのはフォーカスブリージングです。ピント位置を近距離から遠景に移動させると、画角がズームしたかのようにふわっと変わるのがハッキリ分かります。シネマレンズではブリージングを極力抑える設計が多いのですが、RF45mmF1.2STMはここをあまり抑え込んでいないため、フォーカス送りがそのまま「画角の変化」として目立ってしまう場面があります。

最近のボディにはブリージング補正機能を持つものもあり、対応機種であればある程度は緩和できますが、そのぶん画角がクロップされるなどのトレードオフが発生します。作品として意図的なフォーカス送りを多用する動画スタイルの場合は、このあたりをどこまで許容できるかがポイントになってきます。

AF音と運用の工夫

STM駆動特有の「ウィーン」という駆動音が完全な無音というわけではないので、カメラの内蔵マイクを使った静かなシーンの収録では、音を拾ってしまう可能性があります。屋外で環境音がたくさん入るようなシーンではそこまで気になりませんが、静かな室内でインタビューを撮るような状況だと、録音した音声の中にうっすらAF音が乗ることがあります。

動画撮影重視なら、外部マイクやレコーダーを併用する前提で運用するのがおすすめです。ショットガンマイクを被写体側に向ける、ピンマイクを使うなど、音声の拾い方を工夫してあげると、AF駆動音の影響はかなり軽減できます。

シネマティックな動画で「一歩引いた環境ポートレート」を撮るときには、45mmF1.2の浅いボケと柔らかい描写がかなりハマります。スチルと共用しつつ、PVやポートレートムービー用に使う、という使い方なら十分に魅力的な選択肢です。逆に、ドキュメンタリーや長時間のワンカット撮影など、シビアなフォーカスワークが必要な現場では、ブリージングの少ない別のレンズを用意しておくと安心です。

総合すると、動画用途でRF45mmF1.2STMを選ぶかどうかは、あなたの撮影スタイル次第です。浅いボケを活かしたポートレートムービーやショートクリップ中心なら十分「アリ」ですが、シネマライクなフォーカス送りを多用する本格派スタイルなら、ブリージングを意識した撮り方の工夫が必要になります。

スポンサーリンク

CanonRF45mmF1.2STM評価レビュー結論と比較

ここからは、RF50mmF1.8STMやRF50mmF1.2LUSMといった兄弟レンズとの比較、APS-C機との相性、そして具体的なデメリットと対策、最終的なまとめまで、一歩踏み込んでCanonRF45mmF1.2STMを位置づけていきます。同じRFシステムの中でどういう立ち位置なのかが分かると、「自分のシステムに必要な1本かどうか」を判断しやすくなりますよ。

比較の軸としては、「価格」「重さ」「描写の方向性(完璧さか味か)」「AF性能」「用途の幅」の5つを意識してもらえると、かなり整理しやすいと思います。

RF45mm F1.2 STMと50mmF1.8比較

RF50mm F1.8 STM
RF50mmF1.8STM(公式サイトより)

まずは、いわゆる「撒き餌レンズ」として定番のRF50mmF1.8STMとの比較からです。この2本で迷っている人はかなり多いはずで、私も実際に使い分けてみて、キャラクターの違いはかなりハッキリしていると感じました。ここでは、実際の使用感に加えて、スペックと撮影用途の観点からより踏み込んだ比較をしていきます。

比較スペックと性能バランス

項目RF45mmF1.2STMRF50mmF1.8STM
価格★★★☆☆
(表現力対価格は優秀)
★★★★★
(圧倒的コスパ)
重量・携帯性★★☆☆☆
(346gで軽量だがF1.2として)
★★★★★
(約160g・常用向き)
ボケ量・背景分離★★★★★
(F1.2で圧倒的)
★★★☆☆
(自然で扱いやすい)
解像の均質性★★★☆☆
(開放は周辺が甘め)
★★★★☆
(安定・素直)
最短撮影距離★☆☆☆☆
(0.45m・寄りに弱い)
★★★★★
(約0.3m・テーブルフォト向き)
描写キャラクター★★★★☆
(クセあり・雰囲気特化)
★★★★☆
(ニュートラルで万能)
総合バランス★★★☆☆
(表現特化型)
★★★★☆
(実用・常用型)

軽さ・価格・写りのバランス

RF50mmF1.8STMは、とにかく軽くて安くて素直です。160g前後の軽さとコンパクトなサイズ感は、常にボディにつけっぱなしにしておきたくなる気軽さがあります。画質は現代的で、変なクセも少なく、最短撮影距離も約0.3mと短いので、テーブルフォトや小物撮影にはかなり強い一本です。どこにでも連れていける万能選手、というイメージですね。

対してRF45mmF1.2STMは、F1.2の明るさとボケ量で圧倒します。背景分離能力は別次元で、同じシーンを撮り比べると、被写体の浮き上がり方がまるで違います。その代わり、軸上色収差や四隅の甘さなど、光学的なクセは確実に増えますし、最短撮影距離も0.45mと長いので「寄り」に関しては明確に不利です。

用途別おすすめ判断(目的で選ぶ)

  • 旅行・スナップ・日常撮影中心 → RF50mmF1.8STMがおすすめ
  • 人物・ポートレート・雰囲気重視 → RF45mmF1.2STMが圧倒的に向く
  • テーブルフォト・物撮り・寄り中心 → RF50mmF1.8STMが有利
  • 背景を大きく溶かした表現を優先 → RF45mmF1.2STMが唯一無二

表現か汎用性か ― レンズ選択の軸

コスパと汎用性を最優先するならRF50mmF1.8STM、表現力と「F1.2の世界」を味わいたいならRF45mmF1.2STMという分け方がしっくりきます。どちらが正解というより、あなたが写真に何を求めるかで選ぶレンズが変わるイメージです。

たとえば、旅行や日常スナップがメインで、「とにかく軽い荷物でたくさん撮りたい」というスタイルなら、RF50mmF1.8STMは本当に優秀です。一方で、「ポートレートにもっと振り切りたい」「背景を大きくぼかして主題だけを強調したい」という思いが強いなら、RF45mmF1.2STMのほうが撮っていてワクワクするはずです。

どんな人にどっちが向いているか

私の体感ベースでまとめると、こういう棲み分けになります。

  • 写真を始めたばかり・まずは1本 → RF50mmF1.8STM
  • 単焦点の楽しさを広げたい2本目 → RF45mmF1.2STM
  • 仕事・納品重視で歩留まり優先 → RF50mmF1.8STM
  • 作品づくり・表現寄りの写真がしたい → RF45mmF1.2STM

単焦点レンズ全般の考え方や選び方を整理しておきたい場合は、単焦点レンズの基礎を解説しているカメラマンレンズ選定の基礎知識の記事も合わせて読むと、焦点距離ごとの役割がよりイメージしやすくなると思います。システム全体でのバランスを見ながら、「まずは50mmF1.8から」「次の一歩として45mmF1.2」といったステップアップもアリですよ。

RF45mm F1.2 STMと50mm F1.2L比較

RF50mm F1.2L USM(公式サイトより)

次に、ハイエンドのRF50mmF1.2L USMとの比較です。こちらは価格も重量も別世界で、まさにプロユースの「王様レンズ」といったポジションです。両方使ってみると、「同じF1.2でもここまで性格が違うのか」と驚くと思います。ここでは、単なる印象の比較ではなく、用途・設計思想・運用面まで踏み込んで整理していきます。

性能とコンセプト比較(星取評価)

項目RF45mm F1.2 STMRF50mm F1.2L USM
価格バランス★★★★☆
(F1.2として破格)
★★☆☆☆
(性能代・投資向き)
重量・携帯性★★★★★
(約346g・常用しやすい)
★☆☆☆☆
(約950g・携行負担大)
開放描写の完成度★★★☆☆
(雰囲気重視・収差残存)
★★★★★
(四隅まで高解像・高コントラスト)
ボケの品位と整い方★★★★☆
(個性的・クラシカル傾向)
★★★★★
(滑らかで制御されたボケ)
色収差・逆光耐性★★★☆☆
(条件によりフリンジ発生)
★★★★★
(特殊硝材と高級コーティング)
AF性能・業務適性★★★☆☆
(静止主体・作品寄り)
★★★★★
(プロワークに最適)
総合キャラクター★★★★☆
(軽快・表現特化型F1.2)
★★★★★
(完成度重視のフラッグシップ)

Lレンズとの画質比較

開放描写だけを見ると、RF50mmF1.2L USMは「開放から四隅まで高解像・高コントラスト」を叩き出すタイプで、軸上色収差もかなり抑えられています。UDレンズや研削非球面レンズをふんだんに使い、コーティングも最上位クラスが投入されているため、逆光耐性やフレア耐性も非常に優秀です。現場で「どんな状況でも安心して使える」という信頼感は、まさにLレンズの象徴だと感じます。

一方で約950gという重量は普段使いにはかなりヘビーです。バッグに入れて持ち歩くと、「今日はこのレンズは置いていこうかな」と感じる日も出てきますし、長時間の撮影では首や肩への負担が無視できません。性能を取るか、携帯性を取るか――このあたりが、RF45mmF1.2STMとの差がもっとも表に出るポイントです。

RF45mm F1.2 STMの立ち位置

RF45mmF1.2 STMは、そこをあえて割り切って「Lの完璧さには届かないが、軽さと価格で攻めるF1.2」というコンセプトです。解像力や収差の少なさだけで比べればLレンズが上ですが、346gという軽さは撮影のフットワークを大きく変えてくれます。「持ち出す頻度=写真のチャンスの数」と考えると、軽さそのものが画作りの自由度につながる場面もかなり多いです。

用途別おすすめ判断(どちらが向いているか)

  • 商業撮影・仕事・納品前提・失敗が許されない現場 → RF50mm F1.2L USM
  • 作家性重視・表現寄り・日常から作品づくりまで → RF45mm F1.2 STM
  • 逆光・夜景・高コントラスト環境が多い → Lレンズが有利
  • スナップ・ポートレート・軽快な撮影 → RF45mm F1.2 STMが活躍しやすい

どんな人にどちらがフィットするか

私の体感ベースで整理すると、次のような棲み分けになります。

  • 「機材は重くても構わない、 とにかく最高性能で撮りたい」 → RF50mm F1.2L USM
  • 「F1.2をもっと気軽に持ち歩いて楽しみたい」 → RF45mm F1.2 STM
  • 「一生モノの投資として一本を選びたい」 → Lレンズ側が候補
  • 「今の撮影スタイルを広げる一本が欲しい」 → RF45mm F1.2 STMが最適

RF50mmF1.2L USMのようなLレンズは、性能も価格もまさにフラッグシップなので、「いつかは欲しい憧れの一本」として心の中に置いておいて、その前段階としてRF45mm F1.2 STMを選ぶ、という考え方もまったくアリです。実際の撮影では、「持ち歩けるF1.2」であることが、結果的に良い写真の枚数を増やしてくれることも本当に多いですよ。

RF45mm F1.2STM APS-C運用評価

APS-C機、たとえばEOSR7やR10、R50にRF45mmF1.2STMをつけると、画角は約72mm相当になります。いわゆる中望遠ポートレート域で、F1.2のボケ量も相まってかなり本格的なポートレートレンズとして使えます。ここでは、APS-Cとの組み合わせならではのメリット・デメリットを整理していきます。

中望遠ポートレートとしての魅力

中望遠らしい圧縮効果が出るので、背景の整理がしやすく、屋外ポートレートではかなり扱いやすい印象です。特に、街中や公園などで撮る場合、背景に余計な情報が入りやすいシーンでも、F1.2のボケと中望遠の圧縮でスッと整理された画を作りやすくなります。R50のような小型ボディと組み合わせると、システム全体の重量もまだ許容範囲で、「ライトな見た目なのに写りは本格派」というギャップを楽しめます。

APS-C機でF1.2を使うと、実効的な被写界深度はフルサイズ換算でF1.8〜F2くらいの感覚になります。それでも十分浅いので、「背景をぼかしたいけれど、あまりにも薄すぎるのは怖い」という人には、むしろ扱いやすいかもしれません。

テーブルフォトや室内撮影での注意点

一方で、最短撮影距離0.45mはそのままなので、APS-C機では画角が狭くなるぶん、寄りの撮影にはそこまで強くありません。テーブルフォト中心なら、より寄れるレンズを別途用意したほうが快適です。料理の皿を画面いっぱいに入れたい、マグカップのロゴをアップで撮りたい、という用途だと、RF35mmF1.8MACROISSTMのようなマクロ寄りのレンズのほうに軍配が上がります。

APS-C機での運用は、「ポートレートメインで、F1.2のボケを最大限活かしたい人」にとても相性がいい組み合わせです。旅行やスナップで中望遠が好きなあなたなら、このセットはかなりハマると思います。逆に、室内メインでテーブルフォトやVlogを撮りたい場合は、もう少し広角寄りのレンズをメインに据えて、RF45mmF1.2STMを「ポートレート専用機」として割り切るのもアリです。

フルサイズ機とAPS-C機の両方を持っている場合は、RF45mmF1.2STMを「フルサイズでは標準、APS-Cでは中望遠」として二役使えるのも美味しいポイントです。一本でシステム全体の表現力を一気に広げられるので、サブ機を活用したい人にもおすすめしやすいレンズです。

RF45mmF1.2STMの弱点と対策

ここまで良いところを中心に見てきましたが、RF45mmF1.2STMにはハッキリとした弱点もあります。購入してから「そういうことか…」とならないように、事前に押さえておきましょう。ここでは、気を付けたいポイントと、実際の運用でできる対策をセットで紹介します。

軸上色収差と周辺描写の甘さ

軸上色収差はこのレンズの代表的な弱点で、開放ではかなり目立つ場面もあります。特に、逆光で髪の毛がキラキラ光っているポートレートや、冬の木の枝が空に抜けているようなシーンでは、マゼンタやグリーンのフリンジが分かりやすく出ます。対策としては、F1.2にこだわらずF1.4〜F2あたりに少し絞る、逆光のハイコントラストなシーンでは撮影角度を少し変える、といった運用が現実的です。

また、四隅の描写は開放だとどうしても甘くなります。ここは設計思想として「開放では中央重視」と割り切っている印象なので、風景や建築など、画面全体をシャープに写したい場合は、F4前後までしっかり絞って使う前提で考えたほうが安心です。

防塵防滴非対応とフード別売

防塵防滴構造がないので、雨天や砂埃の多い環境では取り扱いに注意が必要です。小雨程度なら、こまめに水滴を拭き取りつつ短時間で切り上げるなど、撮影側の工夫である程度はカバーできますが、土砂降りの中で長時間撮るような使い方はさすがにおすすめしません。

また、純正フードが別売なのも地味にコストがかかるポイントです。フードは逆光時のフレア・ゴーストを防ぐだけでなく、前玉の物理的な保護にも役立つので、実質必須のアクセサリーだと思っておいたほうがいいです。

屋外での逆光撮影やレンズ保護を考えると、フードは実質必須と言っていいパーツです。レンズフードの効果や必要性については、詳しく解説しているレンズフードのメリット解説記事も参考にしてみてください。純正フードが品薄のときは、信頼できるメーカーの互換品を検討するのも一つの手です。

フォーカスブリージングと動画での使い方

動画撮影ではフォーカスブリージングが気になりやすいので、フォーカス送りを頻繁に使うシネマ系の撮影では、あえてピント位置を固定したカットを多めにする、ジンバルより三脚メインで構図を固めるなど、撮り方側で工夫したほうが安定します。ブリージング補正機能付きのボディを使う場合も、クロップ量や画角の変化を事前に把握しておくと、現場で慌てずに済みます。

これらの弱点は、「完璧な光学性能を求めた結果の不足」ではなく、価格と軽さを優先した設計の上で残した割り切りだと捉えるとスッキリします。どこまで許容できるかは、人によってかなり感覚が違う部分なので、可能ならレンタルや店頭で一度試してみるのがおすすめです。

なお、描写やAFに関する細かい数値評価は、ボディとの組み合わせや個体差の影響も受けます。ここで触れた内容はあくまで一般的な傾向として参考にしつつ、正確な仕様や注意点は必ず公式情報を確認し、最終的な判断は専門家や販売店スタッフにも相談してみてください。高価なレンズほど、納得して選ぶことが長く付き合ううえでいちばん大事だと思います。

CanonRF45mmF1.2STM評価レビュー総括

最後に、CanonRF45mmF1.2STM評価レビューの総括として、このレンズがどんな人にフィットするのかを整理しておきます。ここまで読んできて、「良さも弱点もだいたい分かったけど、自分に合うのかどうかまだ迷う…」というあなたの背中を、そっと押せるようなまとめにしていきます。

RF45mmF1.2STMは、「大口径F1.2の世界を、なるべく手軽に・軽快に楽しむためのレンズ」です。光学的な完璧さよりも、ボケの量と雰囲気、そして日常的に持ち出せる軽さを重視した一本で、撮影体験そのものを豊かにしてくれます。撮りに行くか迷うような日でも、「あの45mm、久しぶりに開放で遊びたいな」と思わせてくれるタイプのレンズです。

おすすめしやすいのは、次のような人です。

  • F1.2のボケ表現を、できるだけ低予算で体験したい
  • ポートレートや日常スナップで、雰囲気重視の写真を撮りたい
  • Lレンズの重さや価格に疲れて、もっと軽快なシステムを組み直したい
  • APS-C機も含めて、明るい中望遠的な一本を探している

逆に、画面全域の完璧な解像力や収差ゼロを求める風景・建築メインの撮影であれば、Lレンズ系の選択肢を検討したほうが満足度は高いはずです。また、全天候のハードな現場で酷使するプロ用途なら、防塵防滴や堅牢性を備えたレンズのほうが安心です。自分の撮影ジャンルと現場の厳しさを、一度冷静に振り返ってみるのがおすすめです。

CanonRF45mmF1.2STM評価レビューとしてまとめると、「欠点も含めてキャラクターとして愛せるなら、価格以上の価値を感じられるレンズ」というのが私の結論です。スペック表だけでは見えてこない楽しさが詰まっている一本なので、あなたの撮影スタイルや好みをイメージしながら、じっくり検討してみてください。

撮影スタイル全体をどう組み立てるか迷っている場合は、レンズ選びの考え方を整理した旅行撮影向けレンズの選び方と代用レンズ解説記事なども参考にしつつ、手持ちのボディや他のレンズとのバランスも含めてシステム全体で考えると、より納得感の高い選択ができると思います。最終的な判断に悩んだときは、無理に結論を急がず、一度レンタルや試写を挟んでから決めるのも全然アリですよ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました